Diginnos DGM-S12Yのレビュー 超リーズナブル!脱着式キーボードや専用ペンが付属する12.2型の2in1ノート
ドスパラが販売する2in1ノート、Diginnos DGM-S12Yのレビューです。
Diginnos DGM-S12Yは、12.2型WUXGA(1920×1200)のタブレットに脱着式キーボードが付属する2in1タイプのノートPC。
脱着式キーボードや専用のデジタイザペンが標準付属し、お値段なんと64,800円(税抜/2017年3月1日時点)から、税や送料込みでも7万円台前半からという驚きの低価格を実現した2in1ノートです。
タブレットを用いた2in1ノートは、一般的なノートPCと比較して性能が低かったり、ストレージ容量が小さいものも少なくはなく、高性能かつストレージ容量の大きい製品は価格が高いことが殆ど。
しかし本製品は低価格でありながら、CPUにはCore m3-6Y30を採用し、メモリは最大8GB、ストレージには64GB~256GB SSDを提供するなど、多くの方に手の届きやすい2in1ノートです。
1,024段階の筆圧検知が可能なペンを標準付属しているという点も、大きな魅力。
今回は、128GB SSDを搭載する Diginnos DGM-S12Y-4128というモデルを使用してみましたので、その外観や特徴、使い勝手、実際の性能について詳しくご紹介したいと思います。
【Diginnos DGM-S12Y レビュー記事目次】
・製品の特長
(Diginnos DGM-S12Yの主な特長)
・Diginnos DGM-S12Y 筺体外観・操作性
(タブレットの外観 / 脱着式キーボード / キーボードの使い勝手 / デジタイザペンが付属 / 液晶の見やすさ / 重量)
・構成内容と特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマークテストの結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間 / バッテリ駆動時間)
・製品のまとめ
(Diginnos DGM-S12Y まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
Diginnos DGM-S12Yの主な特長
以下、Diginnos DGM-S12Yの主な特長です。
構成は変更される可能性があります。
・12.2型WUXGA(1920×1200)のタッチパネルを搭載
・Core m3-6Y30を搭載
・64GB、128GB、256GB SSDのストレージをラインアップ
・Windows Hello対応の指紋認証センサーがついた、脱着式のキーボードカバーを標準付属
・1,024段階の筆圧検知が可能なデジタイザペンを標準付属
・とにかく価格が安い
12.2型サイズで1920×1200ドットという、やや縦長の液晶を搭載した製品です。
タブレットに脱着式のキーボードカバーが標準付属しており、装着することでノートPCとしても利用できるようになります。
このキーボードカバーは、キーボードだけではなくタブレットの保護カバーとしても利用可能。タッチパッド部分に指紋認証センサーを搭載するなど、とても利便性の高いデバイスです。
キーボードカバーの付属だけならまだしも、デジタイザペンも標準付属しているため、それらを利用したいと思った場合に別途買い求める必要がありません。
この手の製品は高価であることが少なくはありませんが、Diginnos DGM-S12Yはとにかく価格が安く抑えられており、ノートPCやタブレットでペンを利用したいという方にはとても魅力が大きいです。
タブレットの外観
まず最初に、Diginnos DGM-S12Yの要となる部分、タブレット側の外観やインタフェースの内容を確認していきたいと思います。
12.2型WUXGA(1920×1200)という、やや縦長の液晶を持つタブレットです。
12.2型サイズの画面は、タブレットとしての利用には大きく重いですが、ウェブページや動画の閲覧、操作などには使いやすいサイズです。
液晶上部には約200万画素のフロントカメラを搭載
背面側の様子です。
ブラックカラー1色の、とてもシンプルなデザインを採用。
ビジネス向け製品のような、整った印象の製品です。
表面の素材がマットな質感で、指紋汚れなどが目立ちにくいところが良いと思います。
背面カバー上部の方には、約500万画素のリアカメラ
タブレット側面のインターフェースの内容をチェックします。
左側面(液晶側から見て)の様子です。
左からmicroHDMI、USB3.0(Type-A)、microSDカードスロット、USB Type-C、ヘッドフォン出力、電源コネクター、スピーカーが並びます。
右側面です。
左からスピーカー、音量ボタン、電源ボタンが配置されています。
