HP ENVY 700-260jp 構成の特徴とベンチマーク結果 i5-4570や GeForce GTX 760搭載モデル
ケースや内部構造の詳細(HP ENVY 700-260jp レビュー GeForce GTX760搭載の高性能ミニタワーPC)に続き、今回はHP ENVY 700-260jpの構成や性能面について。
掲載しているHP ENVY 700-260jp の主な構成は、Windows 8.1、Core i5-4570、メモリ8GB、GeForce GTX 760、128GB SSD&2TB HDD(1TB×2)という内容。
プロセッサは上位のCore i7ではなくCore i5となりますが、グラフィックスにGeForce GTX 760を搭載しており、ゲームのプレイにも向く構成を持ち合わせています。
なお、搭載の GTX 760は消費電力の低いOEM版で通常のGTX 760よりもやや性能は劣ります。とはいえ、十分に性能は高いです。(グラフィックスの詳細についてはまた記事内で解説します)
今回は、上記構成のENVY 700の性能について詳しく触れてみたいと思います。
【HP ENVY 700-260jp レビュー記事目次】
・HP ENVY 700-260jp ケースの外観や内部構造をチェック
(ケース外観 / ケース内部の構造 / キーボードや付属品)
・HP ENVY 700-260jp 構成と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成とその特徴 / 搭載のGTX760について / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度)
・HP ENVY 700-260jp レビューまとめ
(総評)
HP ENVY 700-260jpの構成とその特徴
まず、掲載しているHP ENVY 700-260jpの構成とその特徴について解説します。
以下、CPU-Zの実行結果です。
【CPU-Z】
【HP ENVY 700-260jp/CT の主な構成】
OS Windows 8.1 64bit
プロセッサ Core i5-4570 (3.20GHz/TB時最大3.60GHz)
チップセット Z87 Express
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 760(1.5GB)
メモリ 8GB(4GB×2/PC3-12800/最大32GB/4スロット)
ストレージ 128GB SSD(6.0Gb/s / Micron製) + 1TB HDD×2(7200rpm / Seagate製)
光学ドライブ ブルーレイディスクドライブ(BDXL対応)
Beats Audio 対応
TVチューナー 地上・BS・110度CS対応ダブルチューナー (15倍W録対応/リモコン付)
無線機能 IEEE 802.11a/b/g/n/ac (Draft) + Bluetooth 4.0
拡張ベイ 5.25インチ×2、3.5インチ×3
拡張スロット PCI Express x16×1、PCI Express x1×3、PCI Express Mini Card ×1、Mini SATA×1
電源 460W
サイズ 175×415×412(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約9.0kg
※掲載の価格や仕様・解説等は、記事を作成した2012年12月27日時点のものです。
掲載モデルの構成は上記のとおり。
HP ENVY 700-260jp/CT 東京生産カスタムモデルを、大幅にカスタマイズした内容のモデルとなります。
プロセッサこそ標準構成のCore i5-4570のままですが、メモリは4GBから8GBに、グラフィックスはGeForce GT 640からeForce GTX 760にアップグレード、ストレージには128GB SSDと2台の1TB HDDを搭載。
また、ブルーレイディスクドライブやTVチューナー、802.11ac対応の無線LANへのカスタマイズもなされており、エンターテインメント用途はもちろん、ゲームのプレイにも十分対応できる充実した内容の製品だと言えるでしょう。
なお、プロセッサは最大でCore i7 -4770、メモリは32GBまで追加が可能です。ストレージは今回はSSD1台とHDDを2台搭載していますが、すべてHDDを選択した場合、最大で合計9TBまで容量を増やす事ができる為、録画用のPCとしても最適です。
価格については、今回の構成をカスタマイズ画面で見積もりした場合、送料込みで18万円台後半(2013年12月27日時点)となりますが、最小構成だと送料込でも9万円弱と安価。それでもGeForce GT 640搭載で軽いゲーム位はできるでしょうから、コストパフォーマンスは悪くないと言えます。
