LaVie G タイプZ IGZO液晶モデルのレビュー 重量800g以下の超軽量ノートPC
NECが販売するノートPC、LaVie G タイプZ WQHD IGZO液晶モデルのレビューです。
少し前に、フルHDのIPSタッチパネルを搭載する LaVie G タイプZを掲載しましたが、今回のモデルはWQHDの解像度を持つIGZO液晶を搭載しています。
超高解像度で画面の表示が緻密である事に加え、重量 約795g(公称値)という驚異の軽さを実現しており、モバイルノートに軽さを求める方には非常におすすめの製品だと言えるでしょう。実際に持ってみて、まるで中身が空であるモックのような軽さだと感じました。
今回は、そんなLaVie G タイプZ WQHD IGZO液晶モデルの外観や使い勝手、性能面について詳しく触れたいと思います。
【LaVie G タイプZ(WQHD IGZO液晶モデル) レビュー記事目次】
・LaVie G タイプZ
(外観・インターフェース / キーボード / 驚異の軽さ / 付属品 / 液晶の見やすさと品質)
・LaVie G タイプZ IGZO液晶モデルの構成や特徴・ベンチマークテストの結果
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間 / バッテリ駆動時間)
・製品のまとめ
(LaVie G タイプZ IGZO液晶モデル まとめ)
LaVie G タイプZ IGZO液晶モデルの外観・インターフェースをチェック
まず、LaVie G タイプZ IGZO液晶モデルの外観やインターフェースをチェックします。
端子などのインターフェースの内容はタッチパネル搭載モデルと同じですが、直販向けのカスタマイズモデルでは、タッチパネル搭載モデルが「ストームブラック」と「ムーンシルバー」を選択できたのに対し、IGZO液晶搭載モデルでは「ストームブラック」の1色のみ。
筺体の厚みも若干ではありますが異なっています。
天板の様子。端にNECの白いロゴがプリントされています。
天板にはマグネシウム合金を採用しているそうで、全体的にマットな質感です。
色が黒いと天板の素材によっては指紋が白く目立ってしまうものもありますが、本製品では指紋はそれ程目立ちません。
筺体全体のサイズは幅319mm、奥行き217mm、高さが14.9mm。
タッチパネル搭載モデルでは14.9~15.9mmと高さに若干の幅があったものの、今回の製品は14.9mmと厚みが均一です。
重量はタッチパネル搭載モデルが約964gという数字であったのに対し、IGZO液晶を搭載する本製品は約795gと非常に軽量。
※重量の実測値については後の項に掲載。
ディスプレイには13.3型 WQHD(2560×1440)の非光沢液晶を搭載。
非常に解像度の高い液晶です。タッチパネル搭載モデルが光沢であったのに対し、非光沢タイプのパネルとなります。
IPS方式のパネルではないため(VA方式)、IPS方式であるタッチパネル搭載モデルに比べると視野角等は劣りますが、TNなどの液晶に比べると広視野角です。
液晶上には約92万画素のWebカメラを、カメラの左右にはマイクを内蔵。
液晶下部にはNECのロゴがプリントされています。
筺体側面のインターフェースの内容を確認します。
上にも書いた通り、タッチパネル搭載モデルと内容は同じです。
筺体左側面には、セキュリティロックケーブル用のスロットと排気口、SDカードスロットを搭載しています。
右側面にはヘッドフォン出力、USB3.0×2、HDMI出力、電源コネクターを搭載。
USB3.0は2基あるうちの片側のみ、マシン電源オフ時の充電に対応しています。
筺体前面
筺体背面
筐体前面にはインジケーターランプのみ、背面には何も搭載されていません。
筺体底面全体の様子
筺体底面のカバーは継ぎ目のない1枚板で出来ており、多くのUltrabookと同様、内部にアクセスできるような構造ではありません。
前面側にスピーカーを搭載
非常にコンパクトな作りであるためか、スピーカーの音質はあまり良くはないです。
低音が小さく高音がシャカシャカと聞こえるノートPC特有の音で、音量を最大にあげると音によっては割れて聞こえてしまう部分もありました。
とはいえ、小型のノートの音質に期待する方はいないと思いますので問題はないでしょう。音楽を聴いたり映像を見たりする場合には、外付けのスピーカーを利用すると良いと思います。
通常、ノートPCには底面4角にゴム足が設けられることが多いと思いますが、本製品では4角に加えて中央付近にもゴム足が設置されています。
液晶は目視で大体45度程度の位置まで、後方に倒す事ができます。
軽量なモデルですが、ディスプレイを倒しても本体側が浮いたりぐら付いたりするという事は無かったです。
PC本体と付属の電源アダプター&ケーブル
電源アダプターはコンパクトかつ軽量(実測値は後に掲載)
電源アダプターの端子の形状は角型、電源ケーブル接続部の形状はメガネ型です。
電源アダプターの最大出力は20V、2.25Aで45W。
キーボードの操作性
キーボード周りの外観や操作性について。
まず、搭載されているキーボードをチェックします。
キーボード面全体
キーボード左半分
キーボード右半分
アイソレーションタイプのキーボードです。
多分、タッチパネルを搭載するLaVie G タイプZと同じキーボードでしょう。キーピッチは実測で縦横とも17.8mmでした。
筺体が薄い事もあり、キーストロークはかなり浅目です。
普段ストロークの深いキーボードを利用されている方だと、打ち心地に違和感を感じるのではないでしょうか。
私自身、ストロークの浅いキーボードの「PCの底を打っているような」キーの打ち心地があまり好きではないのですが、この辺りは薄型ノートである以上、妥協する必要がありそうです。
