HP Pavilion 500-430jpのベンチマーク結果 A8-7600&Radeon R7 グラフィックスの性能をチェック
前記事(HP Pavilion 500-430jp レビュー(2014冬) AMD APU搭載の低価格デスクトップPC)に続き、今回はHP Pavilion 500-430jpの構成や実際の性能面について。
HP Pavilion 500-430jpは、プロセッサにAMD APUを採用するデスクトップPC。
掲載モデルはWindows 8.1やAMD A8-7600 APU、メモリ8GB、500GB HDDという構成内容を持つモデルで、外付けのグラフィックカードはなし。シンプルな構成だけにお値段もリーズナブルと、安くて程々に性能の高いPCをお探しの方に向くマシンです。
今回は、そんな HP Pavilion 500-430jpの性能面について詳しく検証を行ってみました。
製品購入時の構成選択の参考として、また内蔵グラフィックス利用の構成でどの程度のパフォーマンスが出せるのか?といった部分に興味をお持ちの方は、是非記事に目を通してみてください。
【HP Pavilion 500-430jp レビュー記事目次】
・HP Pavilion 500-430jp 筐体や内部の構造・付属品をチェック
(筐体外観・インターフェース / 筐体内部構造 / ワイヤレスキーボード・マウス)
・構成内容や特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間)
・標準搭載ソフトウェアの内容をチェック
(プリインストールされているソフトウェアの内容)
・製品のまとめ
(HP Pavilion 500-430jp まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
HP Pavilion 500-430jp 主な構成内容とその特徴について
まず、掲載している HP Pavilion 500-430jpの主な構成とその特徴について解説します。
以下はCPU-ZやGPU-Zの実行結果と、本製品の構成内容です。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【HP ENVY 500-430jp/CT の主な構成】
OS Windows 8.1 64bit
プロセッサ AMD A8-7600 APU(3.10GHz/最大3.80GHz)
チップセット AMD A78 FCH チップセット
グラフィックス AMD Radeon R7 グラフィックス(APU内蔵)
メモリ 8GB(4GB×2/PC3-12800(1600MHz)/4スロット/最大32GB)
ストレージ 500GB HDD(7200rpm/Western Digital製)
光学ドライブ1 DVDスーパーマルチドライブ
TVチューナー なし
無線機能 なし
拡張ベイ 5.25インチ×1、3.5インチ×1
拡張スロット PCI Express x16×1、PCI Express x1×3、PCI Express Mini Card ×1
電源 300W
サイズ 175×390×368(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約6.8kg
保証 1年間保証
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2014年11月25日時点のものです。
掲載モデルの構成は上記のとおり。
プロセッサにAMD A8-7600 APUを搭載するという構成のマシンです。
今回のモデルはAPU内蔵のグラフィックスを利用する構成で、ゲームのような負荷の高い用途にはあまり向きませんが、外付けのグラフィクカード「Radeon R7 240」の選択も可能となるなど、軽いゲーム向けの構成も提供されています。
プロセッサに関しては上記の他にAMD A6-7400KやAMD A10-7800の選択も可能、またメモリは最大32GBまで、HDDは最大3TBまで選択できるなど、ENVY 700などの上位シリーズに比べると拡張性は劣るものの、とりあえず一通りのカスタマイズが行えるようになっています。
性能に関係する以外の所では、TVチューナーの内蔵や無線LANの内蔵なども選択可能となるなど、日常向けのPCとしては利用しやすい内容です。
価格もAMDのアーキテクチャを採用するだけあって安く、安価なPCをお探しの方にお勧めのデスクトップPCだと言えるでしょう。
ただ、本製品はHDDベイが1基しか提供されていないため、複数台ディスクを搭載したい場合は、上位モデルを選択した方が良いかもしれません。
搭載されているストレージの内容を確認します。
HDDの詳細
ディスクの内訳
ストレージにはWestern Digital製の「WD5000AAKX-60U6AA0」という、回転数7200rpmの 500GB HDDが搭載されていました。
500GBのHDDは、HP Pavilion 500-430jpで提供されている中では最小構成に当たるディスク。実際に利用してみた感触は、良くも悪くもないといった感じの性能であり、SSDの速度に慣れているような方にはやや遅く感じられると思います。
上記の他に、1TB、2TB、3TBのHDDを選択可能(メーカーは不明)。
