HP Pavilion Mini 300-100jp レビュー 手のひらにも乗る超小型PC!Core i5搭載モデルの性能検証
HPが販売するデスクトップPC、HP Pavilion Mini 300-100jpのレビューです。
HP Pavilion Mini 300-100jpは、手のひらにも乗るほどのコンパクトサイズを実現した超小型のデスクトップPC。
以前、HP Stream Mini 200という小型PCをご紹介しましたが、HP Stream MiniがCeleronや32GB SSDという構成内容であるのに対し、HP Pavilion Mini 300-100jpはCore i3やCore i5、500GB~1TB HDDを搭載するやや高性能な内容のモデルとなります。
価格はHP Stream Miniに比べると少し高めですが、HP Stream Miniにはないパワーや容量を持ち合わせており、サイズからは想像できない快適な使い心地を実現しています。
小型サイズのPCが欲しいけれど、パフォーマンスや容量も必要だという方向けの製品です。デザインも洗練されており、インテリアとの調和を気にされるような方にも自信を持っておすすめできます。
今回は、そんなHP Pavilion Mini 300-100jpの外観や性能について詳しく触れたいと思います。
【HP Pavilion Mini 300-100jp レビュー記事目次】
・HP Pavilion Mini 300-100jp 筺体外観・内部構造をチェック
(筺体外観 / 筺体内部の構造 / 同梱のワイヤレスキーボード&マウス)
・構成特徴とベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動時間)
・標準搭載されているソフトウェアの内容
(プリインストール・ソフトウェアの内容)
・製品レビューのまとめ
(HP Pavilion Mini 300シリーズ まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP Pavilion Mini 300-100jp 筐体外観・インターフェース
まず、HP Pavilion Mini 300-100jpの外観やインターフェースの内容を確認します。
サイズは幅約145mm、奥行き146mm、高さ53mmと、以前掲載したHP Stream Miniと全く同じですが、HP Pavilion Mini 300-100jpにはHDDが搭載されているため、重量が約640gと少しだけ重いです(HP Stream Miniは約550g)。
といっても、非常に軽量です。
サイズも小さく、机の上はもちろん棚やリビングボードの中など、好みの場所に設置する事ができます。
このサイズの小型PCというとNUCが思い浮かびますが、NUCはいかにも機械といった感じの外観であるのに対し、HP Pavilion Mini 300-100jpはデザイン・形状共にお洒落であるため、人目に付く場所に置いてもインテリアにきれいになじんでくれます。
手のひらにも余裕で乗るサイズ・重量
筺体上部にはややシルバーがかった透明感のある素材が用いられている
筺体上部中央には鏡面仕上げのHPロゴ
とても質感の高い、美しい筐体です。
側面には真っ白なブリザードホワイトのカラーが、天面にはやや透明感のあるシルバーカラーが採用されており、コバルトブルーのHP Stream Miniに比べると全体的にシックなイメージです。
コバルトブルーのHP Stream Miniもとても綺麗な製品ですが、インテリアにより合わせやすいのはこのHP Pavilion Mini 300-100jpかなと思います。
筺体側面に配置されている、インターフェースの内容を確認します。
筺体前面。
中央付近にUSB3.0が2基、右側に電源ボタンが並びます。
USB端子の左隣にはサウンドのB&Oのロゴ。
左側面には何もなし、右側面にはSDカードスロットを搭載しています。
背面。
左からセキュリティロックケーブル用のスロット、ヘッドフォン出力とマイク入力のコンボポート、LAN、USB3.0×2、HDMI、DisplayPort、電源コネクターが並びます。
USBは4系統(しかも3.0)、映像出力は2系統、有線LAN搭載と十分な内容です。
2画面出力に対応しているだけでなく、4K出力に対応するなど様々な環境で利用する事ができます。
Pavilion Mini 300の本体と付属の電源アダプター&ケーブル
電源アダプターのコネクターの形状はミッキータイプ、仕様は19.5V、2.31Aで45W
筺体内部の構造をチェック
次に、HP Pavilion Mini 300-100jpの筐体内部へのアクセス方法を解説すると共に、内部の構造をチェックします。
筺体底面。
一面にゴムでできた黒いカバーがかぶせられています。
底面のゴムカバーを開くと見える、3つのネジを取り外します。
なお、ゴムカバーは完全に取れないようになっていますので、勢いよく引っ張って破いたりしないようにご注意ください。
