m-Book P シリーズのベンチマーク結果 GTX 970MやM.2 SSDを搭載するハイエンドノートの性能をチェック
前記事(m-Book P シリーズ レビュー IGZO液晶も選べるGTX970M搭載15.6型ノート)に続き、今回はm-Book P シリーズの構成と性能面について。
掲載しているのはOSにWindows 8.1、CPUにCore i7-4710HQ、メモリ32GB、GeForce GTX 970M(3GB)、ストレージには256GBのM.2 SSDと2TB HDDを搭載するという豪華な構成のモデル。
CPUやグラフィックスの性能が高い事はもちろん、M.2 SSDの搭載で起動や処理も非常に高速であるなど、まず不満を感じる事はないだろうと思われるくらい高い性能を持ち合わせたマシンです。
今回は、上記構成のm-Book P シリーズの特徴や実際の性能面について、詳しく触れてみたいと思います。
【m-Book P シリーズ レビュー記事目次】
・m-Book P シリーズ 筐体外観や使用感・液晶など
(外観・インターフェース / キーボードの操作性 / 液晶の見やすさ・品質)
・m-Book P シリーズの構成特徴とベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間 / バッテリ駆動時間)
・標準搭載されているソフトウェアの内容
(プリインストール・ソフトウェアの内容 / FLEXIKEYを搭載)
・製品のまとめ
(m-Book P シリーズ まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
m-Book P シリーズ 構成内容とその特徴
まず、掲載しているm-Book P シリーズの構成とその特徴について解説します。
以下はCPU-ZやGPU-Zの実行結果と、掲載モデルの構成内容です。
【CPU-Z】
メモリは上記モデルを4基搭載
【GPU-Z】
【m-Book P シリーズ(MB-P930X2-SH) の主な構成】
OS Windows 8.1 Update 64bit
プロセッサ Core i7-4710HQ(2.50GHz/TB時最大3.50GHz)
チップセット インテル HM87 Express
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX970M(3GB)/HD グラフィックス 4600
メモリ 32GB(8GB×4/PC3-12800 DDR3L SODIMM/最大32GB/スロット数4)
ストレージ 256GB SSD(PLEXTOR製/M.2規格 PCI Express接続)+ 2TB HDD(Seagate製/5400rpm)
ディスプレイ 15.6型クアッドフルHD(3,840×2,160)IGZO液晶、IPS、光沢
無線機能 IEEE 802.11 b/g/n、Bluetooth v4.0
バッテリ 公称の駆動時間:約4.7時間
サイズ 385×375×27(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.5kg
保証 1年間無償保証・24時間×365日電話サポート
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2015年02月02日時点のものです。
Windows 8.1、Core i7-4710HQ、メモリ32GB、GeForce GTX970M(3GB)、256GB SSD&2TB HDDを搭載するという非常に豪華な構成を持つモデルです。
現在販売されている「MB-P930X-SH」というモデルのメモリやストレージを若干カスタマイズすると、上記とほぼ同じ構成内容となります。
GeForce GTX970M(3GB)は標準、また大容量メモリやM.2規格のSSDを搭載するなど、内容が内容ですのでお値段は20万円以上と決して安価ではありませんが、予算に余裕があれば是非とも選択したい構成だと思います。
最小構成では139,800円 (税別/2015年2月2日時点)から購入する事が可能です。
なお、いずれのモデルにも光学ドライブは搭載されていませんので、光学ドライブが必要だという方はご注意ください。個人的には、光学ドライブはあまり使わないので外付けで十分という考えですが、DVDやブルーレイなどで頻繁に利用される場合、ないとちょっと不便かもしれません。
あと、より性能に拘りたいという方は、デスクトップ向けのCPUやGTX970M(6GB)を搭載するm-Book G シリーズという面白いモデルも存在しますので、あわせてご検討下さい。ただし、液晶はフルHDのみとなります。
搭載されているストレージの内容を詳しく見てみます。
SSDの詳細
HDDの詳細
ディスクの内訳
SSDにはPlextor M6eシリーズの「PX-G256M6e」という256GB M.2 SSDが、HDDにはSeagate製の「ST2000LM003」という2TB、9.5mm厚のHDDが搭載されていました。
M.2 SSDはPCI Express接続対応のモデルで、いうまでもなく非常に高速。本製品ではSATA接続のSSDも選択できますが、速度に拘るのならぜひこちらを選択したい所です。
他、Western Digital製のWD Black2デュアルドライブ(120GBのSSDと1TBのHDD)を搭載した構成なども選択可能です。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているm-Book P シリーズで行ったベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 8.2
メモリ 8.2
グラフィックス 5.9
ゲーム用グラフィックス 5.6
プライマリ ハードディスク 8.35
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 680.0 / 566.0