HDDベイが1基しかない関係か SSDの選択肢はありませんが、容量面における選択の自由度は高いです。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載しているHP ENVY 500-430jpで実施したベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 7.6
メモリ 7.6
グラフィックス 5.5
ゲーム用グラフィックス 5.7
プライマリ ハードディスク 5.9
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 120.1 / 120.7
512K 41.63 / 60.36
4K 0.555 / 1.112
4K QD32 1.029 / 1.149
数値は左がRead、右がWrite/上記はランダムの値
【3DMark】
全テストの結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 31308
Cloud Gate・・・ 5525
Sky Diver・・・ 4155
Fire Strike・・・ 1156
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
左:1280×720 / 右:1920×1080
1280×720 ・・・ 4326~4346
1920×1080 ・・・ 2356~2360
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
左:1360×768 / 右:1920×1080
1360×768(描画設定3) ・・・ 3755
1920×1080(描画設定3) ・・・ 1697
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
左:1280×720 / 右:1920×1080
1280×720 ・・・ SCORE:2777 / RANK:C
1920×1080 ・・・ SCORE:1625 / RANK:C
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア キャラクター編】
キャラクター編 左:1360×768 / 右:1920×1080(高品質)
1360×768(高品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:2462 / 評価:普通
1920×1080(高品質/デスクトップPC) ・・・ SCORE:1424 / 評価:設定変更が必要
【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】
左:1280×720 / 中央:1920×1080 / 右:1920×1080(最高品質)
1280×720(標準品質) ・・・ スコア:6886 / 評価:快適
1920×1080(標準品質) ・・・ スコア:5453 / 評価:快適
1920×1080(最高品質) ・・・ スコア:4244 / 評価:普通
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 32.51fps
CPU ・・・ 2.74pts
内蔵のグラフィックスを利用する構成であるため、負荷の高いゲームの実行はやや難がありますが、画質を下げればプレイ可能だと思われるものも少なくはなく、製品の価格や構成から考えると性能は比較的高いと言えます。
ゲーム用途にも利用したいのであれば、Radeon R7 240を追加すると良いでしょう。今Radeon R7 240を選択すると(2014年11月25日時点)、無料でゲーム1タイトルと交換が可能な「RADEON BRONZE REWARD クーポンコード」が付属します。
消費電力・温度
HP Pavilion 500-430jpの消費電力を測定してみました。
以下はアイドル時、ベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6)の消費電力測定結果です。
アイドル時 ・・・ 27W
ベンチマーク実行時 ・・・ 77W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
上記は液晶の消費電力を含まない数値です。
内蔵グラフィックスを利用する構成ですが、ベンチマーク実行時の消費電力が若干高いように思います。
次に、HP Pavilion 500-430jpの筐体内パーツの温度について。
以下は、アイドル時およびベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)の各パーツの温度です。
ややおかしな数値が出ている箇所がありますが、おおよその温度の目安に出来ると思います。
グラフィックカードなどを搭載しないため、高負荷な状態が続いてもそれ程温度は高くはならないようです。
元々、本製品の筐体内部はスペースに余裕があって熱がこもり難い構造であるため、グラフィックカードを搭載したとしても、熱が問題になる事はあまりないと思います。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、HP Pavilion 500-430jpの再起動にかかる時間を測定してみました。