ネジを外したら、底面カバー全体を持ち上げて取り外します。
写真一番上(底面側にあたる)に、HDDが搭載されているのが見えます。
4か所にあるネジを緩めてHDDをベイごと取り去ると、その他のパーツへアクセスする事ができます。
HDDに接続されているケーブルをむやみに引っ張らないよう、ご注意ください。
メモリスロットは2基。
本製品ではメモリ4GB、もしくはメモリ8GBの構成が提供されていますが、最大では16GBまで増設する事が可能です
M.2スロットが2基備えられているのが見えます。
左側には無線LANカードが取り付けられており、右側のスロットは空。
M.2 SSDなどを取り付ける事が可能です。(SATA)
ワイヤレスキーボードやマウスを同梱
HP Pavilion Mini 300-100jpには、標準でワイヤレスキーボードやワイヤレスマウスが同梱されます。
通常、HPのデスクトップPCにはUSBタイプのキーボードやマウスが標準同梱され、ワイヤレスタイプは有料での選択となっている事が多いのですが、本製品にはワイヤレスタイプのキーボードやマウスが標準で付属します。
同梱されるワイヤレスキーボード&マウスは、HPの他の個人向けデスクトップPCで選択できるものと同じであるため、ワイヤレスキーボード&マウスの詳細については、以前掲載した他製品の記事をご参照ください。(HP ENVY 750-070jp/CTのワイヤレスキーボード・マウス)
同梱のワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウス
共通のUSBレシーバーを利用してPCに接続する
HP Pavilion Mini 300シリーズ 構成内容とその特徴について
まず、掲載している HP Pavilion Mini 300の構成内容と特徴について解説します。
【CPU-Z】
【HP Pavilion Mini 300-150jp パフォーマンスモデル の主な構成】
OS Windows 8.1 Update 64bit
プロセッサ Core i5-5200U(2.20GHz/TB時最大2.70GHz)
グラフィックス インテル HD グラフィックス 5500
メモリ 8GB(8GB×1/PC3L-12800/2スロット/最大16GB)
ストレージ 1TB HDD(HGST製/5400rpm)
無線機能 IEEE802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
拡張ベイ 2.5インチ×1
拡張スロット M.2 (SATA) Type2242 / KeyB ×1、M.2 (PCI Express) Type1630 / KeyE ×1
電源アダプター 45W
ケース ミニPC
サイズ 145×146×53(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約640g
キーボード・マウス ワイヤレス日本語キーボード&ワイヤレス光学スクロールマウス
カラー ブリザードホワイト
保証 1年間 (引き取り修理サービス、パーツ保証)、使い方サポート1年間
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2015年08月12日時点の情報です。
Windows 8.1、Core i5-5200U、メモリ8GB、1TB HDDを搭載する上位のパフォーマンスモデルの構成です。
CPUこそ語尾にUのつく超低電圧版ですが、そこそこ高性能だと思われる内容のマシンで、軽い用途からやや負荷がかかる程度の用途であれば快適に利用する事ができるでしょう。
主要なパーツのカスタマイズは行えませんが、このままでも十分便利に使える構成です。
大抵の場合、デスクトップPCだと無線LANはオプションでの搭載となりますが、本製品は標準で無縁LANを搭載。加えて、ワイヤレスキーボードやワイヤレスマウスを標準で同梱するなど、すっきりとしたPC環境で作業をしたい方向けの構成内容となっています。
パフォーマンスモデルの基本価格は¥89,800(税抜)~。
格安の HP Stream Mini 200 に比べると少し高く感じてしまいますが、HP Stream Mini 200が安すぎるのであって、製品の内容を考えれば相応の価格かなと思います。
一方で、下位のスタンダードモデルについては、Core i3-5005U、メモリ4GB、500GB HDDと少し抑えた構成内容となっており、価格は¥69,800(税抜)~。
出来るだけ価格の安い小型PCを・・という方にはHP Stream Mini 200は魅力の大きい製品ですが、HP Stream Mini 200と 今回のHP Pavilion Mini 300では CPUの性能に結構差があるため、PCを色々な用途に利用したいという方や、PC初心者には HP Pavilion Mini 300の方が扱いやすくお勧めです。
搭載されているストレージの内容を確認します。
HDDの仕様
ディスクの内訳
