HP EliteBook x360 1020 G2のレビュー 約1.13㎏!高い堅牢性を備えた12.5型のビジネスモバイルノート
HPが販売するノートPC、HP EliteBook x360 1020 G2のレビューです。
HP EliteBook x360 1020 G2は、12.5型フルHDの液晶を搭載するビジネス向けの2in1ノート。厚さ13.9mm、重さ約1.13㎏の軽量薄型ボディを持つ、モバイル向けのデバイスです。
ビジネス向けの製品ながら、個人向けのプレミアムラインである Spectreシリーズを彷彿とさせる美しいデザインを採用しており、ビジネスで利用するような製品には見えません。
ですが、デザインにこだわりながらもモバイル性能、高堅牢性、700nitの明るい液晶、充実したセキュリティ機能など、ビジネスモデルならではの要素を数多く備えています。
構成は、インテル第7世代のCore i5やi7、最大16GBメモリ、ストレージはSSDのみとパフォーマンスに妥協のないスペックをラインアップ。あらゆる面で隙のなさを感じさせる製品です。
ビジネス向けというところで価格は若干高いように思いますが、機能が豊富で実用性があり、価格以上の満足感を提供してくれるノートPCだといえるでしょう。
安さよりも使い勝手や品質重視、なんて方に向いています。
今回は、HP EliteBook x360 1020 G2でラインアップされている Core i5-7200Uや256GB M.2 SSDを搭載する構成を使用してみましたので、その特徴や使用感、性能について詳しくご紹介いたします。
【HP EliteBook x360 1020 G2 レビュー記事目次】
HP EliteBook x360 1020 G2 筺体外観や操作性をチェック
・筺体外観・インターフェース
・キーボードの操作性
・重さ
構成と特徴・ベンチマークテストの結果
・構成と特徴
・ベンチマークテストの結果
・消費電力・温度
・バッテリ駆動時間
製品のまとめ
・ HP EliteBook x360 1020 G2 まとめ
※掲載製品は Linkshare様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP EliteBook x360 1020 G2 筺体外観・インターフェース
HP EliteBook x360 1020 G2の筐体外観をチェックします。
冒頭でも述べましたが、ビジネス向け製品とは思えない洗練された外観を持つ2in1ノートです。
最近は個人向け製品と変わらないくらい、デザインにこだわったビジネスノートが増えましたが、本製品はそういった製品のなかでも特に美しいと感じるようなノートです。
米軍調達基準(MIL-STD)に加えて天面加圧試験600kgfをクリアするなど、堅牢であるのにもかかわらず薄型軽量であるところも魅力。
まさにモバイルのためのノートPCです。
天板の様子。
アルミニウムとマグネシウム合金が使われた、淡いシルバーカラーの質感高い筐体です。
タッチ感やディスプレイ回転時の感触など、筐体全体が頑丈そうなつくりであり、薄型でも安心して利用できる製品だといえます。
筐体背面の様子です。
筺体正面側。
電源オフ時、オン時の様子です。
とにかく薄く、シルエットに野暮ったさがなくてきれいです。
360度回転可能なディスプレイを搭載しており、ノートPC以外にも様々なモードで利用できます。
テントモード
スタンドモード
タブレットモード
ノートとしても使いやすい製品ですが、単純にネットや動画を閲覧したり、画面にイラストや文字を書き込んだりといった作業にも利用しやすいです。
製品購入時のオプションとして、2048階調の筆圧感知が可能なHP Active Pen(アクティブ静電結合方式)が提供されているため、必要な方は選んでおきましょう。
ディスプレイには、12.5型フルHD(1920×1080)のIPSタッチパネルを搭載。
光沢タイプですが700nitと非常に明るいため、屋外での利用や、外光が入るような明るい場所であっても操作がしづらくなりません。
IPS方式の液晶であるため、視野角は広いです。
斜めからの閲覧時も、内容をはっきりと読み取ることができます。画面の色変化もほとんどありません。
…という具合にきれいで見やすい液晶ですが、外出時の利用においては、その視野角の広さのせいで周囲から盗み見されやすいという欠点もあります。
といっても、意図的に盗み見する人はいないとは思いますが、例えば混雑した電車の座席や、カフェなどでノートPCを広げて作業をすると、周囲の人には画面の内容が丸見えになるんですよね。
表示されているものがプライベートなものや、会社の大事な資料だったりすると、周囲も目のやり場に困りますし、使用している本人にも会社的にもよろしくないです。
そんな場面で役立つのが、本製品に搭載されている「HP Sure View」という機能。
HP Sure Viewとは、内蔵型のプライバシースクリーン機能の名称。
意図的に、スクリーンを白濁させて視野角を狭めることで、周囲からの盗み見による情報の漏えいを防ぐことができるという機能です。
HP Sure Viewのオンオフは、ファンクションキーに割り当てられているボタンを押すだけととても簡単。ちょっとプライベートなものを表示する時だけ、オンにするといった気軽な使い方ができます。
以下、HP Sure Viewをオンにした場合の画面の見え方です。
HP Sure Viewをオンにした状態。
オフ時の状態よりも、画面全体が若干白っぽい感じになりはするものの、正面から見る分には表示は普通です。
やや斜めから見た状態
さらに斜めから見た状態
HP Sure Viewをオンにしていると、ディスプレイをやや左右に傾けただけでも内容が見づらくなります。
この状態で、画面の内容を盗み見される心配はまずないでしょう。外出時のPC利用が多い方には、便利な機能です。
