HPE 590jp コストバランスの良い構成は? (コストパフォーマンス編)
HPE 590jp のレビューの続きです。
前回の HPE 590jp の記事では、HPE 590jp のベンチマーク結果や、冬のHPE 390jpとの比較を掲載しました。
構成的には、今回のHPE 590jp よりも冬に掲載したHPE 390jpの方がハイスペックですので、
性能の方も当然HPE 390jpの方が高いという結果になりましたが、HPE 590jp と 390jpでは価格も大きく異なります。
価格を見た上で性能を比較すると、HPE 590jp と 390jp の性能差は価格の差ほどあるとは思えず、
比較的低価格にまとめたHPE 590jp の方がコストパフォーマンスは高いと言えます。
というわけで今回の記事では、掲載の HPE 590jp や冬モデルの HPE 390jp のコストパフォーマンスをはじめ、
そこそこの性能を維持しつつもコストを抑えるにはどういった構成が良いのか・・?などという事について考えてみました。
まず最初に今回の HPE 590jp の主な構成と価格です。
今回はパフォーマンスに関係のある主要な構成のみで、細かくは記載していません。
詳細な構成については前の記事をご参照下さい。
【HPE 590jp の主な構成】
OS Windows 7 Ultimate 64bit
プロセッサ Core i7-930 (2.8GHz/TB時最大3.06GHz/L3 8MB+L2 1MB)
グラフィックス GTX460(2GB)
メモリ 24GB(4GB×6/PC3-10600/最大24GB)
ストレージ 160GB SSD×2(RAID 0)
今回掲載している HPE 590jp の構成で価格を見積もると、約25万円弱。
決して安価ではありませんが、Windows 7 Ultimateやメモリ24GB、SSD2台構成など、内容を考えると当然の価格。
勿論パフォーマンスもかなり良いです。
次に、冬に掲載した HPE 390jp の主な構成と価格。
【HPE 390jp FF14 推奨認定モデルの主な構成】
OS: Windows 7 Ultimate 64bit
プロセッサ: Core i7-980X EE (3.33GHz、TB時最大3.6GHz/L3 12MB+L2 1.5MB)
グラフィックス: GTX460(1GB)
メモリ: 24GB(4GB×6/PC3-10600/最大24GB)
ストレージ: 1TB HDD(7,200rpm) + 160GB SSD
見て分かるとおり、プロセッサにはCore i7-980X エクストリームエディションが搭載されています。
その他の構成も、HPE 590jp と同じくWindows 7 Ultimateやメモリ24GB、
SSDとHDDの2台構成や高性能グラフィックスなどを搭載し、価格は約35万円前後。
高価なプロセッサを搭載しているだけあって、価格もかなり高いものとなっています。
ちなみに、上記の HPE 590jp と HPE 390jp の違いは・・
プロセッサ Core i7-930 Core i7-980X EE
グラフィックス GTX460(2GB) GTX460(1GB)
ストレージ 160GB SSD×2 1TB HDD + 160GB SSD
※左がHPE 590jp、右がHPE 390jp
の3点で、プロセッサこそ HPE 390jp の方が高価なモデルを搭載しているものの、
グラフィックスやストレージに関しては HPE 590jp の方がやや上の構成となります。
(というか、HPE 390jpでは2GBメモリのGPUやSSD×2の構成は提供されていない)
価格はそれぞれ記載した通り HPE 590jp では約25万円、
冬モデルの HPE 390jp においては約35万円前後の価格。
では、今回掲載している上記 HPE 590jp のプロセッサを
Core i7-980X EE に変えた場合の価格はというと、約32~33万円と HPE 390jp よりも数万安価。
(パーツの価格が下がったという理由もあります)
価格を下げながらも、グラフィックスやストレージ等の内容が向上している事を考えると、
春モデルの HPE 590jp は HPE 390jp よりもかなりコストパフォーマンスに優れていると言う事になります。
このHPEシリーズに限らず、春モデルは冬モデルよりも内容向上&価格据置の傾向があり、