以下は10回の再起動測定時間とその平均値です。
1回目 1:21
2回目 1:13
3回目 1:15
4回目 1:17
5回目 1:19
6回目 1:31
7回目 1:30
8回目 1:29
9回目 1:27
10回目 1:32
再起動(起動&シャットダウン)の平均時間 ・・・ 1分23秒
HP Pavilion 500-430jpの再起動にかかる平均時間は約1分23秒。
これまでのテストより、HDDを搭載するPCの再起動時間はおよそ1分弱~1分半という結果が出ており、本製品の再起動にかかる時間は平均か、やや遅めだと言えるでしょう。
なお、製品の購入時期や、選択するHDDによっては上記とは結果が異なる可能性があります。
プリインストールされているソフトウェアの内容
HP Pavilion 500-430jpに標準搭載されているソフトウェアの内容を確認・解説します。
以下は初期時のデスクトップ画面やスタート画面(モダンUI)、アプリ一覧画面の様子です。
選択するオプション等によっては以下とは内容が異なる可能性がありますので、参考程度にご覧ください。
本製品にプリインストールされているソフトウェアは、Windows 8.1標準のソフトをはじめ、Microsoft OfficeやHP製のツールが数点、CyberLink製ソフトの統合パッケージ「Media Suite」、グラフィックスの設定を行う「AMD Catalyst Control Center」や、セキュリティソフトには「マカフィーリブセーフ」を搭載。
HP製のツールに関しては、ユーザーガイドなどの閲覧が行える「HP Documentation」や、シリアル番号など製品の情報を確認できる「HP Support information」、PCのシステム設定を確認・管理するための「HP Support Assistant」、指紋管理を行う「HP SimplePass」、リカバリやリカバリディスクの作成を行える「HP Recovery Manager」等が搭載されていました。
またCyberLink製ソフトの統合パッケージ「Media Suite」には、動画編集の「PowerDirector」や写真編集の「PhotoDirector」、再生ソフトの「PowerDVD」、ライティングソフトの「Power2Go」などが含まれており、利用できるようになっています。
その他、圧縮展開ソフトの「7-Zip」や、高機能PDFソフトの「Foxit Phantom PDF Express for HP」、サウンド機能として「dts Sound+」を搭載。
またストアアプリとして「Box」や「HP Connected Photo」、「マカフィーセントラル」、「TripAdvisor」等のアプリが搭載されるという内容です。
比較的多くのソフトウェアが搭載されており、日常的な作業においてはプリインストールソフトのみで賄う事ができるのではと思います。
なお、Officeは有料のオプションであり、基本構成には含まれません。カスタマイズでMicrosoft Officeや、KINGSOFT製の Officeの追加も可能です。
詳しくは製品のカスタマイズ画面の内容をご参照ください。
HP Support Assistant PCの状態確認や各種のメンテナンスを行える
HP Recovery Manager リカバリや復元の他、リカバリディスクの作成も可能
CyberLink Media Suite DVD再生ソフトなどを含むCyberLink製ソフトの統合パッケージ
PhotoDirector 写真編集ソフト
Foxit Phantom PDF Express for HP PDF編集や作成を行えるソフト
dts Sound+ サウンドの設定などを行える
HP Pavilion 500-430jp まとめ
HP Pavilion 500-430jpのレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・AMDのアーキテクチャを採用しておりリーズナブル
・やや省スペースなミニタワー筺体を採用
・東京生産かつフルカスタマイズが可能
・AMD Radeon R7 240 (2GB)を選択可能
・TVチューナーや無線LANを内蔵可能
・HDDベイが1基しかない
AMDベースの構成を持つ事で、内容の割にリーズナブルな価格を実現したデスクトップPCです。
ややコンパクトな筐体を採用しているため、机の上などに設置しても圧迫感がありませんし、スリムタイプの筐体よりは容量が大きい為、冷却性能にも優れています。
外付けのグラフィックカード Radeon R7 240 (2GB)を搭載可能であったり、無線LANはもちろんTVチューナーの内蔵も可能となるなど、幅広い用途に利用可能なPCだと言えるでしょう。
HDDベイが1基しか持たないなど、上位シリーズに比べるとやや拡張性に劣る部分はあるものの、フルカスタマイズが可能となっているため、好みの構成を選ぶことができます。
より性能の高い構成や、2ドライブ構成などを希望されるのであれば、ENVY 700などの上位シリーズの方が適していますが、コストパフォーマンスの高さでは本製品の方が上。
様々な用途に利用できる、安価なデスクトップPCをお探しの方にお勧めの製品です。