LuvBook B シリーズのベンチマーク結果 Celeron N2930を搭載する3万円台のノートの性能チェック
前記事(LuvBook B シリーズレビュー Windows 8.1 with Bingを搭載する3万円台の格安ノートを使う)に続き、今回はLuvBook B シリーズの構成と性能面について。
先にも述べたように、掲載モデルはOSに Windows 8.1 with Bingを搭載するコストパフォーマンス重視のマシンです。
主な構成はCeleron N2930やメモリ4GB、250GB HDDとロースペック、また光学ドライブを搭載する事ができなかったり、その他の構成もカスタマイズができないなど不便な部分がある代わりに、3万円台(税抜)という非常にリーズナブルな価格を実現しています。
今回は、そんなLuvBook B シリーズの構成特徴や実際の性能面について詳しく触れてみました。
【LuvBook B シリーズ レビュー記事目次】
・LuvBook B シリーズ 筐体外観や特徴・液晶について
(外観・インターフェース / 光学ドライブはなし / キーボード周辺の操作性 / 液晶の表示品質)
・構成特徴やベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / Windows 8.1 with Bingとは? / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間 / バッテリ駆動時間)
・標準搭載されているソフトウェアの内容
(プリインストール・ソフトウェア)
・製品のまとめ
(LuvBook B シリーズ まとめ)
※掲載製品は メーカー様よりお貸出しいただいたものとなります。
LuvBook B シリーズ(LB-B520EN-BG)の構成内容とその特徴について
まず、掲載しているLuvBook B シリーズの構成内容とその特徴について解説します。
以下、CPU-Zの実行結果とマシンの主な構成です。
【CPU-Z】
【LuvBook B シリーズ(LB-B520EN-BG) の主な構成】
OS Windows 8.1 with Bing 64bit
プロセッサ Celeron N2930 (1.83GHz/TB時最大2.16GHz)
グラフィックス インテル HD グラフィックス
メモリ 4GB(4GB×1/PC3-12800 DDR3L SODIMM(PC3-10600動作)/2スロット)
ディスプレイ 15.6型ワイドHD(1366×768)、非光沢
ストレージ 250GB HDD(HGST製/5400rpm)
光学ドライブ なし
無線機能 IEEE802.11b/g/n、Bluetooth v4.0
バッテリ 駆動時間:約4.5時間
電源アダプター 30W
サイズ 374×258×12~24.7(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.0kg
※掲載の価格や仕様・解説等は、記事を作成した2014年10月21日時点のものです。
今回記事に掲載しているモデルは、OSにWindows 8.1 with Bingを搭載する「LB-B520EN-BG」というLuvBook B シリーズでは最小構成にあたるマシン。
OEM向けに無償でライセンスされる Windows 8.1 with Bingを利用する事で、OS分の値段を抑えた安価なモデルです。
プロセッサはCeleron N2930、メモリ4GB、光学ドライブ非搭載、ストレージには250GB HDDを搭載するなどロースペックな内容で、構成のカスタマイズを行う事は不可。何が何でも価格重視というユーザーの為のモデルだと言えるでしょう。
ただ安価なモデルとは言っても、軽い作業を快適にこなす程度のパフォーマンスは持ち合わせており、ネットや動画を閲覧する等、日ごろから簡単な作業にしかPCを利用しないという方にはお手頃です。
光学ドライブが必要だとか、メモリやストレージなどのパーツ変更を行いたい場合は、上位モデルを選択すると良いでしょう。本シリーズには大容量SSDの選択が可能なモデルもラインアップされているため、選択内容によっては高速な環境を手に入れる事も可能です。
製品に搭載されているストレージの内容を詳しく見てみます。
HDDの仕様
ディスクの内訳
HGST製の「HTS545025A7E380」という250GB HDDが搭載されていました。
回転数は5400rpm、厚み7mmのディスクです。
初期状態での、システムや回復パーティションを省いたCドライブの容量は約217GB程で、空き領域は約200GB程。サイズの大きなファイルを多数保存したりするような使い方をすると言うのでなければ、十分余裕のある容量だと言えます。
速度はHDDにしては遅くはないが早くもないという感じで、SSD等の環境に慣れていると少し辛いかもしれませんが、これまでHDD搭載のPCを利用してきたというのならば、使用していて特にストレスを感じるような事はないでしょう。
Windows 8.1 with Bingとは?