HDDにはHGST製の「HTS541010A9E680」という1TB HDD(5400rpm)が搭載されていました。9.5mm厚のディスクです。
速度はHDDなりで、体感でもそれ程早くはないけれど遅くもないという感じでしょうか。
普段からSSD搭載のPCを利用されている場合、少し遅いと感じるかもしれませんが、容量には余裕がありソフトの導入やファイルの保存等、扱いやすいディスクです。
本製品で提供されているのは、この1TB HDDと下位モデルで提供されている500GB HDDのみ。
SSDの構成はありませんが、ある程度のスキルのある方ならM.2 SSDの追加や、HDD→SSDへの換装など色々工夫はできると思います。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載している HP Pavilion Mini 300で実施したベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 7.3
メモリ 7.3
グラフィックス 4.6
ゲーム用グラフィックス 5.1
プライマリ ハードディスク 5.9
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 102.5 / 102.5
512K 0.991 / 1.097
4K 104.4 / 103.8
4K QD32 0.442 / 1.125
数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
実行したテストの結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 41853
Cloud Gate・・・ 4504
Sky Diver・・・ 2496
Fire Strike・・・ 603
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
1280×720 ・・・ 2022~2053
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
1280×720(描画設定3) ・・・ 1189
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
1280×720 ・・・ SCORE:1328 / RANK:C
【FINAL FANTASY XIV】
新生エオルゼア キャラクター編
蒼天のイシュガルド(DirectX 9)
【新生エオルゼア】
1280×720(標準品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:2710 / 評価:やや快適
1920×1080(標準品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:1414 / 評価:設定変更が必要
【蒼天のイシュガルド(DirectX 9)】
1280×720(標準品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:2565 / 評価:やや快適
1920×1080(標準品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:1413 / 評価:設定変更が必要
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
1280×720(低品質) ・・・ スコア:5103 / 評価:快適
1920×1080(最高品質) ・・・ スコア:2683 / 評価:やや重い
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 23.47fps
CPU ・・・ 256cb
Minecraft MODなしで、デフォルト設定~やや設定を高めても快適に動作
Minecraft実行時のCPU使用率 簡単な作業(ブロックを崩したり配置したり)では大体30%台~55%台
構成から考えても想像できるように、結構性能は高め。
Core i5といっても語尾にU付きの低電圧版CPUであるため、デスクトップというよりはノートPC寄りのパフォーマンスですが、これだけの性能があれば軽い用途にはもちろん、簡単な写真編集など少々負荷がかかる用途にも利用できます。
専ら行うのが軽い作業のみというのなら、下位のCore i3搭載モデルの選択でもよいと思います。
消費電力・温度
HP Pavilion Mini 300 の消費電力を測定してみました。
以下はアイドル時、およびベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力値です。
アイドル時 ・・・ 8W
ベンチマーク実行時 ・・・ 27W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
ノートPC並の消費電力値です。
ただし、上記の数値には液晶の消費電力は含まれていません。