512K 486.5 / 536.3
4K 25.98 / 61.77
4K QD32 326.3 / 282.7
数値は左がRead、右がWrite/上記はランダムの値
【3DMark】
3DMark 各テストのスコア
Fire Strikeのスコア詳細
Ice Storm・・・ 70882
Cloud Gate・・・ 19803
Sky Diver・・・ 18044
Fire Strike・・・ 6517
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
左:1360×768 / 中央:1920×1080 / 右:3840×2160
1360×768 ・・・ 28006~28084
1920×1080 ・・・ 16008~16044
3840×2160 ・・・ 4513~4522
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
左:1360×768 / 中央:1920×1080 / 右:1920×1080(最高画質)
1360×768(描画設定3) ・・・ 55208
1920×1080(描画設定3) ・・・ 42566
1920×1080(描画設定5) ・・・ 23747
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
左:1360×768 / 中央:1920×1080 / 右:3840×2160
1360×768 ・・・ SCORE:16306 / RANK:S
1920×1080 ・・・ SCORE:11325 / RANK:S
3840×2160 ・・・ SCORE:3696 / RANK:B
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア キャラクター編】
上:1360×768 / 中央:1920×1080 / 下:3840×2160(高品質/ノートPC)
上:1920×1080 / 下:3840×2160(最高品質)
【高品質/ノートPC】
1360×768 ・・・ SCORE:16564 / 評価:非常に快適
1920×1080 ・・・ SCORE:11916 / 評価:非常に快適
3840×2160 ・・・ SCORE:3814 / 評価:快適
【最高品質】
1920×1080 ・・・ SCORE:9301 / 評価:非常に快適
3840×2160 ・・・ SCORE:2848 / 評価:やや快適
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左:1280×720 / 中央:1920×1080 / 右:1920×1080(最高品質)
1280×720(標準品質) ・・・ スコア:16087 / 評価:すごく快適
1920×1080(標準品質) ・・・ スコア:15521 / 評価:すごく快適
1920×1080(最高品質) ・・・ スコア:15070 / 評価:すごく快適
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 69.77fps
CPU ・・・ 447cb
いずれのテストも非常に高スコアです。
3840×2160ドットの高解像度設定の場合、フルHD設定時などと比べるとスコアは落ちますが、それでも快適という結果のゲームが殆どであり、高解像度液晶でゲームをしたいというユーザーにも対応できる性能を持っていると言えます。
特に購入するPCの構成は決めていないけれど、様々なゲームをするというのなら選んでおいて損はない製品です。
消費電力・温度
m-Book P シリーズの消費電力を測定してみました。
以下はアイドル時、ベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力測定結果です。
液晶の輝度は60%程度に設定。
アイドル時 ・・・ 18W
ベンチマーク実行時 ・・・ 138W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
アイドル時はそうでもありませんが、ベンチマーク実行時の消費電力は高いです。
次に、筐体内のパーツ温度について。
以下はアイドル時、ベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度です。
軽く暖房をかけた室内で測定しています。
低くはないですが、高すぎる事もない温度です。
高性能なモデルですが、冷却性能は高いと思います。
さらに、高負荷時のキーボード表面の温度を測定してみました。
キーボード中央付近がやや温かくなりますが、パームレスト付近の温度は低く、キーボード入力などの操作は比較的快適に行えました。
なお、各テスト共、測定環境によっては上記とは異なる結果が出る可能性があります。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、m-Book P シリーズの再起動にかかる時間を測定。
以下は10回の再起動時間測定結果と、その平均値です。
1回目 0:37
2回目 0:35
3回目 0:35
4回目 0:35
5回目 0:35
6回目 0:35
7回目 0:35
8回目 0:35
9回目 0:36
10回目 0:35
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 35秒
m-Book P シリーズの再起動にかかる時間は平均で35秒。
SSDを搭載するPCの再起動時間がおよそ30~40秒程度だという事を考えると、本製品の再起動にかかる時間は、SSD搭載のPCとしては標準的だと言えるでしょう。
非常に高速です。
バッテリ駆動時間
m-Book P シリーズのバッテリ駆動時間を測定しました。
