GTX 980を搭載する HP ENVY Phoenix 810-480jp/CTのベンチマーク結果は?
前記事(HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT レビュー 最大GTX980を選択できる水冷CPU搭載のゲーミングデスクトップPC)に続き、今回はHP ENVY Phoenix 810-480jp/CTの構成特徴と性能面について。
今回掲載しているHP ENVY Phoenix 810-480jp/CTの主な構成は、OSがWindows 8.1、CPUはCore i7-4790K、メモリ16GB、 GeForce GTX 980(4GB)、ストレージには512GB SDDと1TB HDDを2基搭載するという内容。
本製品で提供されている構成の中でも特にハイスペックな、ゲーム推奨モデルにあたるマシンです。
今回は上記構成のHP ENVY Phoenixを使用し、構成の特徴や実際の性能について詳しく触れてみました。
【HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT レビュー記事目次】
・HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT 筐体外観と内部構造をチェック
(筺体外観・インターフェース / レッドイルミネーションの採用 / 筐体内部の構造 / 地デジ専用のワイヤレスキーボードとマウス)
・構成特徴とベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間)
・プリインストール・ソフトウェア
(プリインストール・ソフトウェアの内容について)
・製品のまとめ
(HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT 構成内容とその特徴について
まず、掲載しているHP ENVY Phoenixの構成内容とその特徴について解説します。
以下はCPU-ZやGPU-Zの実行結果と、掲載モデルの構成内容です。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT の主な構成】
OS Windows 8.1 Update 64bit
プロセッサ Core i7-4790K(4.00GHz/TB時最大4.40GHz)
チップセット Z97 Express
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 980(4GB)
メモリ 16GB(8GB×2/PC3-12800/4スロット/最大32GB)
ストレージ 512GB SSD(SanDisk製)+ 1TB HDD×2(7200rpm/Seagate製)
光学ドライブ ブルーレイディスクドライブ
無線機能 IEEE802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.0
TV機能 15倍W録画対応 地上・BS・110度CS対応ダブルチューナー(専用リモコン付)
拡張ベイ 5.25インチ×2、3.5インチ×3
拡張スロット PCI Express x16×1、PCI Express x1×1、PCI Express Mini Card×1、Mini SATA ×1
BeatsAudio 対応
電源 500W(80PLUS BRONZE)
サイズ 175×415×412(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約10.3kg
キーボード・マウス ワイヤレス日本語キーボード (Windows 8 ショートカットキー付)、ワイヤレス光学スクロールマウス
保証 1年間 (引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート1年間
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2015年03月11日時点のものです。
冒頭に記載した内容の繰り返しとなりますが、Windows 8.1、Core i7-4790K、メモリ16GB、GeForce GTX 980(4GB)、512GB SSD&1TB HDD×2という、非常にハイスペックな内容のモデルです。
昨年の冬モデルまでは、グラフィックカードの選択肢はGTX 760やGTX 770のみに絞られていたのですが、今回の春モデルよりGTX 980を選択できるようになり、非常に重いハイエンドゲームのプレイにも対応できるような構成のラインナップとなりました。
GTX900番台のグラフィックカードには他にもいくつかの種類がラインアップされていますが、中途半端なモデルは持ってこず、最上位のGTX 980のみを追加したという部分が中々ポイントを押さえており、魅力は大きいです。
とはいえ、GTX 760やGTX 770でも相当に性能は高く、多くのゲームを快適に遊ぶことができますので、プレイするゲームタイトルが大体決まっており、なおかつある程度コストを抑えたいというのであれば、下位のグラフィックカードを搭載したモデルを選択すると良いのではないかと思います。
本製品で選択できる一通りの構成について簡単に触れておくと、まずOSはWindows 8.1のみとなります。
CPUはCore i7-4790やCore i7-4790Kを選択でき、メモリは8GB~最大32GBまで、グラフィックカードは上にも書いた通り、GTX760やGTX770、そしてGTX980を選択可能。
そしてストレージにおいては、1台目に1TB、2TB、3TB HDDもしくは128GB、256GB、512GB SSDを選択でき、2台目や3台目には最大3TBまでのHDDを追加する事ができます。