続いて、HP Pavilion Mini 300 の筐体内パーツの温度を測定してみました。
以下はアイドル時、ベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度です。
負荷の高い状態が続くとCPUは70度を超えるものの、高温という程までにはならないようです。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、HP Pavilion Mini 300 の再起動時間を測定。
以下は10回の再起動時間とその平均値です。
1回目 1:34
2回目 1:14
3回目 1:10
4回目 1:09
5回目 1:10
6回目 1:29
7回目 1:28
8回目 0:51
9回目 0:50
10回目 0:52
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 1分12秒
HP Pavilion Mini 300の平均的な再起動時間は1分12秒。
HDDを搭載するPCでは再起動に1分~1分半程度かかるものが多く、比較すると掲載製品の再起動時間は、HDD搭載のPCとしては平均的だと言えます。
プリインストール・ソフトウェアの内容
HP Pavilion Mini 300に標準搭載されているソフトウェアの内容を、簡単にご紹介します。
購入時期やカスタマイズオプションの選択内容などにより、以下に掲載の内容とは異なる可能性がありますのでご注意ください。
搭載ソフトの内容は、上記の「アプリ一覧画面」のとおり。
特徴的なものを上げると、まずHP製のソフトウェアについてはPCの総合管理を行う「HP Support Assistant」、シリアルナンバーなどのPCの情報を表示する「HP Support infomation」、ユーザガイドを参照できる「HP Documentation」、バックアップやリカバリの管理ツール「HP Recovery Manager」、ログオン管理の「HP SimplePass」、オーディオユーティリティ「B&O Play」といったソフトが搭載されていました。
さらにCyberLink製のソフトについては、再生ソフトの「Power Media Player」、写真編集ソフトの「PhotoDirector」、動画編集ソフトの「PowerDirector」、バックアップソフトの「PowerBackup」、ライティングソフトの「Power2Go」等が搭載。
その他、圧縮解凍の「7-Zip」や、PDFの閲覧・編集ソフト「Foxit PhantomPDF」、セキュリティソフトの「マカフィーリブセーフ」の搭載に加え、Dropbox 25GBを6か月無料で利用できる特典が付属するという内容でした。
一通りのソフトウェアが搭載されており、標準ソフトのみで様々な作業を行う事が可能となっています。
なお、本製品には光学ドライブが搭載されていませんので、DVDなどのメディアを利用する場合、外付けの光学ドライブが必要となります。
お持ちでない場合は、製品購入時のカスタマイズでも購入可能です。
HP Recovery Manager リカバリやバックアップ作業の実行や管理
B&O Play オーディオ関連のユーティリティ
Dropbox 25GBを6か月無料で利用可能となる特典が付属(記事作成時点)
HP Pavilion Mini 300シリーズ まとめ
HP Pavilion Mini 300シリーズのレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・手のひらサイズのコンパクト筐体を採用
・インテリアにもなじみやすい洗練されたデザイン
・CPUはCore i3、Core i5とHPのミニPCの中では性能が高い
・余裕のストレージ容量(500GB~1TB HDD)
・メンテナンス性に優れている
・ワイヤレスキーボードやワイヤレスマウスが標準付属
手のひらにも乗る、非常にコンパクトなサイズの小型デスクトップPCです。
小型PC自体は今となっては珍しくはありませんが、HP Pavilion Mini 300シリーズの筐体は外観が非常に洗練されており、PCというよりはインテリアアイテムのよう。趣味合わないものを持ちたくないという方や、インテリアとの調和を気にするようなデザイン重視の方にも納得頂ける製品だと思います。
性能については、以前ご紹介した小型PC「HP Stream Mini 200」と比較してCPUやメモリのスペックが高く、ストレージの容量にもかなり余裕がある為、HP Stream Miniよりも使い勝手が良いです。
価格はHP Stream Miniに比べると高めですが、それだけの性能と扱いやすさを持ったマシンだと言えます。
Windowsタブレットの様なスペックではなく、性能や容量にもある程度余裕のある超小型のPCが欲しいという方、部屋にPCを置く場所がないという方、センスの良いPCが欲しいという方に向く製品です。
特にPC初心者には、HP Stream Miniよりも HP Pavilion Mini 300の方をおすすめいたします。