タブレット下部には、キーボードと接続するためのコネクターがあります。
タブレット上部には何もありません。
タブレットにしては、インターフェースの内容は充実しています。
拡張性の高いUSB Type-Cに加えて、フルサイズのUSB端子も搭載しており、周辺機器が利用しやすいです。マイクロではあるものの、映像出力端子やmicroSDカードスロットも備わっており、普通のノートPCを利用するような感覚で利用できるタブレットだと思います。
24Wの電源アダプターが付属していました。
タブレットカバーにもなる 脱着式キーボード
Diginnos DGM-S12Yに標準付属する、脱着式のキーボードカバーをご紹介いたします。
キーボードカバーを開いた状態です。
カバーは特に素材にこだわりがあるとか、デザインが優れているというような感じのものではなく、どちらかというと簡素な雰囲気。
とはいえ、カバー自体の強度は高くタブレットをしっかりと保護できること、またキーボードもかっちりとした造りで頼りなさを感じません。
タブレットと接続するためのコネクター部分。
マグネットで固定するタイプです。
キーボードの右側に、ペンを装着するためのペンホルダーが付いています。
ホルダーがあると、PCと共にペンを持ち歩く場合にバラバラに持たなくて済むため便利です。ペンは、意外とカバンの中で行方不明になりやすいのですよね。
このキーボードカバーにタブレットを装着して利用する場合には、キーボードのカバー部分でスタンドを組み立たところに、タブレットを立てかけるようにします。
カバーの内部にはマグネットが内蔵されており、そのマグネットで組み立てたスタンドを固定するような仕組みであるため、折りこんだカバーが崩れてしまうようなことはありません。
タブレットを装着した図。
タブレットの角度を変えることは難しいですが、安定感はあります。
ただ、膝の上など設置面が安定しない場所での利用は難しいです。
机の上以外では、タブレットスタイルで利用すると良いでしょう。
タブレットの最大開閉角度は約110度。
一般的なノートと比較して、やや液晶面の角度は急です。
キーボード面を傾斜させることができます。
タブレットを装着したまま、保護カバーとしても利用できます。
キーボードと一体になったカバーは、別途カバーを用意する必要がないところが便利ですね。
キーボードの使い勝手は?
脱着式キーボードカバーに搭載されている、キーボードの使用感をチェックします。
アイソレーションタイプの日本語キーボードです。
一部のキーがないこと、またEnter付近のキーの形状やキーの位置など、やや変則的なキー配列を採用してはいるものの、普通の文字入力には問題ない使い心地です。
このタイプのキーボードにしては、キーストロークには余裕がありますし、キーボード底面の素材に強度を持たせてあるためか、打鍵時の底面のたわみもほとんど感じられません。
キーを打った時のカチャカチャ音が気にはなるものの、まずまず使い勝手は良いといえるでしょう。
キートップはほぼ平らな形状 ザラツキのある素材を用いており、指紋痕が目立ち難いです
タッチパッドです。
サイズは大きくはありませんが、タッチパッドを使用して操作が行えます。
左上に見えるのは指紋認証センサーです。
タッチパッドにはSynapticsのドライバーが使われていました
タッチタイプの指紋認証センサー。
指紋を予め登録しておくことで、Windows Helloによる指紋認証ログインが利用できるようになります。
ただし、キーボードを取り外して利用した場合は、指紋認証によるログインは利用できません。タブレットスタイル時は、PINやパスワードによるログインを利用します。
Windows 10の「設定 > アカウント > サインインオプション」より、Windows Helloのセットアップが行えます。
あらかじめ、パスワードやPINを設定しておく必要があるため、Windows Helloのセットアップを行う場合には、まず先にあげた項目からセットアップするようにしてください。
デジタイザペンが標準付属
Diginnos DGM-S12Yには、専用のデジタイザペンが標準で付属しています。
専用ペンはオプションとする製品も多い中、標準付属は嬉しいところです。
デジタイザペンって結構高いのですよね。
単4の電池が1本、デジタイザペン、ペンの替え芯が同梱されていました。
ペンは製品ページによると、N-Trig製とのこと。
1,024段階の筆圧検知に対応しています。
ペンの側面には2つのボタンが備わっています。
頭の部分にはクリップ。
ペン先の様子です。
Windows 10の「設定 > デバイス > ペンとWindows Ink」という項目より、ペンの設定が行えます。
実際にペンを利用し、文字やイラストを描いてみました。