冬モデルからそれ程変化が見られないモデルに関しても、コスト面ではややお得であったりします。
まあいずれにしても、このシリーズを購入しようとなると春モデルを購入する事になると思うので、
多少安くなろうが冬のままであろうが買う方は買うのだと思いますが、
コストに関しては常に努力を行っていると言うメーカーの特色を知っておいても損はないかと思います。
次に、今度は HPE 590jp の構成と価格、性能のバランスについての話になりますが、
この事に関してはこれまでにも何度も記事上で述べています。
どういう事かというと、プロセッサにCore i7-980X エクストリームエディションを搭載したモデルと、
下位のプロセッサを搭載したモデルとではどの程度性パフォーマンスが違うのかなどという事や、
Core i7-980Xエクストリームエディションはかなり高価ですが、
そのコストをかけるだけの性能を得る事が出来るのかという話など・・
もちろん性能をとことん追及される場合には、Core i7-980X EE 搭載モデルは魅力です。
(ニーズはあるでしょうから、その選択肢は必要だとも思います)
ただ、 i7-980X搭載のHPE 590jpと、下位のプロセッサを搭載したHPE 590jp(その他の構成は同じ)とを比較した場合に、体感できる程のパフォーマンスの差があるのかというと微妙な感じで、作業内容にもよると思います。
多くのベンチスコアにおいても、それ程(価格ほど)パフォーマンスが大きくは変わるようには見えません。
もちろんベンチの種類にもよりますが・・
【HPE 590jp と HPE 390jp のエクスペリエンスインデックス・スコア比較表】
Win Exインデックス | HP Pavilion Desktop PC HPE 590jp | HP Pavilion Desktop PC HPE 390jp FF14推奨 |
プロセッサ | 7.5 | 7.8 |
メモリ | 7.5 | 7.8 |
グラフィックス | 7.4 | 7.5 |
ゲーム用グラフィックス | 7.4 | 7.5 |
プライマリ ハードディスク | 7.9 | 7.7 |
自分が思うに、性能はある程度追求したいけれどコストも出来るだけ抑えたいという方にとっては、
少なくとも Core i7-980X EE はそれ程良い選択肢ではないと考えます。
HPEシリーズはPCゲームをされる方が購入するというパターンが多いようで、
3Dの処理性能を必要とする作業がメインでしたら、8万円近くプラスとなるプロセッサを追加するよりも、
グラフィックスやSSDなどを出来るだけ高性能なものにグレードアップした方が、コストパフォーマンス的には良いです。
そういう理由で、コストと性能のバランスを気にされる方には、
下位のプロセッサを選択しGPUやストレージにコストをかけた方が良いのでは・・等と述べています。
下位といっても、HPE 590jpで用意されているプロセッサは高性能なCore i7のみですので、
下位モデルでも十分にパフォーマンスは高いと言えます。
エクストリームエディションの選択が無駄だと言うわけではなく、
予算に余裕があるのであれば、是非搭載したいプロセッサです。
とここまで色々述べましたが、上記の内容は私の考えであり、
また違った見方をされる方もいると思います。
あくまでも記事内容は参考程度にお願い致します。
ちなみに余談ですが・・
2011年2月14日に インテルCPUの新しいモデル Core i7-990X Extreme Edition(※)が登場した影響で、
他の6コアプロセッサ Core i7-970 や、その他のCore i7-960等の価格が大幅に低下すると予告されています。
(※3.46GHz、TB時最大3.60GHz/L2:1.5MB + L3:12MB)
Core i7-990X Extreme Editionは i7-980X の上位モデルですが、
価格はi7-980Xと同程度になる見込みとの事。
日本HPの製品価格に、パーツの市場価格が即反映されるような事はないと思いますが、
今後のHPEシリーズの製品価格がどのように変わっていくのかが気になる所です。
というわけで、HPE 590jpのレビューは以上となります。
今後気になる部分や話題などが出てきたら、また記事にすると思います。
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