ThinkPad Twist(S230u)レビューまとめ 手頃で使いやすいコンバーチブル型ノート
ThinkPad Twistを使用して感じた、長所や短所などの特徴をまとめてみました。
ThinkPad Twistに興味を持たれる方は、少なくともタブレットよりも、ノートPCとしての利用を重視されている方ではないかと思います。
コンバーチブル型ノートPCは、どちらかというと操作性が通常のノートPCよりも劣るものが多いように感じますが、Twistの操作性は従来からのThinkPadと変わらないという部分で、ノートPCの操作性を重視されるユーザーに魅力の大きい製品だといえます。
操作性や堅牢性などを維持しながらも、ThinkPad XシリーズTablet よりも軽く低価格である部分なども非常に魅力的です。コンバーチブル型のノートPCとしてではなく、単にタッチパネルを搭載した12.5型のThinkPadとしても、悪くない製品だと思います。
今回の記事では、そんなThinkPad Twistの長所や、短所だと感じる部分について簡単にまとめてみました。
製品の細かい性能や機能、外観の様子などについては、これまでに掲載した記事をご参照ください。
【ThinkPad Twist(S230u)レビュー記事目次】
・ThinkPad Twist 外観や操作性について
(外観・インターフェース / キーボード / メンテナンス性など / 本体の重量)
・ThinkPad Twist ソフトウェアや機能・画質など
(Fキーの入れ替え / Quick Launchをインストール / QuickSnip / 液晶の画質・操作)
・ThinkPad Twistのベンチマーク結果
(構成・特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / バッテリ駆動時間)
・mSATA SSDをキャッシュとして有効にするExpressCacheについて(レビュー番外)
(ダウンロード・インストール / (キャッシュの確認)
長所・短所(気になる点)
・場面にあわせて様々なスタイルで利用可能
・液晶が綺麗(発色良く視野角も広い)・頑丈
・操作性が良い(タッチパネル・キーボード等全般)
・メンテナンス性に優れている
・コンバーチブル型のノートPCにしては安価
・12.5型のモバイルノートとしてはやや重め
・HDDのインジケーターランプがない
・バッテリ交換が難しい
ThinkPad Twistの特徴として一番にあげられるのは、やはり筐体が変形可能だという部分。
ノートPCとしても利用できますし、タブレットとしても利用する事もできるなど、用途によって使い分ける事ができます。
タブレットモード
ですが、私はどちらかというとタブレットとして利用するよりも、テントやスタンドモードといった使い方の方が便利だと感じました。
例えば、カフェなどの小さい机で作業をする場合、設置面積を抑えられるテントモードが役に立ちます。また、タッチパネルメインの操作を行う場合もテントやスタンドモードといった、液晶が目の前に来る形態の方が使いやすいです。
タブレットモードに関しては、手に持って操作をするにはTwistは少々重すぎると感じますが、複数人でタブレットを見たい場合などには活用できます。
・・といった具合に、場面にあわせて様々な形に変形できるという筐体のギミックは、ノートを様々な場所で使われるユーザーに特に便利に感じられるでしょう。
次に液晶ですが、Twistはコンバーチブル型のThinkPadとしてはどちらかというと安価な部類の製品なので、正直言ってあまり期待していませんでした。
ですが、実際の製品には見やすく綺麗なIPS液晶が採用されていました。
液晶を上からチェック
発色もよく視野角も広く、使っていてストレスを感じない液晶です。
液晶の質が良いというだけで、高級感のある製品に感じられます。
光沢なので、環境によっては映り込みや反射が気になる事はありますが、ゴリラガラスの採用で液晶はとても頑丈。製品の用途・性質的に、液晶が頑丈であるのは重要な要素だと思います。
その他、冒頭にも記載したように操作性が良いところも長所の一つ。キーボードの操作性はThinkPadそのものですし、トラックポイントも搭載されています。コンバーチブル型の製品では、キーボード周辺の操作性がいまいちであるものも少なくはないため、操作性の良さは大きな長所だといえるでしょう。
メンテナンス性に優れる構造の採用も魅力です。(通常のThinkPadと比べるとメンテナンス性は劣りますが、Ultrabookとしては触れる方だと思います)
メモリスロットが1基である部分が少々引っかかりますが、製品の用途的に考えて、8GB(最大)メモリもあれば十分ではないかと思います。
最後に価格ですが、ThinkPad Twistを ThinkPad Xシリーズ Tabletと単純に比べた場合、なんと半額に近い価格帯を実現しています。(所々内容は違いますが、大まかに構成・価格をみると)
もちろんThinkPad Xシリーズ Tabletには、その価格なりの機能や要素が盛り込まれているのですが、用途によっては必ずしも必要でない機能などもあります。
単に、ThinkPadの堅牢性と使いやすさを持ち合わせた コンバーチブル型ノートが欲しいが、ビジネス向けの機能などは必要がない・・といったユーザーにとって、ThinkPad Xシリーズ Tabletは敷居の高い製品です。
ですが、ThinkPad Twistは、ThinkPadならではの堅牢性や使いやすさを持ち合わせながらも、とても手頃な価格帯を実現しています。
気軽に使えるコンバーチブル型ノートが欲しいユーザーにとって、魅力的な製品だといえるでしょう。
一方で気になる部分についてですが、ThinkPad Twistは構造上のせいなのか、12.5型のモバイルノートとしてはやや重量が重めです。
実測では1586g
コンバーチブル型のノートとしては重くはない部類ですし、もっと重いノートを持ち歩いているユーザーもおられると思いますが、自分が携帯利用する事を考えるとやはり重いです。
もう少し軽ければ・・と思ってしまいます。
あと、TwistはEdgeシリーズに近い性質を持っているためか、HDDのインジケーターランプがありません。自分はHDDを搭載したモデルだとどうしてもHDDの動きを意識してしまう癖があるため、ランプがないと若干ですが不安を感じます。
これは気にしない人は全く気にしないでしょうけれど、私と同じように気にされる方もいると思います。
そして最後にもう一つだけ。
短所というほどではないのですが、Twistには内蔵式のバッテリが採用されており、バッテリ交換が簡単にできません。
長時間駆動が可能な製品なら、多少時間が経過してバッテリが劣化してもまだ余裕があると思うのですが、最初からバッテリ駆動時間は長くはないようなので、駆動時間が短くなってきた時に不便を感じる事があるのではないと考えてしまいます。
そうなるまでにある程度時間がかかるとは思いますが、駆動時間が短くなった場合に、電源アダプターを持ち歩かなければならないのは不便です。
といろいろ書きましたが、製品の使い勝手はとても良いです。
特に、狭い場所でも使えるテントモードはとても便利。タッチパネルの操作は、タブレットよりもテントやスタンドモードの方が使いやすいです。
操作性もメンテナンス性も一般的な製品に比べるとよく、それでいてこの製品の価格帯を実現しているのは大きな魅力。1.5kg弱の重さなら平気・・という方であれば、モバイルノートとして快適に使えると思います。
なお、メンテナンス性は良いとは言っても、他のThinkPadに比べると交換が難しいパーツもあります。特にメモリは1スロットしかなく交換も難しいため、最初から8GBメモリを選択される事をおすすめいたします。(最初は4GBで十分・・と思っていても、使っているうちに増やしたくなるのはよくある事なので)