HP 15-g000 のベンチマーク結果 A4-6210 APUを搭載する格安PCのパフォーマンス
前記事(HP 15-g000 レビュー シンプル構成で価格を抑えた15.6型エントリーノート)に続き、今回はHP 15-g000の構成と性能面について。
掲載しているマシンの主な構成はWindows 8.1、AMD A4-6210 APU、メモリ8GB、500GB HDD、DVDスーパーマルチドライブという内容。
シンプルかつ低価格をコンセプトとする製品ですので、一通りの基本的な機能は搭載しつつも、ローエンドCPUを搭載するなどパフォーマンスはそれ程高くはありませんが、日常の簡単な作業程度なら快適に行える内容です。
今回は、上記構成を持つHP 15-g000の構成と実際の性能について詳しく触れてみたいと思います。
【HP 15-g000 レビュー記事目次】
・HP 15-g000 筐体外観や操作性など
(外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 「速効!HPパソコンナビ特別版」が付属 / 液晶の品質)
・構成内容やベンチマークテストの結果について
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間 / バッテリ駆動時間)
・プリインストールされているソフトウェアの内容
(プリインストール・ソフトウェアの内容)
・製品のまとめ
(HP 15-g000 まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP 15-g000の構成内容とその特徴
まず、掲載しているHP 15-g000の構成と特徴について解説します。
以下、CPU-ZやGPU-Zの実行結果と掲載モデルの構成です。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【HP 15-g000 バリューモデル の主な構成】
OS Windows 8.1 Update 64bit
プロセッサ AMD A4-6210 APU(1.80GHz)
グラフィックス AMD Radeon R3 グラフィックス
メモリ 8GB(8GB×1/DDR3L 1600MHz)
ディスプレイ 15.6型ワイドHD(1366×768)、光沢
ストレージ 500GB HDD(5400rpm/Western Digital製)
無線機能 IEEE802.11b/g/n、Bluetooth v4.0
バッテリ 駆動時間:約6時間(4セル/駆動時間の実測値は後の項に掲載)
電源アダプター 45W
サイズ 378×259×25.5~27.0(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.25kg
カラー スパークリングブラック
付属品 速効!HPパソコンナビ特別版他
※掲載の価格や仕様・解説等は、記事を作成した2014年12月26日時点のものです。
掲載モデルの主な構成は上記の通り。
本製品にはCPU違いのモデルが2種提供されており、うち掲載製品はAMD A4-6210 APUを搭載する「HP 15-g000 バリューモデル」となります。他、AMD E1-6010 APUや750GBの大容量HDDを搭載するスタンダードモデルの選択も可能です。
どのモデルにおいても、製品購入時のカスタマイズで変更できるパーツはメモリのみとなっており、掲載製品も基本構成で提供されている4GBから8GBへとアップグレード済み。
あまり構成に融通は利きませんが、下は¥29,800(税抜)~と安価に提供されており、手軽に使える安いPCをお探しの方に向く製品だと言えるでしょう。
15.6型サイズの液晶と光学ドライブを搭載するノートがその価格で手に入るというのは、非常にリーズナブルだと思います。
搭載されているストレージの内容を詳しく確認します。
搭載されているHDD
ディスクの内訳
Western Digital製の「WD5000LPVX-60V0T」という、7mm厚の500GB HDD(5400rpm)が搭載されていました。
可もなく不可もなくという性能ですが、HDDですのでやはり少し遅く感じます。本製品にはSSDへの変更オプションなどが提供されていないため、SSDの速度に慣れた方だと少々使い辛いかもしれません。
容量はそこそこ余裕がありますので、写真や動画のようなサイズの大きいファイルを多数保存するなどといった使い方をしない限りは、容量不足などに陥ってしまう事は多分ないでしょう。
ベンチマークテストの結果
以下、HP 15-g000で行ったベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 6.6
メモリ 6.6
グラフィックス 4.6
ゲーム用グラフィックス 4.6
プライマリ ハードディスク 5.9
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 107.0 / 110.5
512K 34.88 / 50.40
4K 0.408 / 1.203
4K QD32 1.117 / 1.219
いずれも数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
3DMark 各テストの実行結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 25654
Cloud Gate・・・ 2409
Sky Diver・・・ 1531
Fire Strike・・・ 419
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
1280×720
1280×720 ・・・ 1679~1693
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
1360×768
1360×768 ・・・ 846
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
1280×720
1280×720 ・・・ SCORE:1037 / RANK:D
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア キャラクター編】
左:1360×768(高品質(ノートPC))/ 右:1360×768(最高品質)
1360×768(高品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:1345 / 評価:設定変更が必要
1360×768(最高品質) ・・・ SCORE:1030 / 評価:設定変更が必要
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720
1280×720(標準品質) ・・・ スコア:3110 / 評価:普通
1280×720(最高品質) ・・・ スコア:2697 / 評価:やや重い
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 13.82fps
CPU ・・・ 1.75pts
各ベンチのスコアは決して高くはありませんが、とりあえず一通りのベンチマークテストを動作させる事ができるだけの性能は持ち合わせているようです。
