★本ページはプロモーションが含まれています★

ThinkPad T530でベンチマークテストを行ってみました。

掲載のモデルはプロセッサにCore i7-3520M、メモリ4GB、NVIDIA NVS 5400M Optimus グラフィックス、500GBのHDDを搭載した、ThinkPad T530では比較的上位構成にあたるモデル。

ストレージがHDDなので起動等の速度は余り早くはありませんが、外部グラフィックスを搭載しているだけあって、性能は比較的高めです。

記事では各種ベンチマークの結果と、消費電力、筐体温度、バッテリーの駆動時間等の測定結果を掲載。
構成選択の際の参考にして頂けると幸いです。


【ThinkPad T530 レビュー記事目次】

ThinkPad T530 外観や操作性のチェック・解説

ThinkPad T530 のウルトラベイ・エンハンスドについて

・ThinkPad T530 のベンチマーク結果
 (掲載モデルの構成 / NVIDIA Optimusについて / ベンチマーク結果

・ThinkPad T530 レビューまとめ
 (長所について / 短所について / T530のまとめ


掲載モデルの構成と特徴

掲載しているT530の主な構成と、その内容について簡単に解説します。
以下、CPU-Zの実行結果です。

CPU-Zではグラフィックスの構成が正常に表示されなかったため、speccyというシステム情報を表示するユーティリティの実行結果もあわせて掲載しています。


NVIDIA NVS 5400M が搭載されていますが、検出されず


Speccyの結果

【ThinkPad T530 の主な構成】

OS Windows 7 Professional SP1 64bit
プロセッサ Core i7-3520M(2.9GHz/TB時最大3.6GHz)
チップセット QM77 Express
グラフィックス NVIDIA NVS 5400M (1GB) / HD グラフィックス4000(CPU内蔵)
メモリ 4GB(4GB×1/PC3-12800 DDR3 SDRAM/最大16GB)
ストレージ 500GB HDD(Hitachi製/5400rpm)
ディスプレイ 15.6型ワイドフルHD(1920×1080)、光沢なし
無線機能 Centrino Advanced-N 6205 a/b/g/n、Bluetooth v4.0
バッテリ 6セルバッテリー(駆動時間:約7.2時間)
サイズ 372.8×245.1×31.8~35.6(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.52kg

※以下に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2013年1月30日時点のものです。

今回掲載のT530は、Windows 7 Professionalを搭載したモデル。
これはオプションで選択できるもので、標準ではWindows 8搭載となります。

パフォーマンスに関係するところでは、プロセッサは第3世代のCore i3からCore i7まで提供されており、掲載モデルはCore i7-3520M搭載。これでもかなり性能は高いですが、より上位の構成ではCore i7-3820QMなどの4コアプロセッサも選択できるようになっています。

メモリは今回のモデルは4GBですが、最大で16GBまで搭載することが出来ます(スロットは2つ)。
底面から簡単に増設できますので、可能であれば、カスタマイズで容量の大きいメモリを選ぶよりも自分で追加する方がコストを抑える事が出来ます。

キャッシュ用のマイクロ・ハード・ディスク(mSATA SSD)も選択可能ですが、今回のモデルには搭載されていません。マシンをHDD構成で利用される場合に、予算に余裕があれば選ばれると良いでしょう。SSDの速度にはかないませんが、HDDを単体で運用するよりは処理が高速になります。

あとこのT530では、外部グラフィックス(NVIDIA NVS 5400M)の選択肢も提供されています。

NVIDIA NVS 5400Mはそれ程高性能なグラフィックスではありませんが、内蔵グラフィックスよりは確実に性能が高いです。グラフィック性能を必要とするソフトを使われる場合や、マルチモニタで利用される場合に選択されるとよいと思います。T530はビジネスで利用するために購入される方も多く、ニーズは結構あるオプションでしょう。

後の項で、NVIDIA NVS 5400M稼働時と内蔵グラフィックスのみ稼働時のパフォーマンスを掲載していますので、参考にしてください。


パフォーマンスに関係の無い部分で目に付くのは、液晶の選択肢の多さ。

前にも書きましたが、このT530はHD(1366×768)、HD+(1600×900)、フルHD(1920×1080)の3種から液晶の解像度を選択することができます。解像度は人によって好みが異なるので、選択肢が多いところは大きな魅力です。画質はIPSほどの綺麗さはありませんが、明るくとても見やすい液晶だと思います。

