VALUESTAR G タイプL のベンチマーク結果 Core i7-4770やRadeon HD8570搭載モデルの性能は?
前記事(VALUESTAR G タイプL レビュー スリム&コンパクトな高性能デスクトップPC (外観編))に続き、今回はVALUESTAR G タイプL の構成と性能面について。
直販の「NEC Direct」で販売されているVALUESTAR G タイプLでは、下はCore i3を搭載したモデルから、上はCore i7を搭載したモデルまで幅広い構成の製品が提供されており、用途に応じて構成のカスタマイズを行う事ができます。
掲載のモデルは、23型の液晶がセットになった「大画面23インチセットモデル」に幾つかのカスタマイズを加えた製品で、Core i7-4770 やメモリ16GB、Radeon HD 8570、3TBのHDDを搭載するなど、比較的スペックの高い内容。
今回は、上記内容のVALUESTAR G タイプL の特徴や、性能面について詳しく触れてみたいと思います。
【VALUESTAR G タイプL レビュー記事目次】
・VALUESTAR G タイプL 外観・インターフェース・付属品等をチェック
(外観・インターフェース / 筐体内部の様子 / 付属品)
・主な構成と特徴、ベンチマークテストの結果など
(構成と特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / 再起動にかかる時間)
・VALUESTAR G タイプLに付属可能な23型ディスプレイ「F23W4A」の外観や機能・品質について
(液晶の外観 / OSD機能 / 視野角 / 色域の広さ / 色ムラ・輝度ムラ)
・プリインストールアプリの内容
(標準搭載されているソフトウェアの内容をチェック)
・製品のまとめ
(VALUESTAR G タイプL まとめ)
構成とその特徴
まず、掲載しているVALUESTAR G タイプLの構成内容とその特徴について解説します。
以下、CPU-ZとGPU-Zの実行結果です。
【CPU-Z】
【GPU-Z】
【VALUESTAR G タイプL の主な構成】
OS Windows 8.1 Pro 64bit
プロセッサ Core i7-4770 (3.40GHz/TB時最大3.90GHz)
チップセット B85 Express
セキュリティチップ あり
グラフィックス AMD Radeon HD 8570(2GB)
メモリ 16GB(8GB×2/PC3-12800/最大32GB/4スロット)
ストレージ 3TB HDD(7200rpm / Seagate製)
光学ドライブ ブルーレイディスクドライブ(BDXL対応)
拡張ベイ 5.25インチ×1、3.5インチ×1
拡張スロット PCI Express x16 (LowProfile)×1、PCI Express x1 (LowProfile)×2、PCI×1
電源 240W(80Plus BRONZE)
サイズ 97×405×333(縦置き/幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約6.5kg
カラー ホワイト
セット付属 23型ワイドフルHD(1920×1080)IPS液晶、非光沢、ステレオスピーカー内蔵
保証 3年間メーカー保証サービスパック
※掲載の価格や仕様・解説等は、記事を作成した2014年04月03日時点のものです。
掲載しているモデルの内容は上記の通り。
本体に23型サイズのディスプレイが付属する内容の製品です。
VALUESTAR G タイプLでは23型サイズのディスプレイの他、19型のディスプレイや、ディスプレイなしのモデルも選択可能。またその他のパーツに関しても内容のカスタマイズができるようになっており、用途や好みに応じた構成内容とする事が可能です。
このモデルの大きな特徴としては、プロセッサに上位のCore i7-4770が搭載されている部分、また外付けのグラフィックス Radeon HD 8570が搭載されている部分などがあげられます。
プロセッサの性能が高い為、内蔵グラフィックス利用の構成でも性能は十分に高いですが、外付けのグラフィックカードを搭載する事でゲームのプレイも可能。Radeon HD 8570は、GPUのラインアップでいうとローエンド向けに位置づけられるモデルですが、軽~中程度の負荷のゲームであれば十分快適にプレイできます。
ゲームメインの用途には適しませんが、PCを日常的な用途に利用しつつ、たまにゲームで遊んだりもするというユーザーには手頃なグラフィックカードだと言えます。
その他の構成に関しては、メモリの容量が16GBと多めである事、また3TBという大容量のHDDが搭載されており、容量面で不足を感じる事はないでしょう。3年のメーカー保証が選択できる点も魅力です。
内容はカスタマイズできますので、メモリは自分で追加したいという方、ブルーレイディスクドライブではなくDVDドライブでよいという方、またHDDは容量の小さいもので十分などという方は、購入時のカスタマイズで内容を適当なものに変更すると良いでしょう。
あと、NECのPCというと、多数のソフトウェアがプリインストールされているという印象をお持ちの方が多いと思いますが、カスタマイズモデルでは通常の「標準ソフトウェアパック(多数のアプリをインストール)」の他、「ミニマムソフトウェアパック」という、必要最低限のアプリのみがプリインストールされるオプションも提供されています。
