LuvBook C シリーズのパフォーマンスをチェック 安価でも性能は十分高い
前記事(LuvBook C シリーズ レビュー 抜群のコストパフォーマンスを備えた タッチ対応 11.6型ノート)に続き、今回は LuvBook C シリーズの構成特徴や実際の性能について。
掲載モデルはOSにWindows 8.1、プロセッサに Core i5-4200U、メモリ8GB、ストレージには128GB mSATA SSDと500GB HDDを搭載する「LB-C301S-SH」という型番のマシンです。
LuvBook C シリーズでは上位に当たる構成のモデルで、価格は89,800円(税別)。
この価格でも構成内容を考えると十分リーズナブルですが、期間限定で実施されているキャンペーンの適用により、現在(2014年10月3日時点)は 79,800円(税別)と抜群のコストパフォーマンスを誇ります。
人によって性能、デザイン、価格など製品に求めるものは様々ですが、本製品はPCをできるだけ安く購入したい方、またパフォーマンスの高いノートPCをできるだけ安価に手に入れたい、とお考えの方に向くモデルだと言えるでしょう。
今回は、上記構成のモデルの特徴や性能面について詳しく触れてみたいと思います。
【LuvBook C シリーズ レビュー記事目次】
・LuvBook C シリーズ 外観や操作性・液晶などについて
(外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 重量 / 液晶の表示品質)
・構成内容や特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間 / バッテリ駆動時間)
・プリインストールされているソフトウェアの内容
(プリインストール ソフトウェア)
・製品のまとめ
(LuvBook C シリーズ まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
LuvBook C シリーズ の構成とその特徴について
まず、掲載している「LB-C301S-SH」というモデルの構成とその特徴について解説します。
以下、CPU-Zの実行結果とマシンの主な構成内容です。
【CPU-Z】
【LuvBook C シリーズ(LB-C301S-SH) の主な構成】
OS Windows 8.1 Update 64bit
プロセッサ Core i5-4200U (1.60GHz/TB時最大2.60GHz)
グラフィックス インテル HD グラフィックス 4400
メモリ 8GB(8GB×1/PC3-12800 DDR3L 1600MHz/1スロット)
ディスプレイ 11.6型ワイドHD(1366×768)、光沢、10点マルチタッチ
ストレージ 128GB mSATA SSD(ADATA製)+ 500GB HDD(Western Digital製/5400rpm)
光学ドライブ なし
無線機能 IEEE802.11b/g/n、Bluetooth v4.0
バッテリ 駆動時間:約5.3時間
電源アダプター 40W
サイズ 300×200×21(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1.5kg
※掲載の価格や仕様・解説等は、記事を作成した2014年10月03日時点のものです。
掲載モデルの構成は上記の通り。
OSにWindows 8.1、プロセッサにはCore i5-4200U、メモリ8GB、ストレージには128GB mSATA SSDと500GB HDDの2ドライブ構成を採用するモデルです。
比較的高性能であろう事が想像される内容のモデルですが、冒頭でも述べた通り、価格は7~8万円台と安く、普段使いのPCとして非常に魅力の大きい製品だと言えるでしょう。似たような構成を持つ様々な製品と比べても安い方です。
掲載のモデルは LuvBook C シリーズの中では上位構成に当たりますが、下位構成にはCeleronを搭載したモデルもラインアップされており、最も安価なものでは3万円台と非常に安価。ある程度の性能を追求したい場合はともかく、ライトユーザー向けのPCとしてはお手頃な製品だと思われます。
なお、本製品はマルチタッチに対応していますが、同構成でタッチなしの構成も提供されています。デスクトップ中心の利用だからマルチタッチは不必要・・といったユーザー向けの選択肢が用意されている所が良いです。
またOSについても、Windows 8.1だけではなくWindows 7を選択する事が可能です。
搭載されているストレージの内容を詳しくチェックします。
mSATA SSDの仕様
HDDの仕様
ディスクの内訳
起動ドライブとして設定されているのは、ADATA製の XM21Eという128GB mSATA SSD。
Cドライブは103GB程で、デフォルトの状態でユーザーが使用できるのは80GB弱でした。(購入時のカスタマイズでソフトなどを追加しない場合)
