デルが販売するモニタ、Dell 28 Ultra HD モニタ(P2815Q)のレビューです。

P2815Qは、28型Ultra HD(3,840×2,160)の超高解像度モニタ。
いわゆる4Kに対応したモニタで、大画面に加えて高解像度であるために情報の表示量が多く、一般的な解像度のモニタとは一味違った使い方ができる製品です。

価格も2014年7月31日現在、6万円台と内容の割にかなり安く、マルチモニタなどを構築するよりも P2815Qを一台購入した方がかえってコストを抑えられるかもしれません。4K液晶を狙ってる方には、お手頃な製品だと言えます。

今回は、そんな P2815Qの外観やインターフェース、機能、総合的な使用感などについて触れてみました。

【Dell 28 Ultra HD モニタ(P2815Q) レビュー記事目次】

・Dell 28 Ultra HD モニタ(P2815Q)の外観をチェック
P2815Q の外観・インターフェースの内容

・画面の表示品質を様々な方向から検証
表示サイズと見え方視野角高精細な表示色域や画面の均一性

・P2815Q の設定・機能をチェック
OSDメニューの内容MHL(Mobile High-definition Link)に対応

・標準保証が充実
良品先出しサービスやプレミアムパネル保証が付属

・製品のまとめ
P2815Q まとめ


Dell 28 Ultra HD モニタ(P2815Q)の外観・インターフェースの内容をチェック

まずは「P2815Q」の外観の様子からご紹介いたします。

P2815Qを正面から見た所。
モニタ全体のサイズは横幅が661.3 mm、奥行き204.1 mm、高さは435.3~550.3mmで、全体の重量は不明ですが、パネルのみの重量は5.19kgとなります。

28型のモニタなので見た目にサイズも大きく重量もありますが、奥行きは比較的短いため机などへの設置はしやすいです。VESAマウントに対応しており、アーム等に取り付けて利用する事もできます




非光沢タイプの液晶を採用


液晶右下には電源ボタンやOSDボタン(OSDメニューの内容については後程解説)


液晶下部にはDELLのロゴ




P2815Qは可動性に非常に優れており、チルト(上下の角度調整)はもちろん、スイベル(左右の角度調整)機能や高さ調整が可能なスタンド、液晶の縦横回転機能など、作業内容に合わせて柔軟にモニタの角度を調整できます。


スタンドの高さ調整が行える

スタンドはかなり下の方まで下げる事ができます。
私自身は、やや上から覗くような形でモニタをみる事が多い為、画面の位置を下方向に下げられるというのは結構重要です。




液晶を上下に角度調整できるチルト機能



スイベル機能(スタンド台座の位置を変えずに左右に首降り)も搭載


液晶を回転させる事ができるピボット機能も搭載

ピボット機能を搭載する液晶は、低価格帯の製品ではそう多くはないと思います。

液晶が縦に長いと、ネットなどの閲覧で縦方向のスクロールをせずに済むなど便利な場面が結構ありますが、私自身はエディタを複数開いて作業する場合など、作業内容によっては液晶が横長の方が使いやすいと感じる事もあり、使い勝手の良し悪しは用途によりにけりだと思います。

とはいっても、ワイド画面では縦が足りないと感じる事の方が多い為、ピボット機能はあった方が断然便利です。これができるからこのモニタが欲しい、と言う方もおられるかもしれません。

なお、ピボット機能を利用する際は、液晶の高さを最大に上げた状態で回転させる必要があります。




背面側から見た、P2815Q全体の様子。
ブラックの背面パネルに、DELLのロゴを配置するシンプルなデザインです。

全体的にマットな素材で覆われているため、指紋汚れなどが目立ち難いです。



スタンドの台座部分はすっきりとしたデザイン。
設置面積が狭いので扱いやすく、未使用時はキーボードを置いておく等という事もできます。

スタンド部分に設けられた穴は、ケーブルの固定に利用できます。



背面中央部にはスタンドの代わりに、VESA規格に対応するモニタアーム等を取り付ける事もできます。サイズは100mmx100mm。




背面下部に取り付けられたパネルを外すと、映像出力などの端子類が配置されているのが見えます。


モニタの背面下部に配置された端子類

端子の内容は電源コネクター、オーディオ端子、DisplayPort1.2(入力)、mini DisplayPort(入力)、HDMI(MHL対応)、DisplayPort(出力/MST)、USB3.0(アップストリーム)、USB3.0×3基。