非光沢タイプの液晶ですので、長時間画面を見る方や細かい作業が多いビジネス作業にも向いていると言えるでしょう。

全体として、カスタマイズの幅がかなり広い製品だと思います。
T530の筐体は内部パーツにアクセスしやすい構造を持っていますので、自分でパーツのカスタマイズをしたいという方にも扱いやすいノートPCです。


補足として、T530は電源アダプターを65W、90Wから選択できます。

下位構成でそれ程電力を使わない場合には65Wでも十分ですが、あとから2ndHDDを増設したり、PCから電力をとる周辺機器をつなげたりする場合、65Wだと電力が足りなくなる恐れがありますので、大きめの90Wを選択された方がよいと思います。
※NVIDIA NVS 5400Mを選択した場合や、Core i7-3720QMなどの高性能CPUを選択した場合、自動で90W、135Wの電源アダプターが選択されます。

後もう一つ、HDDについてですが、この製品には7mm厚のHDDが搭載されています。

搭載のHDDは7mmですがそれ以上のスペースはあるため、9.5mm用のゴムレール(HDDの側面につけるゴム製のレール)を用意すれば9.5㎜厚のHDDを搭載する事ができるようです。

ただ、実際にやってみたわけではないため保証は出来ません。
参考までにお願いいたします。




NVIDIA Optimusについて

構成の項で、掲載のT530にはNVIDIA NVS 5400Mが搭載されていると述べました。

このグラフィックスはOptimus テクノロジーに対応しており、マシンにかかる負荷に応じて自動で外部グラフィックスと内蔵グラフィックスを使い分けます。

マシンに高い負荷がかかるとNVIDIA NVS 5400Mがオンに、負荷が小さい場合はNVIDIA NVS 5400Mをオフにして内蔵グラフィックス(HDグラフィックス4000)のみでマシンを稼働させる・・といった具合です。

細かい設定は「NVIDIA コントロールパネル」の3D設定の管理から調整できます。

3D設定の管理のグローバル設定タブでは、常に優先するグラフィックスのプロセッサを指定できます。

デフォルトでは負荷に応じてNVIDIAプロセッサがオン・オフされる「自動選択」が設定されていますが、常にNVIDIA NVS 5400Mをオンにしていたい場合や、逆に常時内蔵グラフィックスだけでマシンを稼働させたい場合などに、いずれかのグラフィックスを設定する事ができます。

※ 後のベンチマーク結果の項では、NVIDIAプロセッサを優先設定にした場合のスコアと、内蔵グラフィックスを優先にした場合のスコア比較などを掲載しています。




プログラム設定タブでは、アプリケーション毎にNVIDIAプロセッサを使用するかしないかの設定をしておくことができます。




T530のベンチマーク結果

以下、掲載しているThinkPad T530のベンチマーク結果です。


【Win エクスペリエンス・インデックス】

プロセッサ 7.2
メモリ 5.9
グラフィックス 5.0
ゲーム用グラフィックス 6.4
プライマリ ハードディスク 5.9

グラフィックスの欄に「HDグラフィックス4000」と表示されていますが、「3D設定の管理」より、NVIDIAプロセッサを優先する設定にして測定していますので、表示がおかしいのだと思います。



【CrystalDiskMark】

Seq 105.3103.8
512K 38.8041.42
4K 0.4980.973
4K QD32 1.0180.905

数値は左がRead、右がWrite

T530のディスク性能です。

今回、HitachiのHTS545050A7E380という、7mmのHDD(5400rpm)が搭載されていました。CrystalDiskMarkのスコアは、最近のノートの中では余り高い方ではありません。

実際、OSやアプリの起動が遅く感じられます。CPU等の性能は高いのに、これだと少し勿体無いです。

オプションで7200rpmのHDDや、SSDにカスタマイズする事が可能ですが、カスタマイズ価格は結構高いので(特にSSD)、可能であれば自分で増設等された方がコストカットになるでしょう。



【3DMark06】

NVIDIAプロセッサを常時オンに設定した状態で測定。

3DMark score ・・・ 9246
SM 2.0 Score ・・・ 3857
SM 3.0 Score ・・・ 3390
CPU Score ・・・ 4187



【3DMark11】

NVIDIAプロセッサを常時オンに設定した状態で測定。

3DMark score ・・・ P1267
Graphics Score ・・・ 1133 (4種のGraphicsテスト)
Physics Score ・・・ 3815 (CPUベースの物理演算)
Combined Score ・・・ 1144 (GPUとCPUの両方へ同時に負荷をかけるテスト)