もちろんそれはWindows 8.1を搭載した場合の話しで、同じSSDにWindows 7を搭載した場合は、もう少しユーザーが利用できる領域は少なくなると思われます。
一方で起動ドライブとは別に、Western Digital製の「WD5000LPVX-22V0TT0」という500GB HDDをデータドライブとして搭載。回転数は5400rpm、ディスクの厚みは7mm。
SSDを搭載してディスクのパフォーマンスを高めながらも、ファイルの保存容量も確保するというバランスの良いストレージの構成です。
もちろん、ストレージのカスタマイズは可能。
確認したところでは、現在(2014年10月3日時点)最大で1TBのmSATA SSDを選択する事ができるようです。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているLuvBook C シリーズ(LB-C301S-SH)で行ったベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 7.2
メモリ 7.7
グラフィックス 4.9
ゲーム用グラフィックス 5.2
プライマリ ハードディスク 8.1
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 465.4 / 146.2
512K 336.1 / 147.1
4K 26.49 / 80.79
4K QD32 259.0 / 144.5
数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
3DMark 全てのテストの実行結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 32881
Cloud Gate・・・ 3885
Sky Diver・・・ 2327
Fire Strike・・・ 529
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
1360×768
1360×768 ・・・ 1870~1889
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
1360×768
1360×768 ・・・ 1026
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
1360×768
1360×768 ・・・ SCORE:1181 / RANK:D
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】
キャラクター編 左:1360×768 / 右:1920×1080(高品質(ノートPC))
【キャラクター編】
1360×768(高品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:1456 / 評価:設定変更が必要
1920×1080(高品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:813 / 評価:動作困難
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 11.10fps
CPU ・・・ 1.59pts
CPUの内蔵グラフィックスを利用する構成であるため、グラフィック性能はあまりパッとしませんが、比較的性能は高いです。
ゲームは軽いタイトル限定という感じですが、大抵の日常的な作業は快適に行えるでしょう。ストレージのパフォーマンスも高く、サクサクと操作が行えます。タッチによる操作も快適です。
写真編集や動画編集も可能だとは思いますが、頻繁にそれらの作業を行うには少し心許ない性能かもしれません。(可能だが時間がかかる)
とはいえ、製品価格と用途を考えると、十分な内容だと言えるでしょう。
消費電力・温度
LuvBook Cシリーズの消費電力を測定してみました。
以下はアイドル時、およびベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力値です。
アイドル時 ・・・ 9W
ベンチマーク実行時 ・・・ 31W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
低電圧CPUを搭載するなど省電力な構成であるため、全体的に消費電力は低いです。
次に、筐体内パーツの温度について。
以下は、アイドル時とベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度を測定した結果です。
軽く冷房をかけた室内(27度前後)で測定を行っています。
ゲームなど高い負荷をかけると、やや温度が上がりやすい印象です。
とはいえ日常的に、ゲームをプレイするような高負荷な状態で利用するわけではないので、特に問題はないと思います。
さらに、高負荷時のキーボード表面の温度を測定してみました。
キーボード右上とキーボードの上部(背面に近い部分)が熱くなりやすいようです。