ペン先は摩擦があるという程ではありませんが、つるつると滑るというわけでもなく、筆圧検知に対応しているだけあって自然な書き心地です。
メモなどに利用するのはもちろんですが、繊細な描写がしやすいため、簡単なイラストを描くのにも向いていると思います。
Windows Inkを利用すれば、日常の幅広い用途にペンを活用できそうです。
液晶の見やすさ
Diginnos DGM-S12Yに搭載されている、液晶の見やすさをチェックします。
12.2型WUXGA(1920×1200)のタッチパネルを搭載しています。
初期時の画面のスケーリング設定は125%と、ややコンテンツが大きく表示される設定となっていました。
光沢タイプの液晶であるため、光が差すような明るい場所だとやや反射が目立って見づらくなりますが、操作に支障が出るほどではありません。
明るい場所だとやや見づらくなりますが、操作は可能です
視野角は広いです。
上下左右からの閲覧でも、画面に表示されている内容をはっきりと読み取ることができます。
タブレットのようなデバイスは様々な使い方をしますから、このような視野角の高い液晶は使い勝手がよいですね。
重量
Diginnos DGM-S12Yの重さをはかってみました。
タブレット単体の重さは905g。
12.2型サイズのタブレットであるため、コンパクトなタブレットに比べると重さはありますが、そうではあっても多くの12型前後のノートに比べると軽いです。
キーボードカバーの重さは609g。
タブレットと合体させた場合、1514gの重さになります。
専用ペンの重さは17g。
タブレットやキーボードカバーとあわせると、1531gの重さです。
電源アダプターの重さは134g。
タブレットやキーボードカバー、ペンなどと一緒に持った場合、1665gの重さになります。
持ち歩けない重さではありませんが、さすがにフルで持つとそれなりの重さになります。
キーボードを使わずに済むのなら、外出時はタブレットやペンのみを持って出かけるとよいでしょう。
Diginnos DGM-S12Y 構成内容とその特徴について
掲載しているDiginnos DGM-S12Yの構成内容と、その特徴を解説します。
【CPU-Z】
【Diginnos DGM-S12Y の主な構成】
OS Windows 10 Home 64bit
プロセッサ Core m3-6Y30(デュアルコア/900MHz~2.20GHz)
ディスプレイ 12.2型WUXGA(1920×1200)、タッチパネル、ペン対応
グラフィックス インテル HD グラフィックス 515
メモリ 4GB(DDR3)
ストレージ 128GB SSD(SATA/Kingston製)
無線機能 IEEE802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
バッテリ リチウムイオンバッテリー、駆動時間:約4.7時間
サイズ 305×210×10.5(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 本体:約935g、キーボード&専用ペン:約635g(いずれも公称値)
ソフトウェア マカフィー リブセーフ 12ヶ月版
主な付属品 クイックガイド、ACアダプター、専用キーボード+専用ペン、交換用ペン先×1
標準保証 1年間 持込修理保証
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2017年03月1日時点の情報に基付く内容となります。
Windows 10 Home、12.2型WUXGAのタッチパネル、Core m3-6Y30、メモリ4GB、128GB SSD、ac対応の無線LANという構成内容のモデルです。
基本的に主要な構成のカスタマイズは行えない製品ですが、メモリやストレージ容量違いのモデルが複数ラインアップされているため、用途に合ったものを選ぶとよいでしょう。
最大では8GBメモリ、256GB SSDと、タブレットでありながらノートPCと比較して遜色ない構成を選択できます。
【Diginnos DGM-S12Yで提供されているモデル】
Diginnos DGM-S12Y-4064 Core m3-6Y30 / 4GBメモリ / 64GB SSD
Diginnos DGM-S12Y-4128 Core m3-6Y30 / 4GBメモリ / 128GB SSD
Diginnos DGM-S12Y-8256 Core m3-6Y30 / 8GBメモリ / 256GB SSD
256GBという大容量ストレージが用意されてるのは嬉しいところです。
気になるのはお値段ですが、8GBメモリ、256GB SSDの構成を選んだとしても、79,800円(税別/2017年3月1日時点)とリーズナブル。価格を知って、ちょっと興味を持ったという方もおられるのではないでしょうか?
