ThinkPad Twist(S230u)レビュー 4通りの顔を持つコンバーチブルノートPC
レノボ・ジャパンが販売する、ThinkPad Twist(S230u)のレビューです。
ThinkPad Twistは12.5型の液晶を搭載するコンバーチブル型のノートPC。
もともと日本では販売される予定のなかった製品ですが、少し前(2013年2月)に日本でも販売開始となりました。
コンバーチブル型のノートというと、ThinkPadではすでにThinkPad X シリーズ Tabletが販売されていますが、今回の ThinkPad Twistはどちらかというとコンシューマー向けの製品に近い特徴を備えており、ThinkPad X シリーズ Tabletよりもわかりやすく、軽く、手頃な価格を実現しています。
特に価格はX シリーズ Tabletに比べるとかなり抑えられており、現時点(2013年3月26日)でエントリーパッケージが8万円台~とかなりお手頃な価格で販売されています。
ThinkPadブランドのコンバーチブル型ノートが欲しいが価格面でちょっと・・と考えられていた方には、中々魅力な製品ではないでしょうか。
今回の記事では、そんな ThinkPad Twistの外観の特徴や操作性、メンテナンス性などについてチェックしてみたいと思います。
【ThinkPad Twist(S230u)レビュー記事目次】
・ThinkPad Twist 外観や操作性について
(外観・インターフェース / キーボード / メンテナンス性など / 本体の重量)
・ThinkPad Twist ソフトウェアや機能・画質など
(Fキーの入れ替え / Quick Launchをインストール / QuickSnip / 液晶の画質・操作)
・ThinkPad Twistのベンチマーク結果
(構成・特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / バッテリ駆動時間)
・mSATA SSDをキャッシュとして有効にするExpressCacheについて(レビュー番外)
(ダウンロード・インストール / (キャッシュの確認)
ThinkPad Twist 外観・インターフェース
まずは外観の様子やインターフェースの内容をチェックします。
天板や左右のロゴ(lenovoやThinkPad)のデザインは、他のThinkPadのそれと似ているように思えますが、カラーが「モカ・ブラック」といわれるように、若干ブラウンがかった黒色です。
あと、天板の縁がシルバーの金属で覆われている所も、他のThinkPadと異なります。(天板の縁がシルバーの金属で覆われている所は、Edgeシリーズのデザインに似ているように思います。)
筐体側面のインターフェースの内容を確認します。
左側面にはセキュリティスロット、SIMスロット、メディアカードスロット、LAN、HDMI、USB3.0、ヘッドフォン出力とマイク入力のコンボポートを搭載。
なお、SIMスロットは日本で販売されているモデルでは使用しません。
次に右側面。
右側面には、本体側と液晶側に端子やボタン等が搭載されています。
内容は本体側にUSB3.0、mini DisplayPort、電源コネクター、液晶側に電源ボタンや画面回転ロックボタンが搭載されています。
USB端子の数が左右合わせて2基と、やや少ないですが、薄型のノートでは特に珍しくはありません。USBは2基しかないものの、LANやHDMIなど一通りの端子は用意されています。
筐体前面には何もなし。
背面にも何もありません。
ヒンジ部分を拡大。
筐体全体の様子をチェックします。
今回のモデルのサイズは幅313mm、奥行き236mm、高さ約20mm、重量は約1.58kg(公称値)。モバイルノートやタブレットとしては軽いとは言えませんが、コンバーチブル型のノートでは比較的軽量。
ましてや、X230 Tabletが公称で約1.8kgである事を考えると(構成によって重量は異なります)かなり軽量です。
以下、画面回転の様子を掲載してみました。
コンバーチブル型のノートと一口に言っても、最近では様々なタイプのノートPCが出回っていますが、ThinkPad TwistはXシリーズのTabletと同じ、画面を左右に回転させるタイプのコンバーチブル型ノートです。
通常のノートPCスタイル。
この状態から、液晶を左側に回転させます。
液晶を少し左側にひねると、このような感じです。
さらにひねると・・
完全に裏返りました。
この状態でIdeaPad YOGA 13などのように、スタンドモードやテントモードといったスタイルでの利用も可能です。
液晶を、裏返した状態(上のような状態)のままキーボード側に寝かせると・・
タブレットスタイルになります。