その辺りに発熱の大きいパーツや、背面に排気口が設置されているからだと思いますが、手で触れると熱いと感じる位の温度です。
パームレスト付近は低温であるため、PCを使っていて熱さで不快になるという事はあまりないかもしれませんが、底面背面側もキーボード側と同じように温度が上がりやすい為、膝の上にPCを置いて作業をされる方は注意が必要です。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを使用し、掲載しているLuvBook Cシリーズの再起動にかかる時間を測定してみました。以下は、10回の再起動時間測定結果とその平均値です。
1回目 0:29
2回目 0:28
3回目 0:27
4回目 0:27
5回目 0:27
6回目 0:28
7回目 0:26
8回目 0:27
9回目 0:27
10回目 0:27
再起動の平均時間 ・・・ 27秒
LuvBook Cシリーズの再起動にかかる時間は平均で27秒という結果です。
SSDを搭載しているため、起動やシャットダウンは速いだろうとは考えていましたが、予想以上に速いです。SSDを搭載するPCの再起動時間はおよそ30~40秒程度ですので、平均を少し上回る速度だと言ってよいでしょう。
実際に見ていても、とても高速です。
なお、上記は掲載しているモデルの結果であり、実際の製品で同じような結果が出るかどうかは不明です。また、構成が異なる場合は再起動にかかる時間も異なります。
バッテリ駆動時間
LuvBook Cシリーズのバッテリ駆動時間を測定してみました。
測定に利用したソフトウェアはbbench、ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、無線LANによるインターネット(ブラウザ)へのアクセスが60秒毎。
画面の輝度は50%に設定した上で測定を行っています。
バッテリの電力残量が100%から5%に減少するまでの時間は19366秒。
約5.3時間(5.3794444..)のバッテリ駆動が可能という結果となりました。
公称値の約5.3時間と全く同じです。
モバイルノートとしてはバッテリの持ちは良いという程ではありませんが、電源のない場所であっても、ある程度作業が行えるくらいのバッテリ駆動時間は確保しているようです。
屋内で頻繁に移動して使用するような場合にも、特に不便はないと思います。
プリインストール・ソフトウェアの内容
LuvBook Cシリーズに標準で搭載されているソフトウェアの内容をチェックします。
以下、初期時(工場出荷状態)のデスクトップ画面やスタート画面(モダンUI)、アプリ一覧画面の様子です。製品購入時、カスタマイズで何らかのソフトウェアを追加していた場合は、掲載の内容とは異なる可能性があります。
本製品の初期状態でのソフトウェアの内容は上記の通りです。
Windows 8.1標準のソフトウェアに、huluやHOT PEPPER、じゃらん等のストアアプリ、その他はセキュリティソフトに「マカフィー インターネットセキュリティ」が搭載されているのみと、ソフトウェアの内容は最小限。
LuvBook Cシリーズには光学ドライブが搭載されないため、同社のPCに搭載されている事の多いCyberLink製のソフトウェアなども搭載されていませんでした。
一方で製品購入時に追加可能なソフトとしては、Microsoft Officeや KINGSOFT OfficeなどのOfficeソフト、CyberLinkやAdobe製の写真・動画編集ソフト、ファイナルパソコン引越しといったソフトが用意されています。
マカフィー インターネットセキュリティは、標準では90日期間限定版がPCにインストールされた状態となっていますが、こちらも製品購入時のカスタマイズで15ヶ月版、24ヶ月版、36ヶ月版への変更が可能です。
サウンド機能は Realtek HD オーディオマネージャー
マルチタッチに対応しているためか、Fresh Paintが搭載されていました
LuvBook C シリーズ まとめ
LuvBook C シリーズのレビューは以上となります。
最後にまとめると・・・
・タッチ対応でありながら低価格
・マルチタッチ対応と非対応を選択可能
・低価格な割に安っぽくはない外観
・11.6型のモバイルノートとしては少し重い
マルチタッチ対応のノートとしては価格が安く、携帯もできる手頃なノートPCをお探しの方に向く製品です。
タッチ対応・非対応を選択でき、下はCeleronを搭載する3万円台のモデルから、上は大容量のSSDを搭載したモデルまで用途にあわせて構成を選択する事ができます。
11.6型のノートPCとしては少し重いと感じますが、日ごろからそこそこのサイズのノートを携帯されるような方であれば余裕の重さでしょう。サイズが小さい為、カバンへの収まりは良いです。
屋内で、頻繁に部屋を移動してPCを利用されるような方にも扱いやすいです。
モバイルノートはできるだけ軽く・・などというような仕様に拘りのある方には向きませんが、そこそこ軽くて快適に使える安価なモバイルノートをお探しの方にはおすすめできる製品です。