以下の3Dゲーム系のベンチマークでは、NVIDIAプロセッサをオンにした状態とそうでない状態でのスコアを測定してみました。

【モンスターハンターフロンティア 大討伐】

NVIDIAプロセッサ有効時  左:1360×768 / 右:1920×1080

NVIDIAプロセッサ無効時  1920×1080

NVIDIAプロセッサ有効時
1360×768 ・・・ 3742~3766
1920×1080 ・・・ 2094~2103

NVIDIAプロセッサ無効時(HDグラフィックス4000のみ)
1920×1080 ・・・ 1062



【デビル メイ クライ 4】

NVIDIAプロセッサ有効時  上:1360×768 / 下:1920×1080

NVIDIAプロセッサ無効時  1920×1080

NVIDIAプロセッサ有効時

【1360×768】
平均fps ・・・ 66.63~119.41
RANK ・・・ S

【1920×1080】
平均fps ・・・ 42.63~67.48
RANK ・・・ B

NVIDIAプロセッサ無効時

【1920×1080】
平均fps ・・・ 20.45~30.60
RANK ・・・ D



【ファンタシースターオンライン2 】

NVIDIAプロセッサ有効時  左:1360×768 / 右:1920×1080

NVIDIAプロセッサ無効時  1920×1080

NVIDIAプロセッサ有効時
1360×768 ・・・ 806
1920×1080 ・・・ 329

NVIDIAプロセッサ無効時(HDグラフィックス4000のみ)
1920×1080 ・・・ 188

~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作



【FINAL FANTASY XIV】

NVIDIAプロセッサ有効時  左:LOW / 右:HIGH

NVIDIAプロセッサ無効時  HIGH

NVIDIAプロセッサ有効時
LOW ・・・ 2182
HIGH ・・・ 1133

NVIDIAプロセッサ無効時(HDグラフィックス4000のみ)
HIGH ・・・ 459


外部グラフィックスを搭載していますが、グラフィック性能はゲームが出来る程ではありません。ですが、内蔵グラフィックスで運用しているマシンの性能よりは確実にグラフィック性能は高いです。

外部グラフィックスはマシンをマルチモニタ環境で使用される方や、よりグラフィックスのパワーを必要とする、制作系のソフトウェアなどを使用される場合に選択するとよいのではないかと思います。




次に、ThinkPad T530の消費電力を測定した結果です。

アイドル時とベンチマーク実行時(デビルメイクライ4)の消費電力を、NVIDIA NVS 5400Mの設定を常にオンにした状態で測定しています。

アイドル時 ・・・ 21W
ベンチマーク実行時 ・・・ 65W

※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています

ベンチマーク実行時はやや消費電力が上昇しましたが、高くはありません。

HDグラフィックス4000のみで稼働させた状態だと、アイドル時の消費電力は上記の半分程度になるのではないかと思われます。




続いて、ThinkPad T530の筐体内の温度です。
(以下の表は見やすいよう、若干編集しています)

ベンチマーク実行時(デビルメイクライ4)は温度が上昇しますが、高いというほどではありません。




さらに、ベンチマークを20分程度実行させた後、筐体の表面温度を測定してみました。

キーボード左側がやや温かくなりやすいようです。
熱いと感じるほどではないですが、キーボードを操作していていると手に熱を感じます。




最後に、ThinkPad T530 のバッテリー駆動時間の測定結果です。
バッテリー駆動時間の測定にはbbenchを使用、設定はストロークが10秒毎、ネットアクセスが60秒毎。

画面の輝度は、最大輝度の15から10まで下げています。
Oputimusは自動設定です。(外部GPUと内蔵GPUが自動で切り替わる設定)

バッテリーの電力残量が100%から5%の状態になるまでの時間は22267秒。
約6.2(6.1852777777..)時間ものバッテリー駆動が可能という結果です。

公称値の約7.2時間には満たないものの、このサイズ・性能でこの結果は悪くないです。T530を携帯利用する事はそれ程無いかもしれませんが、万が一携帯することがあっても十分実用的なバッテリー駆動時間だと思います。

外部グラフィックスを完全にオフにした状態で測定すれば、もう少し駆動時間は延びるかもしれません。

なお、バッテリーは今回のモデルは6セルですが、9セルも選択できます。バッテリー利用される時間が長いという方はカスタマイズで9セルバッテリーを選択されるとよいと思います。



T530の性能面に関しては以上です。
構成の選択の幅が広い部分や筐体の構造など、とても扱いやすい製品です。ストレージを2つ搭載できる部分も魅力。

私は携帯する可能性を考えてX230を購入しましたが、もし全く携帯しないというのであれば、T530(もしくはT430)を購入したでしょう。仕事にも使う15.6型のノートをお探しの方には、かなりお勧めできる製品だと思います。