なお記事の冒頭で、今回のモデルに搭載されているGeForce GTX 760がOEM版だという話について少し触れましたが、その詳細については次項で詳しく解説します。
搭載されているストレージの内容について詳しく触れます。
今回のモデルには、3台のストレージが搭載されています。
SSDの仕様
HDDの仕様
HDDの仕様
SSDは、Micron製の「MTFDDAC064MAM-1J1」という型番の128GB SSD。
6.0Gb/s対応・SATA3接続で、起動ドライブに設定されてるため起動や処理が高速です。
一方で、HDDにはSeagate製の「ST1000DM003-1CH162」という1TB HDD(7200rpm)が2台搭載されています。
HP ENVY 700-260jpでは、SSDは128GBか256GB、HDDに置いては1TB、2TB、3TBが用意されており、その他1TB HDD2台によるRAID1構成や、キャッシュ用の16GB mSATA SSDを選択する事も可能であるなど、ストレージに関しては幅広い組み合わせを提供しています。
ただ、ケース内部の構造的にストレージの増設は容易であるため、少しでもコストを抑えたい場合は起動ドライブのみ選択しておき、2~3つ目のストレージは市販のHDD等を買ってきて追加すると良いのではないかと思います。(ただし、改造後のトラブルは保証対象外になる可能性がありますので、自己責任でお願いいたします)
ENVY 700に搭載されるGeForce GTX760について
今回のHP ENVY 700-260jpでは、GeForce GTX760が搭載可能となっています。
2013年夏モデルのENVY 700(HP ENVY 700-060jp)では、最大でもGeForce GTX660の搭載であった事を考えると、GTX760搭載でほんの少しではありますが性能向上したのかと考える方もおられるかもしれません。
ですが実は、ENVY 700-260jpで採用されているGTX760はリテール品とは異なり、OEM向けのグラフィックスとなります。
GeForce GTX 760 192-bit(OEM)(スペック)
2013年夏モデルのENVY 700で搭載可能であったGTX660もOEM向けのグラフィックスですが、今回搭載のGTX760と殆どスペックが変わらないため(若干異なる箇所はありますが)、性能も殆ど変らないと考えてよいかと思います。
そもそも、ENVY 700-260jpには最大出力460W(+12Vは360W)の電源が搭載されていますが、通常のGTX760はTDPが170Wであるため、マシン全体で考えるとENVY 700Wの電源では心許ないです。電力を消費するのはグラフィックスだけではないので、構成によっては問題が出てくると思います
しかしOEM版のGTX760はTDPが130Wと抑えられており、このグラフィックスであれば問題ありません。
通常版のGTX760ではないと知ってがっかりされる方もおられるかもしれませんが、OEM版のグラフィックスを製品に搭載するメーカーは結構あります。(ゲーム向けの製品でもあります)
通常のGTX760よりは性能は劣るものの、高性能であるには違いないですし価格も安いです。
リテール品のようなGTX760の性能を想像してPCを購入するのならばともかく、購入時にその点(通常のGTX760とはスペックが異なる事)を踏まえておけば問題ないのではと思います。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているHP ENVY 700-260jpのベンチマークテストの結果です。
なお、一部のベンチマークのみ、性能の参考として通常版のGTX760のスコアを()内に記載しています。
やはり今回のOEM版のGTX760の方がやや性能が落ちる印象ですが、今回のHP ENVY 700-260jpには Core i5-4570、参考としてスコアを掲載しているモデルにはCore i7-4770が搭載されており、プロセッサの性能差も若干関係していると思われます。その辺りを考慮したうえでご覧下さい。
【CrystalDiskMark】
Seq 425.6 / 184.5
512K 328.8 / 185.5
4K 22.88 / 106.1
4K QD32 288.7 / 166.4
数値は左がRead、右がWrite
【3DMark】
Ice Storm・・・ 137695(144657)
Ice Storm Extreme・・・ 13676(20512)
Ice Storm Unlimited・・・ 4187(5594)
※左の数値はOEM版のGTX760のスコア、()内の数字はGTX760(2GB)搭載モデルのスコア。
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
左:1360×768 / 右:1920×1080
1360×768 ・・・ 18933~19016
1920×1080 ・・・ 10905~10977