ディスプレイ上部には、720p HD対応のWebカメラを内蔵。
IRカメラを搭載しており、Windows Helloを利用した顔認証ログインが行えます。
本製品には指紋センサーも搭載されているため、指紋認証によるログインも可能です。
ディスプレイ下部には、hpのスラッシュロゴ(hpプレミアムシリーズに付けられるロゴ)を配置
筐体側面のインターフェースをチェックします。
左側面です。
ヘッドフォン出力とマイク入力のコンボポート、セキュリティロックケーブル用のスロット、電源ボタンが並びます。
右側面にはボリュームコントロールボタン、USB Type-C(Thunderbolt 3対応)×2基、HDMI出力端子が並びます。
正面側
背面側
背面中央付近にプリントされている、ELITEBOOKのロゴ
筺体正面、背面側には何もありません。
さすがに筺体が薄いため、端子は最小限という感じですが、Type-CのUSB端子が搭載されるなど最近のモデルらしい内容を備えています。
製品購入時のカスタマイズオプションにて、USB Type-C対応の変換アダプターやドックが提供されているため、環境に合わせて揃えておくと良いでしょう。
ドッキングステーションは据え置き型のほか、モバイルタイプのデバイスも提供されています。
筺体底面です。
写真は上が筐体背面、下が正面側となります。
ゴム足と通気口以外に何もない、とてもすっきりとしたデザインです。
正面寄りの位置に、Bang & Olufsenサウンドテクノロジー対応のスピーカーを内蔵しています。
これとは別に、キーボードの上部にもスピーカーを内蔵。
小型ノートの割に音は良いように思います。
サウンドユーティリティ「Bang & Olufsen AUDIO」を搭載
PC本体と、付属の電源アダプターやケーブル。
USB Type-C対応の、65W電源アダプターが同梱されていました。
キーボードの操作性
HP EliteBook x360 1020 G2に搭載されている、キーボードまわりの機能や操作性をチェックします。
アイソレーションタイプの日本語キーボードです。
キーピッチは縦横ともに18.7mm、キーストロークは1.5~1.7mmと、筐体が薄いわりにキーには深さがあります。
そのせいかわかりませんが、キーはしっかりとしたクリック感のある押し心地で、タイピングがしやすいです。
個人的には homeや endなどのキーは、最上部のファンクションボタンに搭載されていた方が使いやすいのですが。全体的な操作性はなかなか良いと思います。
キートップの様子
白色のバックライトが内蔵されています。
暗い場所でも作業がしやすいです。
右側のパームレストには、標準で指紋センサーが備わっています。
キーボードの上側に内蔵されている、Bang & Olufsenサウンドテクノロジー対応のスピーカー。
タッチパッドはボタン一体型。
クリック感などは悪くありませんが、ホームポジションからやや右寄りに配置されているため、タイピング時に右の手のひらが触れることがありました。
私の使用中には誤動作はありませんでしたが、気になる方はWindows 10の「設定 > デバイス」を開き、タッチパッドの設定画面より感度を低く設定するか、タッチパッドを利用しない場合は機能をオフにすると良いでしょう。
重さ
HP EliteBook x360 1020 G2の重さをはかってみました。
PC本体の重さは1115g。
12.5型のビジネスノートとしては、とても軽いです。
ビジネス向けのノートは堅牢性や操作性を重視しているため、筐体が重くなりやすいのですが、それでも1kg弱という軽さを実現しています。
実際軽いですし、コンパクトであるためカバンなどに収めやすいです。
電源アダプターやケーブルを合わせた重さは354g。
HP EliteBook x360 1020 G2 構成内容とその特徴について
掲載しているHP EliteBook x360 1020 G2の構成内容と、その特徴を解説します。
【CPU-Z】
【HP EliteBook x360 1020 G2 の主な構成】
OS Windows 10 Pro 64bit
プロセッサ Core i5-7200U(2.50GHz/TB時最大3.1GHz)
ディスプレイ 12.5型ワイドフルHD(1,920×1,080)、タッチ、IPS
グラフィックス インテル HD グラフィックス 620
メモリ 8GB(LPDDR3 オンボード)
ストレージ 256GB M.2 SSD(SATA3/SED自己暗号化機能付/Samsung製)
無線機能 IEEE 802.11 ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.2、2×2
指紋センサー あり
バッテリ 42Wh、3セル バッテリ
サイズ 290×203×13.9(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1.13kg
標準保証 1年間 (引き取り修理サービス、パーツ保証、電話サポート)
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2018年04月06日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Pro、Core i5-7200U、8GBメモリ、256GB M.2 SSDという構成内容のモデルです。
本製品には、第7世代のCore i5、もしくはCore i7のモデルが提供されており、各モデルでメモリやストレージ構成があらかじめ決まっています。
ストレージはSSDが標準であるため、どの構成を選んでもパフォーマンスは高いです。
以下、提供されている主な構成となります。
提供されている一通りの構成を記載しているだけであり、各モデルで自由にパーツを組み合わせられるわけではないため、ご注意ください。
【HP EliteBook x360 1020 G2で提供されている構成(記事作成時点)】