測定に使用したソフトはbbenchで、設定はストロークの実行が60秒毎に、無線LANによるインターネットへのアクセス(ブラウザで新規ページを開く)が10秒毎に行われるという内容で、画面の輝度は50%に設定しています。
バッテリの残量が100%から5%に減少するまでの時間は13297秒。
約3.7(3.69361111…)時間もの間、バッテリ駆動が可能という結果です。
最近のノートにしてはバッテリの持ちは短めですが、構成相応だと言えるでしょう。持ち歩くようなノートではないため、特に問題はないと思います。
プリインストール・ソフトウェアの内容
m-Book P シリーズにプリインストールされているソフトウェアの内容をご紹介します。
以下はデスクトップやスタート画面、アプリ一覧画面の内容です。
製品の購入時期や、購入時のカスタマイズ内容によっては以下とは異なる可能性がある為、搭載ソフトの一例としてご覧ください。
ソフトウェアはWindows 8.1標準のソフトに加え、グラフィックの設定などを行う「NVIDIAコントロールパネル」や「NVIDIA GeForce Experience」、既存のゲームサウンドの3Dサラウンドサウンドを有効にする「Creative ALchemy」やサウンドユーティリティ「Sound Blaster X-Fi MB3」、PCの様々なシステム設定を一括で行える「Control Center」、キー入力の割り当てを設定できる「FLEXIKEY」、セキュリティソフトの「マカフィー インターネットセキュリティ」などが搭載されるという内容です。
加えてストアアプリとして「hulu」や「NAVITIME」、「ムビチケ」など標準ではないアプリがいくつか搭載される他、オンラインストレージAOSBOX Coolを90日間無料で利用できる特典等も付属(期間限定)していました。
m-Book P シリーズには光学ドライブがない為、再生ソフトなどは付属されません。
プリインストールソフトは以上で、製品購入時のオプションとしてAdobe製の写真・動画編集ソフトや、MicrosoftやKINGSOFT製のOffice、パソコン引越しソフト、マカフィー・インターネットセキュリティの長期版などを追加する事が可能。
利用するソフトがあるのなら、製品購入時に追加しておくと良いでしょう。
なお、「FLEXIKEY」については後の項で詳しく解説します。
AOSBOX for mouse オンラインストレージサービスAOSBOX Coolを90日間無償で利用できる
Sound Blaster X-Fi MB3 サウンドユーティリティ
Control Center
Control Centerはファンの速度や画面の輝度、デバイス設定他、様々な設定を場面に応じて一括切替する事ができるソフトウェア。
ゲーム時は最大パフォーマンスに、ネット閲覧時は省電力設定に・・といった具合に、用途に応じて設定を切り替えたい方に便利なツールです。
Control Center(デバイス設定) キーボードバックライトやタッチパッド等の設定を行える
Control Center(ゲーミング設定) Windowsキーの有効無効設定などが行える
FLEXIKEYを搭載 キー入力の割り当てを設定できるソフトウェア
m-Book P シリーズには「FLEXIKEY」という、キー入力の割り当てを設定できるソフトウェアが搭載されています。
ゲーム向けのキーボードに搭載される事の多い、「プログラマブルキー」と同等の機能を実現するソフトだと考えて良いでしょう。
例えばゲームをする場合、毎回特定のアプリケーションを起動したり、キャラクターの操作を行うために特定の組み合わせのキー入力を繰り返し行うなど、同じ動作を繰り返す事が多いですが、「FLEXIKEY」ではそういった操作を単一のキーに割り当て、保存しておく事ができます。
最大12プロファイルまで登録する事ができるため、複数のゲームをプレイするようなユーザーにも便利です。
FLEXIKEY 作成したプロファイルはエクスポート、もしくはインポートする事が可能
特定のキーに複数のキー操作を割り当てられるほか、アプリケーションの起動やテキスト入力なども割り当て可
キーボードと同様、マウスにも複数のキー操作やアプリケーションの起動、テキスト入力等を割り当てられる
m-Book P シリーズ まとめ
m-Book P シリーズのレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・GeForce GTX970M(3GB)を標準搭載
・フルHDの他 クアッドフルHDのIGZO液晶を選択できる
・PCI Express接続のM.2 SSDや、WD Black2デュアルドライブを選択できる
・厚み27mm、約2.5kgのスリム&軽量な筐体を採用
・各種の設定を行える「Control Center」や「FLEXIKEY」を搭載
GeForce GTX970M(3GB)を標準で搭載するハイスペックな15.6型ノートです。
メモリは最大32GBまで、またストレージの構成も豊富である他、液晶にはフルHDやクアッドフルHD(3,840×2,160)のIGZO液晶を搭載できるようになっており、業務にも使える高性能な15.6型ノートをお探しの方にはもちろん、超高解像度な環境でゲームをプレイしたいという方にも向くマシンです。
「Control Center」や「FLEXIKEY」といった便利なソフトウェアが標準で搭載されているという点も、特にゲームユーザーには魅力の大きい要素。ややコンパクトでスタイリッシュな筺体も、扱いやすいという点で良いです。
光学ドライブが搭載されていないため、頻繁に光学ドライブを利用するという方にはやや不便かもしれませんが、個人的にはさほど大きな問題ではないと思います。
m-Book P シリーズには今回掲載した以外にも様々な構成が提供されていますので、ゲームをはじめ、写真や動画の編集も余裕で行える4K液晶搭載のノートPCをお探しの方は、是非製品ページをチェックしてみて下さい。