光学ドライブは最大2基まで、TVチューナーや無線LANの内蔵オプションなども用意されるなど、全体として幅広い構成の選択が可能だという印象です。
一口に HP ENVY Phoenix 810-480jp/CTといっても様々な構成のモデルが提供されており、あるモデルでは選択できるオプションがもう一方では選択できない・・などという事がある為、詳細については製品ページでご確認いただきたいのですが、総じてスペックは高く、ゲームが快適にプレイできるPCを探しているという方にはおすすめできる製品だと言えます。
CPUに水冷クーラーを採用しているため、比較的冷却性能も高いです。
搭載されているストレージの内容を詳しくチェックします。
SSDの仕様
搭載されている2台のHDDの仕様
ディスクの内訳
今回、SSDにはSanDisk製の「SD7SB2Q-512G-1006」という512GB SSDが、HDDは2台ともSeagate製の「ST1000DM003-1ER162」という1TB HDDです。
性能的にも容量的にも満足度の高いストレージ構成だと思います。
SSDは128GBから選択する事ができますので、予算に余裕がない場合は128や256などの容量の小さいSSDを選択すると良いでしょう。
ベンチマークテストの結果
以下、HP ENVY Phoenix 810-480jp/CTで実施したベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 8.4
メモリ 8.4
グラフィックス 8.9
ゲーム用グラフィックス 8.9
プライマリ ハードディスク 8.2
【CrystalDiskMark】
Seq 449.3 / 396.7
512K 276.9 / 345.5
4K 25.57 / 109.1
4K QD32 369.2 / 289.7
数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
行った全テストの結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 168060
Cloud Gate・・・ 26495
Sky Diver・・・ 26190
Fire Strike・・・ 10715
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
左:1280×720 / 右:1920×1080
1280×720 ・・・ 50340~50944
1920×1080 ・・・ 27485~27516
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
左:1280×720 / 中央:1920×1080 / 右:1920×1080(最高画質)
1360×768(描画設定3) ・・・ 208375
1920×1080(描画設定3) ・・・ 170252
1920×1080(描画設定5) ・・・ 90860
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
左:1280×720 / 右:1920×1080
1280×720 ・・・ SCORE:22865 / RANK:S
1920×1080 ・・・ SCORE:17464 / RANK:S
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア キャラクター編】
1360×768(高品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:21567 / 評価:非常に快適
1920×1080(高品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:16340 / 評価:非常に快適
1920×1080(最高品質) ・・・ SCORE:15698 / 評価:非常に快適
3840×2160(最高品質) ・・・ SCORE:5428 / 評価:とても快適
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左:1280×720 / 右:1920×1080(最高品質)
1280×720(最高品質) ・・・ スコア:18898 / 評価:すごく快適
1920×1080(最高品質) ・・・ スコア:18843 / 評価:すごく快適
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 139.16fps
CPU ・・・ 802cb
非常に性能は高いです。
かなり重いゲームでも高い画質設定で快適に遊べると思われます。
4K液晶やマルチモニタ環境など、高解像度な環境で負荷の高いゲームをプレイしたいという場合にも向いています。
消費電力・温度
HP ENVY Phoenix 810-480jp/CTの消費電力を測定。
以下はアイドル時、およびベンチマーク実行(BIOHAZARD 6)の消費電力値です。
液晶の電力は含みません。
アイドル時 ・・・ 39W
ベンチマーク実行時 ・・・ 233W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
アイドル時はそうでもないですが、ベンチマークテストの実行時の消費電力値が高いです。
筐体内のパーツ温度を測定してみました。
以下はアイドル時、およびベンチマーク実行(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度測定値です。
軽く暖房をかけた室内で測定しています。
水冷CPUクーラーを採用しているためか、高負荷な状態が続いてもCPUの温度は低め。
グラフィックカードは性能相応の温度となるようです。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、HP ENVY Phoenix 810-480jp/CTの再起動にかかる時間を測定。