3系統の映像入力に加え、DisplayPort出力も1基搭載しています。この出力端子はMST用に用意されたもので、複数台のディスプレイをデイジーチェーン接続する際に利用します。※数珠つなぎといった方がわかりやすいかもしれません

なお、モニタに搭載されているUSBを利用する場合は、製品に付属しているUSB3.0アップストリームケーブルを使用し、モニタのUSB3.0アップストリームポートとPC側のUSBを接続する必要があります。




セキュリティケーブル用のスロット


BC1.2準拠デバイス用のUSB3.0

他のUSB3.0とはやや離れた位置に、もう一つUSB3.0ポートが搭載されています。
これはBC1.2準拠デバイス、いわゆる急速充電対応のデバイス用に用意された充電用のUSBポートで、通常のUSB3.0が最大900mA出力であるのに対し、最大1.5Aまでの出力が可能。

離れた場所に配置されているのは、デバイスの取外しがしやすいようにとの配慮だと思われます。



主な付属品です。
※販売されている製品とは内容が異なるかもしれません。

奥が電源ケーブル、手前左がDisplayPort用のケーブル、中央がUSB3.0アップストリームケーブル、その隣にあるのはユーザーガイドやソフトウェア、ドライバーなどが入ったDVDメディアに解説書です。



28型 Ultra HDモニタの表示品質は?

次にP2815Qの液晶の表示品質について、目視での見た目確認や、カラーキャリブレーションセンサーによる測定結果などを掲載したいと思います。

結果から言うと、3,840×2,160ドットの液晶は非常に高精彩で美しく、画面の表示領域が広い為、サイドメニューの多いソフトによる編集なども行いやすいです。

ただ色域は特別広いというわけではなく、sRGBの色域にほぼ収まる範囲内。色の再現性は悪いというわけではないですが、厳密に色再現性を求める作業に適しているとまでは言い難いかもしれません。といっても、そこまで色重視でない場合や、趣味で写真や動画編集をする分には、全く不足はないと思います。

詳細は以下でご覧ください。



画面の表示サイズと見え方


28型で3,840×2,160ドット 非常に解像度が高い

非常に高解像度なモニタです。

なお、後のOSD機能解説の項目でも触れますが、本製品は3,840×2,160ドットの表示では30Hzでしか出力する事が出来ません。接続するPC等の環境にかかわらずです。

リフレッシュレート30Hzであっても、一般的な作業ではそれ程問題はないと思いますが、例えば操作のタイミングが厳密なFPSゲームなどを行う場合に、困る事があるかもしれません。



画面の見え方を確認します。
細かい文字が苦手な方は、画面の表示サイズを大きくする必要があるかもしれません。


画面の表示サイズを100%に設定した場合の画面の見え方

画面表示を100%に設定した場合、文字などの表示が非常に小さくなります。

28型の大画面モニタであるため、小さいと言っても読めない程ではありませんが、細かい文字が苦手な方には操作しづらいレベルです。

ただ、情報の表示量は格段に多い為、多数の画面を開いて作業をされるような方には扱いやすいです。




当サイトの場合、3画面を開いて並べる事が可能(当サイトの横幅は約1200px)



100%表示だと小さくて見辛い場合、画面の表示サイズを大きく設定する事になりますが、例えば150%に設定した場合、以下のような画面表示になります。

文字やアイコン等は、そこそこ実用的なサイズになったのではないかと思います。
ただ、150%など拡大表示にすると、ソフトウェアなどによっては文字や画像がにじんでみえる事があります。

オフィスなどの文書を作成・閲覧したり、ネットで文字を見る位なら特に問題はないと思いますが、にじみはやや目立つ感じであるため、作業によってはやり難い事があるかもしれません。




画面の拡大表示によって滲んで表示された文字



視野角

画面の視野角を確認します。

なお、今回の製品はTNパネルを搭載しています。
TNパネルというとあまり視野角は広くはないと予想されますが、同じ画面でも画面の輝度や表示される色によって、画面の見え方はかなり異なります。