長時間キーボード操作を行われる方には向かないかもしれませんが、入力作業がメインだというのでなければ、問題ないと思います。
キートップの形状は平ら 横から見るとキーストロークの浅さがよくわかります
タッチパッドはボタン一体型。
ややホームポジションから右寄りの位置にあるため、キーボード操作時に右手が触れてしまう事がありますが、使い勝手自体は悪くはありません。クリックボタンが柔らかめであるため、手や指が疲れにくいです。
タッチパッドを使わないという場合は、誤動作を防ぐためにパッドの機能をオフにしてしまうと良いでしょう。
重量 - 800g以下という驚異の軽さを実現
次に、LaVie G タイプZ IGZO液晶モデルの重量について。
冒頭でも述べた通り、タッチパネル搭載モデルが約964gという重さであるのに対し、IGZO液晶モデルの重量は約795g(いずれも公称値)と非常に軽量です。
以下、重量を実際に測定してみました。
PC本体の重さは792g。
ほぼ、公称値通りの重さです。
続いて電源アダプターとケーブルの重さ。
電源アダプターとケーブルの重さは214g。
PC本体とあわせても、1kgを僅かに超える程度の重量。とても軽いです。
以前掲載した タッチパネル搭載モデルも十分に軽かったですが、今回の製品は本当にPCのパーツが入っているのだろうかと思うような軽さ。この軽さであれば、携帯も苦にならないでしょう。
付属品
付属品の内容を確認します。
なお、以下の内容は実際に販売されている製品の内容とは異なる可能性がありますので、参考程度にご覧ください。
解説書やMicrosoft Office Home and Businessのメディア。
Officeは、カスタマイズモデルで有り無しを選択可能です。
左からUSB変換ケーブル、HDMI-VGA変換アダプター、USB-LAN変換アダプター。
USB変換ケーブルは、カスタマイズで外付けの「DVDスーパーマルチドライブ」を選択した場合に付属するもので、DVDスーパーマルチドライブとPCとの接続に利用します。
その他の変換アダプターは、カスタマイズ時に有り無しを選択する事が可能です。
カスタマイズで選択可能な、外付けのDVDスーパーマルチドライブ。
非常に小型・スリムなドライブで、重量は実測で234gでした(ケーブル込み)。
液晶の見やすさと品質をチェック
LaVie G タイプZ IGZO液晶モデルに搭載されている液晶の見やすさや、品質をチェックします。
先に書いた事の繰り返しとなりますが、今回の製品には13.3型で2560×1440ドットのIGZO液晶が搭載されています。
非常に解像度が高いため、文字などの表示が小さく見辛そうに思えますが、デフォルトでは150%の画面表示に設定されており、見辛いと感じる事はありませんでした。
2560×1440ドットのIGZO液晶搭載
画面表示は150%設定
以下、画面の表示を150%に設定した場合と、100%に設定した場合の画面の見え方の違いです。
(ブラウザなどの設定によっては、画面の表示設定を変えても以下と同じようには見えない場合もあります。参考程度にご覧ください)
150%設定
100%設定
150%設定の場合、細かい文字であっても特に読みづらいとは思いませんでしたが、100%設定だと文字サイズによっては読みづらく、操作もややし辛いと感じます。
私自身は、150%表示であれば特に不自由する事もなく使えると感じますが、高解像度が苦手な方だと、150%表示でも使い辛いと感じられる方がいるかもしれません。
なお、150%でも見辛い場合、200%表示にも設定できますが、画面の表示サイズを大きくした場合、文字や画像が滲んで表示されたり、アプリケーションによっては表示がおかしくなってしまう事がありますのでご注意ください。
次に、視野角をチェックします。
液晶を正面から見た図
上側から
右側面から
今回のモデル、液晶にはVA方式のパネルを搭載しており、IPS液晶を搭載するもう一方のモデル(タッチパネル搭載モデル)に比べると視野角は狭いですが、TN方式の液晶などに比べると広視野角です。
画面を上側や斜めから見た場合に色の変化はあるものの、内容が見辛くなるほどではありません。ただ、どちらが見た目に鮮やかで綺麗かというと、タッチパネル搭載モデルの液晶の方が綺麗だと思います。
次に、色域の広さを確認します。
sRGBのカバー率は99%、AdobeRGBのカバー率は77%という結果です。
ノートPCにしては色域はやや広い方だと思います。
ガンマカーブを確認します。(クリックで大きな画面を表示します)
左:ガンマ応答曲線とターゲット(ガンマ2.2) / 右:ガンマ補正曲線
初期状態でのガンマ応答曲線はRGBともバラバラで、あまりバランスが良いとは言えないと思います。
元々グリーンとブルーの色味がやや強めに出ていましたが、補正を行うとそれらの色が抑えられてやや色温度が低くなりました。
さらに、輝度の均一性について。
輝度ムラを確認します。(クリックで大きな画像を表示します)
色ムラについては正常に測定できなかった為、測定結果の掲載はありません。ただ、色のムラはやや大きめです。(目で見て分かるほどではない)
輝度は、画面の左側が右側に比べると暗いです。
その差はやや大きく、画面の表示内容によっては左側がやや暗いと感じる事があるかもしれません。
写真等の色を確認したい場合は、出来るだけ画面の右側で確認するように心がけた方が良いでしょう。
LaVie G タイプZ WQHD IGZO液晶モデルの外観や操作性、液晶については以上となります。
引き続き、次記事では構成や性能面を確認したいと思います。
製品に興味をお持ちの方は、ぜひ次記事もご覧ください。
次: LaVie G タイプZ IGZO液晶モデルのベンチマーク結果 バッテリの持ちは短めだが総合性能は高い