以下は10回の再起動測定時間と、その平均値です。
1回目 0:34
2回目 0:30
3回目 0:30
4回目 0:29
5回目 0:30
6回目 0:30
7回目 0:32
8回目 0:30
9回目 0:30
10回目 0:28
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 30秒
HP ENVY Phoenix 810-480jp/CTの再起動にかかる時間はおよそ30秒。
SSDを搭載するPCの再起動時間は30~40秒という結果が多く、HP ENVY Phoenix 810-480jp/CTの再起動にかかる時間は、SSDを搭載するPCの中でも早い方だと言えます。
本製品は起動ドライブにHDDを用いる構成も選択できますが、毎回の使い勝手を考えるとSSDを選択した方が満足度は高いと思います。
プリインストール・ソフトウェアの内容について
HP ENVY Phoenix 810-480jp/CTに標準搭載されているソフトウェアの内容をご紹介します。
以下はデスクトップ画面やスタート画面、アプリ一覧画面の様子です。
製品購入時期や選択するオプションによっては、以下とは内容が異なる可能性がありますのでご注意ください。
Windows 8.1標準のソフトに加え、HP製のツールやCyberLink製の各種ソフトウェア、グラフィックドライバやゲームの管理を行う「NVIDIA GeForce Experience」、PDF作成や編集の「Foxit PhantomPDF」、圧縮展開ソフトの「7-Zip」、セキュリティソフトの「マカフィーリブセーフ」が搭載されるという内容です。
今回のモデルはTVチューナーを搭載しているため、TV関連の設定や視聴を行う「StationTV X」も搭載されていました。
上記はデスクトップ向けのソフトで、ストアアプリについては「HP Connected Photo」や「The Weather Channel」、「Windows 8入門」、「TripAdvisor」、「マカフィーセントラル」等の標準ではないアプリが搭載。
他のシリーズのソフトの内容と、ほぼ似たような内容だと言って良いと思います。
もう少し細かく触れると、HP製のツールについては「HP Support Assistant」や「HP support information」、「HP Recovery Manager」、「HP Documentation」、「HP SimplePass」、「HP Beats Audio」といったものが搭載されていました。
またCyberLink製のソフトウェアについては、再生ソフトの「Power Media Player」や動画変換ソフトの「MediaEspresso」、写真編集の「PhotoDirector」、動画編集の「PowerDirector」、バックアップソフトの「PowerBackup」、ライティングソフトの「Power2Go」が搭載されるという内容です。
その他、ソフトウェアではありませんが、Dropbox 25GBを6か月間無料で利用できるという特典が付属しているようです。多分期間限定の特典だと思いますが、いつまで付属するかは不明です。
あと、Officeについては製品購入時のカスタマイズでMicrosoft Officeや、KINGSOFT Officeを追加する事が可能。Microsoft Officeについては、Office Premiumの各種製品を選択する事ができるようです。
HP Support Assistant PC全体の管理を行えるソフトウェア
HP SimplePass 指紋認証などのログオンの管理を行うソフト
HP Recovery Manager バックアップ&リカバリツール リカバリメディアの作成もできる
Recovery Managerでリカバリメディアを作成する場合、上記のメディアが必要
リカバリメディアの作成に必要なメディアの容量は、PCの構成によって変化します。
上に表示されているメディアの内容は目安です。
CyberLink Media Suite PCに搭載されているCyberLink製の各種ソフトの機能にアクセスできる
本製品を利用する事により、Dropbox 25GBを6カ月無料で利用できる特典が付属する
HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT まとめ
HP ENVY Phoenix 810-480jp/CTのレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・力強いデザインの筐体やレッドイルミネーションなどゲーミングPCらしい要素を持っている
・水冷CPUクーラーを標準採用
・最大Core i7 -4790KやGeForce GTX 980(4GB)の選択が可能
・東京生産・フルカスタマイズに対応
筺体デザインや赤いイルミネーションが特徴的な、ゲーム向けのデスクトップPCです。
最大でCore i7 -4790KやGeForce GTX 980(4GB)などというハイパフォーマンスな構成も選択可能、また水冷CPUクーラーを標準で採用するなど、長時間のゲームプレイに相応しい内容を持ち合わせたマシンです。
比較的カスタマイズの幅が広く、製品購入時に好みの構成を選択できる事はもちろん、筺体はメンテナンスがしやすく、製品購入後のパーツ追加や交換なども容易に行えるなどとても扱いやすい製品です。
様々なゲームをプレイしたい方、また高負荷な用途にPCを利用される方にお勧めできるPCだといます。
なお、特にゲーム向けPCというカテゴリには拘らないという方、また水冷でない方がよいという場合は、HP ENVY 700シリーズもあわせてご検討ください。HP ENVY 700シリーズでもGeForce GTX 980を選択可能です。