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前記事(ThinkPad 8 クイックショット・カバーの使い勝手や ThinkPad 8 による撮影写真など)に続いて、今回はThinkPad 8の構成と実際の性能について。

前にも述べましたが、ThinkPad 8にはAtom Z3000シリーズの上位モデルである Atom Z3770(1.46GHz~2.39GHz)が搭載されています。

同じレノボ製のタブレットである Miix 2 8 にはAtom Z3740(1.33GHz~1.86GHz)が搭載されており、Miix 2 8と比較するとThinkPad 8の方が若干性能が高いのではと想像していたのですが、ベンチマークのスコア等にさほど違いはないという結果でした。

しかしストレージはThinkPad 8の方が高速という結果が出ており、体感的にややThinkPad 8の方が軽いと感じられるのは、そのせいではと思われます。

今回は、そんなThinkPad 8の構成の特徴やベンチマークテストの結果など、実際の性能面について詳しく触れてみました。


【ThinkPad 8 レビュー記事目次】

・ThinkPad 8 外観やインターフェース、付属品等をチェック
外観・インターフェースサイズ・重量電電アダプターなど付属品について

・液晶画面の見やすさと品質
1920×1200ドットの解像度視野角は広い色域カラーや輝度の均一性(輝度や色ムラ)

・ThinkPad 8 クイックショット・カバーのレビューと ThinkPad 8で撮影した写真を掲載
カバーの外観背面カメラが自動で起動背面カメラによる撮影写真

・構成内容やベンチマークテストの結果など
構成と特徴ベンチマーク結果消費電力・温度再起動にかかる時間バッテリ駆動時間

・ThinkPad 8 で ThinkPad Tablet 2用のBluetooth キーボードを使う
ThinkPad Tablet 2用のキーボードを使うあると便利なOTGケーブルプリインストールソフトウェアの内容

・製品 レビューまとめ
ThinkPad 8 まとめ)


ThinkPad 8 の構成とその特徴

まず、掲載しているThinkPad 8の構成と特徴について。
以下、CPU-Zの実行結果とThinkPad 8の構成です。

【CPU-Z】





【ThinkPad 8 ビジネスパッケージ の主な構成】

OS Windows 8 Pro 32bit
プロセッサ Atom Z3770(1.46GHz/バースト周波数2.39GHz)
グラフィックス Intel HD グラフィックス(CPU内蔵)
メモリ 2GB(2GB×1/LPDDR3)
ストレージ 64GB eMMC(Samsung MCG8GC)
ディスプレイ 8.3型WUXGA(1920×1200)光沢あり、IPS、10点のマルチタッチ、ドラゴントレイル採用
無線機能 802.11a/b/g/n、Bluetooth v4.0
センサー類 ジャイロセンサー、近接センサー、デジタルコンパス、光センサー、加速度センサー
バッテリ 20.5WHr(公称の駆動時間:約8時間/WiFi使用時)
サイズ 224.3×132×8.8(横置き時/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約430g

※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2014年03月25日時点のものです。

今回掲載しているThinkPad 8は、ビジネスパッケージというOfficeが搭載されないモデル。OSにはWindows 8.1 Proを搭載しています。

もちろん、ThinkPad 8では「Microsoft Office Home and Business 2013」付きのモデルも提供されており、そちらはOSはProではないものの、総合的に考えてOffice無しのモデルと価格には大差はなく、Officeを使うかもしれないというのであれば、そちらを選択した方がお得だと思います。

上にも記載した通り、先に登場したMiix 2 8にはAtom Z3740(1.33GHz~1.86GHz)が、今回のThinkPad 8にはAtom Z3770(1.46GHz~2.39GHz)が搭載されており、性能的な面ではThinkPad 8の方がやや高いのではと思われる内容。

しかし実際に使ってみて、ややThinkPad 8の方が動作が軽いような印象を受けはするものの、ベンチマークテストのスコアに関してはそれ程差はないという結果が出ています。

ThinkPad 8の方がMiix 2 8よりも優位なのは、性能云々よりも液晶やカメラの解像度など、機能的なところが大きいと言えるでしょう。



ストレージの内容を詳しく見てみます。


ストレージの内容



初期時のディスクの内訳

ストレージにはSamsung製のMCG8GCという、64GBのeMMCが使用されていました。これはMiix 2 8に搭載されているディスクと同じものです。(確認したモデルでは同じでした)

ディスクの内訳は、システム等を含めて考えるとユーザーが利用できるのは40GB程で、特にあれこれ多数のアプリを追加しなければ、余裕をもって使える容量です。

なお、ThinkPad 8とMiix 2 8は同じだと思われるストレージを使用しているのにもかかわらず、以下に掲載しているCrystalDiskMarkの結果では、Miix 2 8よりもThinkPad 8の方が高速だと言う結果が出ました。

CrystalDiskMarkのテストでは、いつも大体5回程度ベンチマークのプログラムを実行した上で、平均だと思われる結果を選択して掲載するようにしているため、たまたま低いスコア、および高いスコアが出たというものではないと思います。

以上の事より、Miix 2 8よりもややThinkPad 8の方が動作が軽く感じるのは、ストレージの速度差が原因ではと考えています。



ベンチマークテストの結果

以下、ThinkPad 8のベンチマークテストの結果です。
あわせてMiix 2 8のスコアも()に記載してありますので、参考にしていただければと思います。



【Win エクスペリエンス・インデックス】

プロセッサ 6.8
メモリ 5.5
グラフィックス 4.1
ゲーム用グラフィックス 4
プライマリ ハードディスク 7

※WinSAT.exeを実行しスコアを取得しています。


【CrystalDiskMark】

ストレージの速度

Seq 163.7(87.38) / 49.75(43.86)
512K 146.1(82.25) / 43.08(43.99)
4K 11.74(11.08) / 6.771(12.03)
4K QD32 27.42(28.77) / 6.683(17.47)