セキュリティソフト 12ヶ月版が標準付属している点も、お得感がありますね。
掲載モデルに搭載されている、ストレージの詳細を確認します。
SSDの仕様
ストレージの内訳
ユーザーが利用できる容量(128GB SSDの場合)
Kingston製の128GB SSDが搭載されていました。
初期時のCドライブの容量は118.69GB、ユーザーが利用できる容量は101GBと、まずまず余裕の残容量です。
数多くのアプリのインストールや、サイズの大きなファイルを扱うというのでなければ64GBでも十分だと思いますが、64GB SSDと128GB SSDのモデルとでは価格差は大きくはありません。
よほど予算に余裕がない場合を除き、とりあえず128GB SSD以上のモデルを選んでおいたほうが、今後も余裕を持って使えるのではないかと思います。
性能については、今回のモデルに搭載されていたSSDに関しては、一般的なノートPCに搭載されるようなSSDと変わらず高速でした。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているDiginnos DGM-S12Yで実施したベンチマークテストの結果です。
【CrystalDiskMark】
Ver.5を使用
【3DMark】
上からSky Diver、Fire Strike、Time Spyの実行結果
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左から640×480、1280×720、1920×1080/標準品質、ウィンドウモードで実行
【FINAL FANTASY XIV 蒼天のイシュガルド】
上から1280×720(DirectX 9/標準品質(ノートPC))
【Minecraft】
標準画質~画質をあげても快適に動作します(MODなし)
【CINEBENCH R15】
ゲームは、マインクラフトのような軽いもののみプレイできる、という感じの性能です。
ゲームはともかく、本製品くらいのパワーがあればネットや動画を閲覧したり、オフィスなどのビジネスアプリの利用、簡単な写真加工程度の作業であれば余裕で行えます。
SSDを搭載しているため、常にサクサクとした動作で快適に作業が行えるところが良いと思います。作業を行っていて、待たされるような場面が殆どありません。
選ぶモデルにより、メモリやストレージの容量には違いがあるものの、日常用途には快適に利用できる2in1ノートだと考えて良いでしょう。
消費電力・温度
Diginnos DGM-S12Yのアイドル時、ベンチマーク実行時(3DMark)の消費電力です。
画面の輝度は50%に設定、キーボードを装着した状態で測定しています。(以降、全てこの設定)
アイドル時 ・・・ 7W
ベンチマーク実行時 ・・・ 18W
※実際の値は若干上下します
アイドル時はもちろんですが、特にベンチマーク実行時の消費電力が低いです。
アイドル時、高負荷時(3DMarkのFire Strikeを20分以上実行)のパーツ温度を測定してみました。
高負荷時、CPU温度がやや上がりやすいようです。
ただ、この製品を使って日常的に重いゲームで遊ぶようなことはないと思われ、あまり気にしなくてよいでしょう。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
Diginnos DGM-S12Yの再起動時間を測定してみました。
以下、PassMark Rebooterの実行結果です。
1回目 0:42
2回目 0:40
3回目 0:40
4回目 0:40
5回目 0:40
6回目 0:41
7回目 0:40
8回目 0:40
9回目 0:40
10回目 0:40
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 40秒
Diginnos DGM-S12Yの再起動時間は 約40秒。
SSDを搭載しているため、非常に高速です。
SSD搭載・・とはいっても、利用するPCによって再起動にかかる時間には随分と差があるのですが、その中でも特に高速な結果でした。ただし、販売モデルで同じような結果が出るとは限りません。
バッテリ駆動時間
bbenchを利用し、Diginnos DGM-S12Yのバッテリ駆動時間を測定。
設定はストロークの実行が10秒毎、無線LAN利用によるネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が60秒毎に実行されるという内容です。
バッテリの電力が100%から5%に減少するまでの時間は22021秒。
約6.1(6.1169444444444…)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
上記はかなり軽めの作業を行った場合の駆動時間で、負荷をかけた使い方をすれば、さらにバッテリ駆動時間は短くなるものと思われます。
バッテリの持ちはまずまず、といった感じでしょうか。長時間のモバイルに耐えられるほどではありませんが、外出時にある程度まとまった作業を行えるくらいの余裕はあるでしょう。
Diginnos DGM-S12Y まとめ
Diginnos DGM-S12Yのレビューは以上となります。
12.2型で1920×1200ドットの液晶を持つタブレットに、脱着式のキーボードカバーやデジタイザペンが標準付属した2in1ノートです。
負荷のかかる用途には向きませんが、Core m3-6Y30を搭載しており、日常的な用途への利用には十分な性能を持ちあわせたモデルだといえるでしょう。
メモリは最大8GBまで、ストレージには最大256GB SSDを搭載したモデルを選べるなど、タブレットというよりはノートPCに近い構成を持つ製品ですね。容量不足で悩む事もないですし、性能に関しても申し分ありません。
一般的にみて、本製品のような類の2in1ノートは価格が高いことが殆ど。
であるのにもかかわらず、キーボードカバーやデジタイザペン付属で税抜6万円台~(2017年3月1日時点)という価格を実現しているところには、正直驚かされます。キーボードカバーやデジタイザペンなしだったら、この価格設定もありだという感覚でしょうか。
タブレット+キーボード&ペンのフルセットで持つとそれなりに重さになるため、軽くしたければタブレットのみで持つなどの工夫は必要ですが、使いやすく容量も十分に備えたペン付きの2in1ノートとしては、非常にコストパフォーマンスに優れた製品です。
高性能な2in1ノート、もしくはモバイルノートPCが欲しい方、またペン付きのタブレットを使ってみたいけれど価格が気になる・・なんて方には、うってつけの製品だといえるでしょう。