XシリーズTabletの場合、Twistよりも液晶が厚めにできているからなのか、回転させるのにも少し力をいれなくてはなりませんでした。またタブレットスタイルでの利用時や、携帯して利用する場合、厚みや重さの面で長時間の使用は辛いものがありました。
ですが、今回の製品は本体も液晶も薄型にできているため、液晶の回転がスムーズに行えます。タブレット時の利用においても、薄く軽いため扱いがかなり楽です。
ディスプレイには、5点のマルチタッチに対応する12.5型ワイドHD(1366×768)IPS液晶を搭載しています。縁が殆どないフラットなデザインです。
ゴリラガラスを使用しているため非常に頑丈、そして液晶は光沢です。
12.5型で1366×768ドット・・の解像度はX230と同じです。本音をいうと、もう少し高解像度な液晶を選ぶ事ができればよいのですが、自分的には許容範囲です。
これまでにタッチ対応のモデルを何機か操作して感じた事ですが、タッチで操作を行う場合、Win8特有のモダンUIならば問題ありません。
ですがデスクトップ画面で操作を行う場合、解像度が高すぎると細かい操作が行いにくくなるため、今回のTwistの液晶の解像度は適当ではないかと思います。
液晶上部には、720p HD対応のWebカメラを搭載しています。
液晶下側には、Windowsボタンや音量調整ボタンが配置されています。
液晶の左下と右下にはlenovoとTwistのロゴ。
ちなみに昨年のレノボのイベント会場に展示されていたThinkPad Twistは、TwistのロゴではなくS230uのロゴが入っていました。
液晶は、他のThinkPadと同様に180度を少し超える位のところまで開くことができます。
付属の電源アダプターは65W。プラグの形状はメガネ型です。
キーボード・操作性
ThinkPad Twistのキーボード周りの様子と、その操作性などをチェックします。
キーは6列のアイソレーション型。他のThinkPadとほぼ同じですが、カーソルキーが最下段のキーと同じ列に並んでいます。個人的には、カーソルキーが最下段のキーよりもやや下に飛び出る配置の方が好み。
ですが、その他のThinkPad同様に打ちやすいキーボードだと思います。
ちなみに、この製品はF(ファンクション)キーを押すと、音量や輝度の調整といったメディア機能が動作します。これはEdgeシリーズと同じ仕様です。もともとFキーが持つ「全角/半角」切り替えや「ページの更新」といった機能は、FnキーとFキーを組み合わせて押すことで動作します。
もちろん、本来のFキーの機能が動作するように、BIOSから設定を変更する事が可能です。(後から載せます)
キートップの形状は、端から中央にかけてなだらかに湾曲しています。
操作時、指先へのなじみが良く押しやすい形状です。
タッチパッドはボタン一体型。
私はボタン一体型よりも、ボタン分離タイプのタッチパッドの方が好きなのですが、Twistのタッチパッドは比較的使いやすいです。YOGAやX1 Carbonなどのタッチパッドと操作感が似ています。
いずれにせよ、Twistにはトラックポイントが搭載されていますし、タッチパネルでの操作も行えるため、それ程気にする部分ではないと思います。
キーボードの上部には、ステレオスピーカーが左右に1基ずつ配置されています。
メンテナンス性
ThinkPad Twistの底面の様子です。
底面をぱっと見た感じでは、内部のパーツにアクセスできるような箇所はないように見えますが、いくつかのネジが配置されており、印字されたマークから内部にアクセスできるようになっている事がわかります。
ただ、底面からではなく、キーボード側からのアクセスとなるようです。(底面2か所のネジを外し、キーボードを外す)なお、この製品はメモリスロットが1基しかありませんので、メモリをさらに追加・・などは無理です。
HDDベイへは、筐体右側面からアクセス可能です。
他のThinkPadのHDDベイと同じ構造なので、HDDの換装は簡単に行えると思います。
※内部パーツのメンテナンスを行う場合は、内蔵バッテリを無効化してから行ってください。
起動時にF1を押し、BIOSを起動 → Config → Power → Disable built-in battery → Yes でマシンが自動的にオフになります。マニュアルに掲載されていると思うので、そちらをご参照ください。
重量
本体と電源アダプターの重量を測定してみました。
本体の重さは1586g。
公称値の約1.58kgとほぼ同じです。
続いて電源アダプターとケーブルの重量。
約292gという結果になりました。
本体と合わせると1878gになります。
2kg位までなら携帯できる・・という方もおられると思いますが、私的には、本体のみなら携帯もできるという感じでしょうか。
ThinkPad Twistの外観面については以上となります。
引き続き、製品の特徴や使い勝手について細かく見ていきたいと思います。
興味をお持ちの方は、ぜひ次の記事もご覧ください。