ALIENWARE 17 スタンダードのベンチマーク結果 GTX 860M搭載モデルの性能は?
前記事(ALIENWARE 17 レビュー 宇宙的なデザインが魅力の17.3型ゲーミングノート(外観・操作編))に続き、今回はALIENWARE 17 の構成と性能面について。
掲載のモデルはOSにWindows 8.1、プロセッサにはCore i7-4710MQ、8GBメモリ、GeForce GTX 860M、500GBのハイブリッドHDDを搭載する「ALIENWARE 17 スタンダード」。
ALIENWARE 17では最小構成となるモデルで、価格は2014年8月7日現在 215,784円(税込/配送料込)。単純に構成だけを見ると、少し高く感じるかもしれませんが、多数の機能を搭載している事を考えると相応の値段だと思います。
今回は、上記構成の ALIENWARE 17の特徴や性能面について詳しく触れてみました。
【ALIENWARE 17 レビュー記事目次】
・ALIENWARE 17 外観やインターフェース・液晶をチェック
(外観・インターフェース / キーボード / 筺体内部の構造 / 付属品 / 液晶の見やすさ)
・ALIENWARE 17 スタンダードのベンチマーク結果・消費電力など
(構成とその特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間 / バッテリ駆動時間)
・プリインストールされているソフトウェアの内容について
(プリインストールソフトの内容 / Alienware Command Center / AlienFX / AlienTouch / AlienFusion / AlienAdrenaline / Alienware TactX)
・製品のまとめ
(ALIENWARE 17 まとめ)
※掲載製品はメーカーからの貸出機です。
ALIENWARE 17 スタンダードの構成内容と特徴を解説
掲載している「ALIENWARE 17 スタンダード」の構成内容とその特徴について解説します。
以下、CPU-ZとGPU-Zの実行結果、及び掲載しているモデルの主な構成です。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【ALIENWARE 17 スタンダードの主な構成】
OS Windows 8.1 64bit
プロセッサ Core i7-4710MQ (2.5GHz/TB時最大3.5GHz)
グラフィックス NVIDIA GeForce 860M(2GB/GDDR5)+ インテル HD グラフィックス4600
メモリ 8GB(4GB×2/DDR3L 1600MHz)
ディスプレイ 17.3型ワイドフルHD(1920×1080)、非光沢
ストレージ 500GB ハイブリッドHDD(Seagate製/5400rpm)
光学ドライブ スロットロード式 DVDスーパーマルチドライブ
無線機能 Intel DualBand Wireless-AC 7260、Bluetooth v4.0
バッテリ 駆動時間:不明(8セル/86WHr)
電源 180 W ACアダプタ(GTX 880Mを選択した場合240W)
サイズ 413.56×299×46.24~48.46(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約4.15kg(SSD搭載時)
カラー Alienware 17 Silver Anodized Aluminum
保証 1年間スタンダードサービスプラン
※掲載の価格や仕様・解説等は、記事を作成した2014年08月07日時点のものです。
掲載モデルの構成は上記のとおり。
Windows 8.1、Core i7-4710MQ、メモリ8GB、GeForce 860M(2GB)、500GB ハイブリッドHDD・・と、「ALIENWARE 17 スタンダード」で提供されているモデルの基本構成と全く同じ内容です。
ALIENWARE 17にはスタンダードの他、プレミアム、プラチナ、スプレマシーの計4つのモデルがラインアップされており、構成内容は様々。
例えば最上位モデルのスプレマシーでは、プロセッサはCore i7-4940MX、グラフィックスは標準でGTX 880M(8GB)、ストレージにおいては768GB(256GB SSD×3/ RAID 0)と 256GB mSATA SSDの組み合わせという、ノートではあまりみない性能を突き詰めたい方向けの構成となっています。
ノートでありながらグラフィックスの変更が行えるのは珍しく、別モデルではAMD Radeon R9 M290Xを搭載したモデルもあるなど、多彩な構成から選択出来るのはユーザーにとってメリットが大きいと思います。もちろん、OSにはWindows 7の選択も可能です。
イルミネーション機能など筺体が凝ったつくりとなっているため、構成の割に価格が高めではありますが、性能と同じ位ビジュアルを重視するというユーザーには魅力の大きいモデルでしょう。
搭載されているストレージの内容について詳しく見てみます。
HDDの仕様
ディスク内の内訳
掲載モデルには、Seagate製の「ST500LM000-1EJ162」というハイブリッドHDDが搭載されていました。別名、SSHDと呼ばれているドライブです。厚みは7mm。
このSSHDは500GBの容量のHDDに 8GBのNAND型フラッシュを統合した製品で、SSDをキャッシュに利用する事でディスクを高速化する効果があります。
その効果についてですが、HDDだと考えるとそれなりの速度だとは思いますが、それ程速くはないです。
HDD単体よりは多少起動などが速いように感じるものの、SSDには遠く及ばず。メモリの性能もあると思いますが、そもそも8GBのキャッシュなので知れているのだと思います。
速度重視を考えるのならSSDを搭載した方が良いですが、今回掲載しているスタンダードモデルでは今の所、上記のSSHDの他、1TB HDD&80GB mSATA SSD(キャッシュ)しか選択できません。
80GB mSATA SSDのキャッシュならかなり高速化されるのでは?と思いますが、SSDを起動ドライブにしたい場合は、他のモデルを選択するか、自分で換装するしかないでしょう。
といっても、今回のモデルはHDDとしては遅いというわけではないので、HDDの速度でも構わないというのなら、特に問題はないです。
ベンチマークテストの結果
以下、掲載している ALIENWARE 17スタンダードで行ったベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 8.2
メモリ 8.2
グラフィックス 5.9
ゲーム用グラフィックス 5.6
プライマリ ハードディスク 5.9
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 70.12 / 89.51