参考として、幾つかの表示例をあげてみました。
以下は、すべて同じカメラを使用して画面を真正面、上側、左側面から撮影したものです。(クリックで横幅2000pxの画面が表示されます)







やはり視野角は狭いですが(仕様では縦横160度、左右170度)、左右方向の色変化や白飛びは小さいです。輝度を高くすれば、表示されるコンテンツによっては比較的綺麗に見えるものもあります。

ただ、上下方向からの閲覧は難があるため、例えばピポッド機能で縦横を入れ替えて画面を閲覧する場合などに、見え方が大きく変わってしまう可能性があると言えるでしょう。

なお、写真編集時などに斜めから画面を見る人はいないと思うので、そういった作業が出来ないという事はありません。



高精細な表示

TNパネル特有の視野角の狭さはやや気になりますが、画面サイズが28型と大きく、解像度も3,840×2,160ドットと高い為、写真などの表示は非常に高精彩です。

撮影した写真を縮小せずに閲覧する事ができたり(撮影する写真のサイズにもよります)、ソフトでの編集も行いやすく、P2815Qよりもサイズが小さく低解像度なモニタを使用して同じ作業を行うよりも、快適に効率よく作業ができます。

以下、モニタに表示した写真をカメラで撮影・加工したものです。
画面の見え方の参考としてご覧ください。(クリックで大きな画像が表示されます。(表示される写真は横幅2000pxにリサイズしてあります)




非常に高精彩な表示である事がわかります。
同じ写真を低解像度な液晶で見るよりも、よりくっきりと綺麗に見えます。

コンテンツの閲覧を楽しみたい方には魅力的なモニタだと思います。



色域や画面の均一性

色域や画面の均一性を確認します。
以下は、Spyder 4 Eliteによる測定結果です。

モニタのプリセットはデフォルトである「標準(Standard)」のまま、キャリブレーション時のターゲットの値は「白色点6500K/ガンマ2.2/輝度120cd/m2」に設定しています。


sRGBのカバー率は97%、AdobeRGBのカバー率は76%

sRGBの範囲はほぼカバーできる色の再現性を持ち合わせていますが、広色域という程ではありません。この手の製品としては色の再現性は普通程度だと言えそうです。




ガンマカーブを確認します。


左:ガンマ応答カーブとターゲット(最下線がガンマ値2.2) / 右:ガンマ補正カーブ

ややRGBにばらつきのあるカーブです。
ターゲットとなるガンマ2.2のカーブからやや外れており、デフォルトでは理想的なカーブとは言えないよう。といっても、悪い結果ではありません。

標準の設定では青味が強いようで、補正カーブではブルーのカーブがやや大きめに抑えられています。




さらに、カラーや輝度の均一性について。
画面の色ムラや輝度ムラをチェックします。


カラーの均一性(左:輝度100% / 右:輝度50%)


輝度の均一性(左:輝度100% / 右:輝度50%)

色ムラは多少はあるものの、目で見て分かるほどではなく一般的な液晶並み。色差が大きい部分を並べ比べた時に、やや違いがわかる程度だと思われます。

一方で輝度ムラは、画面左側が全体的にやや暗くなっており、輝度を低くした場合や暗い色を表示させた場合に、なんとなく表示のムラがあると感じられるかもしれません。

輝度を高くすると、目立たなくなります。


先に述べた通り、総合的に見ると仕事などで厳密に色を扱う作業には適しているとは言えませんが、表示は十分に綺麗です。また作業もとてもしやすいです。

高精彩、かつ画面の表示領域が広いなどメリットは多く、価格を考えるとやはりお買い得感は否めないモニタだと思います。





DELL 28 Ultra HD モニタ P2815Q の外観や表示品質については以上となります。

次記事では、P2815QのOSDメニューなど一通りの機能面について詳しく触れる予定です。
製品に興味をお持ちの方は、ぜひ次記事もご覧ください。

次: Dell 28 Ultra HD モニタ P2815Q レビュー MHL接続でスマホやタブレットを大画面で楽しむ