本製品は、OEM向けに無償で提供されている Windows 8.1 with BingをOSに利用する事で、低価格を実現しています。
細かく調査を行ったわけではないため正確な所はわかりませんが、一般的に見てWindows 8.1 with Bingを搭載するPCは、通常のWindows 8.1搭載PCに比べて大体6~7千円程安くなっているようです。
それだけの価格差がありながら、Windows 8.1 with Bingと通常版のWindows 8.1の機能には殆ど差がなく、Windows 8.1 with Bing搭載PCであっても、通常版のWindows 8.1を利用しているのと全く同じ感覚で作業を行う事ができるでしょう。
唯一、Windows 8.1 with Bing搭載モデルには「IE11の検索エンジンが初期状態でBingに指定されている」といった違いがありますが、デフォルト検索エンジンの変更は可能ですし、そもそもIE以外のブラウザを利用するユーザーも少なくはないでしょうから、通常版Windows 8.1との違いを意識する事はまずないと思われます。
Windows 8.1 with Bingを搭載 本製品は64bit版
IE11のデフォルト検索エンジンがBingに指定されている それ以外は通常版のWindows 8.1と同じ
ベンチマークテストの結果
以下、LuvBook B シリーズ(LB-B520EN-BG)で実施したベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 6.2
メモリ 5.9
グラフィックス 4.1
ゲーム用グラフィックス 4.2
プライマリ ハードディスク 5.9
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 106.1 / 102.5
512K 36.14 / 39.52
4K 0.463 / 0.952
4K QD32 0.987 / 0.927
数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
3DMark 全てのテストの実行結果
Ice Storm・・・ 19322
Cloud Gate・・・ 1491
Sky Diver・・・ 561
Fire Strike・・・ 0
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
1360×768
1360×768 ・・・ 847
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
1360×768
1360×768 ・・・ 200
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
1360×768
1360×768 ・・・ SCORE:621 / RANK:D
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】
キャラクター編 左:1360×768(標準品質) / 右:1360×768(高品質)
【キャラクター編】
1360×768(標準品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:1117 / 評価:設定変更が必要
1360×768(高品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:742 / 評価:動作困難
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 6.73fps
CPU ・・・ 1.59pts
さすがに性能が高いとは言えませんが、思っていたよりも悪くはないスコアです。
ストレージがそれ程高速でないという事なども相まって、体感ではパッとしないパフォーマンスですが、逆にネットや動画の閲覧程度の作業しか行わないライトユーザにしてみると、これで十分では?と感じる方も少なくはないのではと思います。
個人的には、やはり全くカスタマイズが行えないのは辛いので(特にストレージ)、選ぶなら通常版のWindows 8.1搭載モデルを選択すると思いますが、価格重視の方には悪くない選択肢です。
消費電力・温度
LuvBook B シリーズの消費電力を測定してみました。
以下はアイドル時、およびベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力値です。
アイドル時 ・・・ 7W
ベンチマーク実行時 ・・・ 20W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
Celeron N2930を搭載するローエンド構成だけあって、消費電力はかなり低いです。
次に、LuvBook B シリーズの筐体内パーツの温度について。
以下、アイドル時およびベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度測定結果です。
高負荷な状態が続いてもCPU温度が60度台と、低めの温度です。
さらに、高負荷時のキーボード表面の温度について。
BIOHAZARD 6を20分以上実行した後に、赤外線放射温度計を用いてキーボードの表面温度を測定してみました。
発熱の小さいパーツばかりであるためか、キーボード表面の温度も全体的に低いです。