OS
・Windows 10 Home (64bit)
・Windows 10 Pro (64bit)
液晶
・12.5型フルHD IPSタッチパネル
CPU
・Core i5-7200U
・Core i7-7500U
メモリ
・オンボード8GB LPDDR3
・オンボード16GB LPDDR3
ストレージ
・128GB M.2 SSD(SATA3)
・256GB M.2 SSD(SATA3、SED自己暗号化機能付)
・512GB M.2 SSD(M.2 SSD、PCIe NVMe)
顔認証、指紋認証が可能なIRカメラや指紋センサーは、全てのモデルに搭載されます。
ほかにも、ストレージに自己暗号化機能つきのモデルが提供されていたり、無線LANのアンテナを多く搭載する(2×2)など、使い勝手やセキュリティ性能を重視するビジネス向けらしい要素が多く見受けられます。
以下、掲載モデルに搭載されているストレージの詳細です。
ストレージの仕様(販売製品に同じモデルが搭載されるとは限りません)
Samsung製の「MZNLN256HMHQ-000H7(PM871a)」という256GB SSD(SATA)が搭載されていました。
SATA接続であるため爆速といえるようなSSDではありませんが、ベンチマークテストでは読み書きのスピードがほぼ同じであるなど、高性能なSSDです。
本製品では、他に128GB M.2 SSD(SATA)や、NVMe規格の512GB M.2 SSDを搭載したモデルが提供されています。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているHP EliteBook x360 1020 G2で実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strike、Time Spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から1280×720(標準品質)、1920×1080(標準品質)/ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 紅蓮のリベレーター】
1280×720(DirectX 11/標準品質(ノートPC))
【CINEBENCH R15】
日常用途(メールやビジネスアプリを使った資料作成など)のビジネスモバイルノートとしては、十分すぎるパフォーマンスです。
SSDが標準搭載であるため、いつでもどこでもサクサクと快適に作業が行えるところが良いです。使っていて全くストレスを感じません。
消費電力・温度
HP EliteBook x360 1020 G2のアイドル時、およびベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力を測定してみました。
画面の輝度は50%に設定、バックライトキーボードはオフに設定した上で測定しています。(以降、全てこの設定)
アイドル時 ・・・ 5W
ベンチマーク実行時 ・・・ 32W
※実際の値は若干上下します
全体的に低消費電力ですが、特にアイドル時の電力消費が小さいです。
以下、アイドル時、高負荷時(3DMarkのFire Strikeを20分以上実行)のパーツ温度と、高負荷時のキーボード表面温度です。
パーツ温度
キーボードの表面温度
ノートPCとしては標準的なパーツ温度であり、特に気になるところはありません。
キーボードは、高負荷な状態が続くと中央付近がやや温かくなりやすいようですが、部分的にであること、また触れるのは指先のみであるため、熱でタイピングがしづらいといったようなことはありませんでした。
バッテリ駆動時間
バッテリベンチマークソフト「bbench」を利用し、HP EliteBook x360 1020 G2のバッテリ駆動時間を測定。
ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANによるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
バッテリの電力が100%から4%に減少するまでの時間は47271秒。
約13(13.13083333…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
のんびりとしたペースでのネット閲覧や文字入力のようなライトな作業では、バッテリのみでもかなり持つよう。多少負荷がかかる作業を行うとしても、電源なしで相当な時間使えると思います。
ノートのバッテリの持ちが良いのは、モバイル利用が多いユーザーには大きな魅力です。
HP EliteBook x360 1020 G2 まとめ
HP EliteBook x360 1020 G2のレビューは以上となります。
最後にまとめると…
・2in1構造の採用で様々なモードで使える
・軽量薄型、頑丈で持ち運びやすい
・SSD標準搭載で、常に動作が軽快
・バッテリの持ちが良い
・HP Sure View(内蔵型プライバシースクリーン)搭載
・顔認証、指紋認証機能がつかえる
単純に軽いだけではなく、どこでも気軽に持っていけるタフさや充実したセキュリティ機能、またいつでもサクサク作業が行えるハイスペックを持ちあわせた製品です。
ビジネス向けでも、上位に位置づけられるEliteBookシリーズのモデルだけあって、とにかく機能豊富。
一見すると、ちょっと価格が高いようにも思えるのですが、価格以上の機能と使いやすさを備えており、結果的にコストパフォーマンスは高いです。
ビジネスとはあまり関係がありませんが、持ち主までセンス良く見えるような洗練されたデザインも、利用する方にとってはかなり嬉しいおまけだと思います。
とにかく安いノートが欲しい、なんて方には本製品は向きませんが、安心して使えるモバイルノートが欲しいという方には、選んで損はないノートPCです。