数値は左がRead、右がWrite


続いて、microSDカードスロットの速度も計測してみました。

microSDカードスロットの速度(SanDisk Ultra microSDHC UHS-I(最大30MB/秒)を使用)

Seq 23.7121.56
512K 23.122.995
4K 5.5361.593
4K QD32 4.7801.369

数値は左がRead、右がWrite


【3DMark】

Ice Storm・・・ 13904(16073)
Cloud Gate・・・ 1231(1222)
Fire Strike・・・ 測定不可


【モンスターハンターフロンティア 大討伐】

左:1360×768 / 右:1920×1080

Miix 2 8 (1280×800で測定) ・・・ 710~750
1360×768 ・・・ 593~653
1920×1080 ・・・ 317~343


【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】

左:1360×768 / 右:1920×1080

Miix 2 8 (1280×800で測定) ・・・ 152
1360×768 ・・・ 125
1920×1080 ・・・ 57

~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作


【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】

ワールド編 左:1360×768 / 右:1920×1080

キャラクター編 左:1360×768 / 右:1920×1080

【ワールド編/設定は標準品質】

Miix 2 8 (1280×800で測定) ・・・ SCORE:152
1360×768 ・・・ SCORE:873 / 評価:動作困難
1920×1080 ・・・ SCORE:427 / 評価:動作困難

【キャラクター編/設定は高品質(ノートPC)】

Miix 2 8 (1280×800で測定) ・・・ SCORE:758
1360×768 ・・・ SCORE:621 / 評価:動作困難
1920×1080 ・・・ SCORE:280 / 評価:動作困難


【CINEBENCH】

OpenGL ・・・ 6.06fps(6.11)
CPU ・・・ 0.94pts(1.24)


ベンチマークの結果は大した事はありませんが、上記のベンチマークテストが動作するという事自体がこれまでのAtomとは異なります。

負荷の高いゲームはともかく、ブラウザゲームなど軽めのゲームのプレイに関しては問題ないでしょう。

複数の作業を同時に行うとやや動作に遅れが感じられるものの、ネットや文書の閲覧・作成、文字入力など日常的な作業を行うに当たっては不足のない性能だと言えます。

今回のThinkPad 8、これまでのAtomよりも確実に性能は高く快適な使用感ですが、個人的には日常で使うものとしてはもう少し速くあって欲しいので、あとワンランクCPUの性能が上がったら(次世代かその次位?)、概ね満足できるものになるのではという印象です。



消費電力・温度

以下、ThinkPad 8のアイドル時、ベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6)の消費電力測定結果です。

アイドル時 ・・・ 4W
ベンチマーク実行時 ・・・ 9W

※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています

Miix 2 8とほぼ同じ。消費電力は低いです。




次に、ThinkPad 8のアイドル時とベンチマーク実行時のパーツの温度測定結果です。
ベンチマーク時の温度は BIOHAZARD 6を20分程度実行した後に測定しています。

CPUの温度は高負荷時、大体50度前後という温度になるようです。
特に注意しなくてはならない温度ではないと思いますが、本体が薄い為、高負荷時は本体が熱く感じられる事があるかもしれません。




さらに、高負荷時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)の本体表面の温度について。

タブレットを縦持ちで利用時、本体左上がやや高い温度です。
縦持ちで利用する場合、その辺りに手が触れる事はあまりないのではと思われますが、横向きで利用する場合、タブレットを持つ左手が熱く感じられる事があるかもしれません。



再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間

PassMark Rebooterを利用し、ThinkPad 8の再起動にかかる時間を測定してみました。
以下は、各再起動にかかった時間とその平均値です。

1回目 0:44
2回目 0:43
3回目 0:45
4回目 0:43
5回目 0:43
6回目 0:43
7回目 0:42
8回目 0:42
9回目 0:43

再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 43秒

ThinkPad 8が 再起動にかかる時間は43秒という結果です。

参考として、SSDを搭載するノートの再起動時間は30~40秒台、HDDを搭載するノートでは1分弱~1分半という結果が出ています。

ThinkPad 8は、SSD搭載のノート並に起動やシャットダウンが高速だと言えるでしょう。実際、速いです。



バッテリ駆動時間

ThinkPad 8のバッテリ駆動時間を測定してみました。

駆動時間の測定に使用したソフトウェアはbbench、設定はストロークが10秒毎、無線LANを利用したネット(ブラウザ)へのアクセスは60秒毎。画面の輝度は50%程度に設定しています。


バッテリの電力残量が100%から4%になるまでの時間は29799秒。
約8.2(8.2775)時間もの間、バッテリ駆動が可能という結果です。

公称のバッテリ駆動時間は約8時間とされており、ほぼその通りのようです。

ちなみにMiix 2 8は同じテストを行って約10時間の駆動時間という結果でしたので、それに比べるとやや短いです。測定環境の違いによる誤差もあると思いますが、使われているプロセッサが異なる所より、僅かにMiix 2 8よりもThinkPad 8の方が消費電力は大きいのかもしれません。

いずれにせよ、普通に使う分にはバッテリの持ちが短くて心許ない・・などと感じる事はまずないでしょう。



ThinkPad 8の構成や性能面については以上となります。
次記事では、プリインストールソフトウェアの内容や、キーボードなどの周辺機器について簡単に触れたいと思います。

次:ThinkPad 8で ThinkPad Tablet 2 Bluetooth キーボードを使う スタンド付きで便利