512K 28.96 / 47.64
4K 0.371 / 0.712
4K QD32 0.826 / 0.708
数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
極端に低いスコアですが、CrystalDiskMarkの数値にはキャッシュの効果が表れていないよう。何度か実行してみましたが、変わりませんでした。
【3DMark】
3DMarkの実行結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 85434
Cloud Gate・・・ 14139
Sky Diver・・・ 10562
Fire Strike・・・ 2738
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
左:1360×768 / 右:1920×1080
1360×768 ・・・ 14341~14406
1920×1080 ・・・ 8319~8350
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
左:1360×768 / 右:1920×1080
1360×768 ・・・ 39178
1920×1080 ・・・ 20993
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
左:1360×768 / 右:1920×1080
1360×768 ・・・ SCORE:9784 / RANK:S
1920×1080 ・・・ SCORE:6369 / RANK:S
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】
キャラクター編 左:1360×768 / 中央:1920×1080 / 右:1920×1080(最高品質)
【キャラクター編】
1360×768(高品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:10726 / 評価:非常に快適
1920×1080(高品質(ノートPC)) ・・・ SCORE:6749 / 評価:とても快適
1920×1080(最高品質) ・・・ SCORE:5217 / 評価:とても快適
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 57.76fps
CPU ・・・ 6.50pts
ゲーム系のベンチマークテストは、画質設定をあげても快適という結果が出ました。大抵のゲームを高画質な設定でプレイできるでしょう。
ストレージの速度に不満がなければ、基本構成でも十分だと思います。より高いグラフィック性能を求めるのならば、GTX 880Mなどをご選択ください。
消費電力・温度
ALIENWARE 17 の消費電力を測定してみました。
以下、アイドル時及びベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力値です。
Optimusは自動設定にしています。
アイドル時 ・・・ 21W
ベンチマーク実行時 ・・・ 123W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
アイドル時の消費電力値は、外部グラフィックスを搭載しないノートに比べるとやや高いという程度。一方でゲーム系のベンチマーク実行時は消費電力が上がります。構成なりだと言えるでしょう。
なお、上記のアイドル時の消費電力はAlienFX(LEDライト)をオフにした状態の数値で、オンにして測定した場合のアイドル時の消費電力値は23~24Wでした。
次に、筐体内パーツの温度について。
以下、アイドル時およびベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度測定結果です。
軽く冷房をかけた室内で測定しています(27度前後)
負荷をかけると高温になりますが、高いという程ではなく、PCのパーツ温度としては一般的な数値だと思います。
さらに、高負荷時のキーボード表面の温度を測定してみました。(冷房をかけた室内で測定)
高負荷な状態が続いた場合でも、キーボード表面の温度はそれ程高くはならないよう。
背面に排気口が設置されているため、本体とディスプレイが接続されているヒンジ周辺はやや高めの温度ですが、普段手で触れる場所ではないため、熱さが気になる事はありません。
高負荷時でも快適に作業が行えると思います。
反面、背面側の温度は高くなりやすいので、物などを置かないように注意しましょう。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、ALIENWARE 17 の再起動にかかる時間を測定しました。
以下、10回の再起動時間とその平均値です。
1回目 1:19
2回目 1:28
3回目 1:25
4回目 1:27
5回目 1:22
6回目 1:19
7回目 1:15
8回目 1:25
9回目 1:15
10回目 1:16
再起動の平均時間 ・・・ 1分21秒
500GB ハイブリッドHDDを搭載した、ALIENWARE 17の再起動にかかる平均時間は1分21秒。
これまで、HDD搭載のPCでは大体1分弱~1分半再起動に時間がかかるという結果が出ており、HDD搭載のPCとしては平均的な再起動時間だと思います。
他の構成を選択した場合は、再起動にかかる時間も変わってきます。
バッテリ駆動時間
掲載しているALIENWARE 17のバッテリ駆動時間を測定しました。
測定に利用したソフトウェアはbbench、ソフトの設定はストロークの実行が10秒毎、ワイヤレスLANを利用したネット(ブラウザ)へのアクセスが60秒毎。
画面の輝度は50%程度に、Optimusの設定は自動、AlienFXの照明効果はオフにしています。
バッテリの電力残量が100%から5%に減少するまでの時間は11465秒。
約3.1(3.18472222..)時間ものバッテリ駆動が可能という結果です。
高性能な内容のマシンですのでバッテリの持ちはあまりよくありませんが、軽い作業でならそこそこの時間は持つようです。例えば停電などがあった場合でも、簡単な作業ならできます。
なお、上記結果は軽い作業でのバッテリ駆動時間であり、例えばゲームをプレイするなど高負荷な状態であれば、駆動時間は短くなります。
ALIENWARE 17 スタンダードの構成と性能面については以上となります。
次記事では、本製品に搭載されているソフトウェアの内容について触れたいと思います。特に、ALIENWAREならではのソフトウェアや機能について詳しく触れる予定です。
製品に興味をお持ちの方は、ぜひ次記事もご覧ください。
次: ALIENWARE 17 プリインストールソフトの内容を解説 ライティング設定を行えるAlienFXなど