もちろんゲームプレイへの利用などは難しいですが、インターネットや動画を閲覧したり、文書の作成・編集など簡単な作業であればそこそこ快適に行えます。
ちなみに、SSDを搭載すればかなり快適になるのではと思いますが、本製品にはSSDへの変更オプションが提供されていないため、SSDを搭載したい場合は市販のSSDを購入し、自分で換装するしか方法はありません。
消費電力・温度
HP 15-g000 の消費電力を測定してみました。
以下はアイドル時とベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力測定結果です。
アイドル時 ・・・ 7W
ベンチマーク実行時 ・・・ 20W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
ベンチマーク実行時でも20W前後と、15.6型のノートとしては消費電力は低いです。
次に、筐体内パーツの温度について。
以下は、HP 15-g000のアイドル時とベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度測定結果です。
高負荷な状態が続いても、さほどパーツの温度は上昇しないようです。
構成的に考えても、熱が問題になるような事は殆どないのではと思います。
さらに、高負荷時のキーボード表面の温度を測定してみました。
高負荷な状態が続いた場合でも、いずれの箇所も低温という結果です。
指先に熱を感じるような事はなく、快適に操作が行えます。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、HP 15-g000 の再起動時間を測定してみました。
以下は10回の再起動時間測定結果とその平均値です。
1回目 1:47
2回目 1:51
3回目 1:43
4回目 1:01
5回目 1:06
6回目 1:06
7回目 1:02
8回目 1:06
9回目 2:00
10回目 1:13
再起動の平均時間 ・・・ 1分23秒
HP 15-g000 の再起動にかかる時間は約1分23秒。
上記の結果では早ければ1分弱、遅ければ2分などかなり幅がありますが、大体1分弱~1分半だと考えて良いでしょう。
HDDを搭載するPCの再起動にかかる時間は平均すると1分弱~1分半であり、比較すると、掲載製品の再起動にかかる時間は平均的だと言えます。
途中にも記載した通り、実際に利用するに当たっては可もなく不可もなくという速度です。
バッテリ駆動時間
HP 15-g000のバッテリ駆動時間を測定してみました。
測定に利用したソフトはbbench、設定はストロークの実行が10秒毎、インターネットへのアクセス(ブラウザでページを開く)が60秒毎という内容。
画面の輝度は50%程度に設定しています。
HP 15-g000のバッテリの残量が100%から9%に減少するまでの時間は21309秒。
約5.9(5.91916666..)時間もの間、バッテリ駆動が可能という結果です。
公称の約6時間という数値とほぼ同じです。
バッテリ長持ち・・という程ではありませんが、それなりに持つと考えて良いでしょう。
モバイルノートではないのでバッテリの持ちをさほど気にする必要はないと思いますが、バッテリの持ちが良いと屋内で移動してPCを利用する場合などに、電源ケーブルなどを持ち運ばなくて済むため便利です。
プリインストール・ソフトウェアの内容
HP 15-g000 にプリインストールされているソフトウェアの内容について簡単に解説します。
以下は初期時のデスクトップ画面やスタート画面、アプリ一覧画面です。
製品購入時のカスタマイズ内容によっては、以下とは内容が異なる可能性がありますので、参考程度にご覧ください。
HP 15-g000にプリインストールされているソフトウェアはWindows 8.1標準のものに加え、HP製ツール、CyberLinkの「Media Suite」、グラフィックス等システムの設定を行える「AMD Catalyst Control Center」、サウンド設定の「dts Sound」、圧縮・解凍ソフトの「7-Zip」、セキュリティソフトの「マカフィーリブセーフ」という内容です。
HP製のツールは主に、HP製のツール一覧を参照できる「HP Utility Center」、リカバリーツールの「HP Recovery Manager」、システムの総合的な管理を行う「HP Support Assistant」、電源設定の「HP AC Power Control」、マニュアル類を参照できる「HP Documentation」、ログオンの管理を行える「HP SimplePass」、ワイヤレスで外部ディスプレイ出力を行う「HP Quick Access to Miracast」が搭載されていました。
CyberLink製のツールは、Webカメラの機能を拡張できる「YouCam」にラベルの作成や印刷を行える「LabelPrint」、再生ソフトの「PowerDVD」、ライティングソフトの「Power2Go」という内容です。
上記は主にデスクトップ向けのアプリで、ストアアプリには写真共有の「HP Connected Photo」やWindows 8のマニュアル「Windows 8入門」、「The Weather Channel for HP」他、幾つかのアプリが搭載されていました。
その他、製品購入時のカスタマイズでは、オフィスソフトの「KINGSOFT Office2013」やハガキソフトの「筆まめ」、データ移行ソフトの「ファイナルパソコン引越し」やセキュリティソフト「マカフィーリブセーフ」の長期版を有料で追加する事が可能。
必要な方は、購入時に追加しておくと良いでしょう。
HP Support Assistant システムの状態把握など総合的な管理を行う事ができる
HP Recovery Manager アプリケーションの再インストールやリカバリが可能
HP Recovery Managerでのリカバリメディアの作成 必要なメディアは上記のいずれか
HP AC Power Control ピークシフトのスケジュールを設定できる
CyberLink Media Suite インストールされているCyberLink製の各種ソフトにアクセスできる
HP 15-g000 まとめ
HP 15-g000のレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・基本機能かつシンプルな構成を持つ15.6型エントリーノート
・下は¥29,800~(税抜/2014年12月26日時点)と非常に安価
・AMD A4-6210 APUを搭載
・DVDスーパーマルチドライブを搭載
・ギガビットLANには非対応
シンプルな構成を採用する事で、低価格を実現した15.6型のエントリーノートPCです。
下は¥29,800~(税抜)と非常に安く、ネット閲覧や文書作成など軽い作業向けのPCをお探しの方に向いています。
低解像度ではありますが15.6型と画面サイズが大きい事、またテンキーや光学ドライブの搭載など、安い割に作業のしやすいPCです。
CPU性能がそれ程高くはない事、またストレージはHDDのみであるため、高速な環境でサクサクと作業をこなしたい方にはおすすめできませんが、軽い作業であればそこそこ快適にこなせる性能は持ち合わせていますので、日ごろから軽い作業しか行わない方にはコストパフォーマンスの高い製品だと言えるでしょう。
バッテリの持ちも約6時間と、家で利用するノートPCとしては悪くないと思います。