常時快適に利用できると思われます。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、LuvBook B シリーズの再起動にかかる時間を測定してみました。
以下は9回の再起動時間測定結果と、その平均値です。
1回目 1:13
2回目 1:04
3回目 1:01
4回目 1:07
5回目 1:04
6回目 1:29
7回目 1:30
8回目 1:31
9回目 1:31
再起動の平均時間 ・・・ 1分16秒
LuvBook B シリーズの再起動にかかる平均時間は1分16秒。
HDDを搭載するPCとしては、平均的な再起動時間です。
決して早いとは言えないのですが、昔のPCのHDDのように極端に遅いわけではないため、ストレスを感じるような事はあまりないと思います。
速度重視の方は、SSDの選択が可能な上位モデルをご選択ください。
バッテリ駆動時間
LuvBook B シリーズのバッテリ駆動時間を測定してみました。
測定に利用したソフトウェアはbbench、ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、無線LANを利用したネット(ブラウザ)へのアクセスが60秒毎、画面の輝度は50%に設定しています。
バッテリの電力残量が100%から4%に減少するまでの時間は18789秒。
約5.2(5.2191666..)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
バッテリの持ちは長いという程ではありませんが短くもないよう。
本製品は15.6型ノートにしては2kgとやや軽く、また薄い為、屋内でPCを持ったまま移動して利用するというような使い方をされるユーザーもおられると思いますが、その際にバッテリ駆動で利用するような場合でも、ある程度の作業を行うだけの余裕はあります。
程々に扱いやすいPCだと思います。
プリインストール・ソフトウェア
LuvBook B シリーズに標準でインストールされているソフトウェアの内容について解説します。
以下、LuvBook B シリーズの初期状態でのデスクトップ画面やスタート画面(モダンUI)、アプリ一覧画面の様子です。
購入時期やオプションの追加内容、選択するモデルによっては内容が異なる可能性がありますので、以下の内容は参考程度にご覧ください。
掲載モデルのソフトウェアの内容は上記の通り。
Windows 8.1に標準で搭載されているソフトに加え、デスクトップ向けのソフトにはシステム設定を一括で行えるControl Centerやセキュリティソフトのインターネットセキュリティ、オーディオツールとして HD VDeckを搭載。
またストアアプリに関してはFresh PaintやHulu、Hotpepper、楽天Gateway他、幾つかのアプリが標準で搭載されていました。
アプリの内容は最小限という感じで非常にシンプルです。
ちなみに、本製品はパーツのカスタマイズはできないものの、ソフトウェアに関しては幾つかのソフトをPC購入時に追加する事が可能。
例えばMicrosoft OfficeやKINGSOFT Office、CyberLink製の写真編集ソフトやAdobe製の写真・動画編集ソフト他、複数のソフトの追加を選択する事ができます。
その他、本製品はデスクトップ上に「KINGSOFT Office 2013 30日間無料体験版」のダウンロードが可能なアイコンが設置されており、このアイコンからダウンロードを行った場合、「KINGSOFT Office2013」のオフィシャルガイドブック(PDF版)が無料でダウンロード可能となります。
ガイドブックは通常価格500円とそれ程高いものではないですが、KINGSOFT Officeを利用するのならダウンロードしておいて損はないと思います。
KINGSOFT Office 2013 30日間無料体験キャンペーン中(時期によっては終了している可能性もあり)
Control Center ボタンを切り替えるだけでシステム設定の一括変更が可能
LuvBook B シリーズ(Windows 8.1 with Bing) まとめ
Windows 8.1 with Bingを搭載する LuvBook B シリーズのレビューは以上となります。
最後にまとめると・・
・OSに「Windows 8.1 with Bing」を搭載
・3万円台(税別)と非常にリーズナブルな価格
・15.6型サイズのノートにしては薄く軽い(厚み12~24.7mm、重さ約2.0kg)
・低価格な割にスタイリッシュで高級感のある筐体
・光学ドライブは非搭載
・パーツのカスタマイズが一切行えない
とにかく価格重視という方向けの製品です。Windows 8.1 with Bingを搭載し、ローエンド構成でカスタマイズが行えないという代わりに、3万円台(税別)というリーズナブルな価格で購入する事ができます。
性能は決して高くはないですが、軽い作業を行うには十分なパフォーマンスである事、また価格の割に筺体には高級感があり、価格を言わなければ 3万円台の格安ノートPCだとはまずわからないでしょう。
欠点は15.6型サイズのノートでありながら光学ドライブ非搭載である事、またパーツのカスタマイズが一切行えない部分などもやや不便ですが、軽い作業専用のノートだと割り切って使えるのならば、コストパフォーマンスに優れた製品である事には違いありません。
ほんの少し料金をプラスすれば、Windows 8.1 with Bing搭載ではないカスタマイズ可能なモデルも選べますので、カスタマイズを行いたいという方はその他のモデルをご選択下さい。