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
左:1360×768 / 右:1920×1080
1360×768 ・・・ 51537
1920×1080 ・・・ 33066
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
左:1360×768 / 右:1920×1080
【1360×768】
SCORE ・・・ 12294(14508)
RANK ・・・ S
【1920×1080】
SCORE ・・・ 7871(9484)
RANK ・・・ S
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】
ワールド編 左:1360×768 / 右:1920×1080
キャラクター編 左:1360×768 / 右:1920×1080
【ワールド編】
1360×768 ・・・ SCORE:16504 / 評価:非常に快適
1920×1080 ・・・ SCORE:12050 / 評価:非常に快適
【キャラクター編】
1360×768 ・・・ SCORE:13121(15935) / 評価:非常に快適
1920×1080 ・・・ SCORE:8121(9993) / 評価:非常に快適
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 65.76(76.50)fps
CPU ・・・ 5.80(8.10)pts
OEM版のGTX760であっても、性能はかなり高い事がわかります。大抵のゲームは快適にできるでしょう。
なお、今回のHP ENVY 700-260jpは構成的にゲームも十分に可能ですが、ゲーム向けを謳った製品ではありません。高負荷なゲームのプレイ用途にPCの購入を予定されているのであれば、最上位のENVY Phoenix 810シリーズ(水冷)もご検討ください。
ただ、ゲームはするけど水冷は不要とされる方もおられるでしょうから、私的には今回のHP ENVY 700シリーズで、より容量の大きい電源やGPUを選択出来れば良かったのにと思います。
消費電力・温度
ENVY 700-260jpの消費電力を測定してみました。
以下、アイドル時とベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力測定結果です。
アイドル時 ・・・ 46W
ベンチマーク実行時 ・・・ 160W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
外部グラフィックスが搭載されているため、消費電力はやや高め。
といっても、ハイエンドなゲーム向けのPCなどに比べるとそれ程数値が高いわけではありません。ストレージなど、搭載するパーツの数が増えればそれだけ消費電力は上昇します。
さらに、アイドル時とベンチマーク実行時のパーツの温度を測定してみました。
ベンチマーク実行時の温度はBIOHAZARD 6を20分以上実行した後の温度を掲載しています。
高負荷時でも、グラフィックカード以外の温度は低いです。
グラフィックカードは70度前後まで温度上昇していますが、この位の温度であれば問題はないと思われます。
HP ENVY 700-260jp 総評
HP ENVY 700-260jpについては以上です。
最後に製品をまとめます。
・第4世代のCore i7やGeForce GTX 760 を搭載可能
・東京生産フルカスタマイズに対応
・ストレージを最大3台まで搭載可能(mSATA含めず)
・価格が比較的安価
・電源が460Wのみ
標準でGeForce GT 640、カスタマイズではGeForce GTX 760を搭載可能なHP ENVY 700、ゲーム向けを謳った製品ではありませんが、構成によってはゲーム用途も可能な性能の高さを持ち合わせています。
メーカー製PCにしてはカスタマイズの幅が広く、TVチューナーや光学ドライブを2基搭載できる所、またストレージが3台まで搭載可能である所など、魅力の大きいモデルだと思います。
比較的価格が安く、他にはない斬新なデザインなど、性能だけでなく外観にこだわるような方にも向いています。
なお、ゲーム向けのデスクトップPCとしては、水冷のHP ENVY Phoenix 810の方がより高性能なGPUを選択できたり、電源の容量も600Wと余裕があるため適していると言えるでしょう。
ただ、コストなどの面で水冷自体が嫌だという方もいると思うので、HP ENVY 700でより上位のグラフィックスや、600W電源の選択肢があればよかったと思います。HP ENVY 700でも十分に高性能ですが、ゲーム向けのハイエンドPCが欲しい方にはやや中途半端です。
ハイエンドと呼ぶほどのグラフィック性能を必要としないのなら、今回の製品でも十分でしょう。
※製品購入時は、製品ページの情報と合わせてキャンペーン情報もご確認いただければと思います。