多数のアプリの追加を快く思わないユーザーもいますので、こういう点はカスタマイズモデルの魅力の一つだと言えるでしょう。
なお、付属の23型ディスプレイに関しては、また別記事でご紹介いたします。
もちろんディスプレイも、付属の有無を選択する事が可能です。
搭載されているストレージの内容を詳しくみてみます。
構成の選択によってHDDのメーカーやモデル、スペックが異なる可能性がありますので、以下は参考程度にご覧ください。
HDDの仕様
ディスク内の内訳
今回モデルには、Seagate製の「ST3000DM001-1CH166」という3.5インチHDDが搭載されていました。容量は3TB、回転数7200rpmのHDDにしては比較的高速なHDDです。
ディスクの内訳については、一般的に用意される回復パーティションの他、CとDにパーティションが区切られていました。VALUESTAR G タイプLではカスタマイズでHDDの容量を選択できますが、どの容量を選択してもそのような構成になるようです。
提供されているHDDの容量に関しては、500GB、1TB、3TB、4TBと幅広く、用途に応じた選択が可能。
写真や動画など大きなファイルを保存しない方であれば、500GB~1TBの容量でも十分だと思いますが、小さい容量よりも 3TB位の容量の方がコストパフォーマンスは高いです。
ベンチマークテストの結果
以下、VALUESTAR G タイプL のベンチマークテストの結果です。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 8.4
メモリ 8.4
グラフィックス 6.3
ゲーム用グラフィックス 6.3
プライマリ ハードディスク 5.9
※WinSAT.exeの実行によってスコアを取得しています。
【CrystalDiskMark】
Seq 202.9 / 199.9
512K 59.88 / 95.07
4K 0.670 / 1.333
4K QD32 1.700 / 1.329
数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム
【3DMark】
3DMarkの実行結果
Fire Strikeの詳細
Ice Storm・・・ 86857
Cloud Gate・・・ 8206
Fire Strike・・・ 1251
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
左:1360×768 / 右:1920×1080
1360×768 ・・・ 4894~4918
1920×1080 ・・・ 2894~2909
【ファンタシースターオンライン2 ver. 2.0】
左:1360×768 / 右:1920×1080
1360×768 ・・・ 6012
1920×1080 ・・・ 2711
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【BIOHAZARD 6】
左:1360×768 / 右:1920×1080
【1360×768】
SCORE ・・・ 2944
RANK ・・・ C
【1920×1080】
SCORE ・・・ 1843
RANK ・・・ C
【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】
キャラクター編 左:1360×768 / 右:1920×1080
【キャラクター編/設定:高品質(ノートPC)】
1360×768 ・・・ SCORE:3965 / 評価:快適
1920×1080 ・・・ SCORE:2296 / 評価:普通
【CINEBENCH】
OpenGL ・・・ 40.66fps
CPU ・・・ 8.03pts
性能は比較的高いです。
ゲーム系のベンチは、負荷がやや高めのものになると場面によってはやや重いようで、そういったゲームは解像度等を落とした方が快適にプレイできるだろうと思われます。
ですが内蔵グラフィックスオンリーの構成よりもグラフィック性能は高く、基本的には日常作業用としてPCを利用するけれどゲームで遊ぶ事もある、というようなユーザーに向くと思います。
HDDの容量が大きいという所から、動画や画僧編集等の作業を行われる方にも良さそうです。高性能なプロセッサや外付けのグラフィックス搭載により、動画編集等も快適に行えるでしょう。動画や写真の保存にも不自由しません。
消費電力・温度
VALUESTAR G タイプLの消費電力について。
アイドル時とベンチマーク(BIOHAZARD 6)実行時の消費電力値を測定してみました。
アイドル時 ・・・ 31W
ベンチマーク実行時 ・・・ 60W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
グラフィックカード搭載の構成であるためか、消費電力はやや高め。
といっても、ハイエンドなグラフィックカードを搭載するようなゲーミングデスクトップPCに比べれば、消費電力は低いです。
なお、上記の数値はデスクトップPC本体のみの消費電力値で、ディスプレイの消費電力は含みません。
次に、PC使用時の筐体内のパーツ温度について。
以下、アイドル時とベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6を20分以上実行)のパーツ温度です。
筐体内のスペースにあまり余裕のないコンパクトな製品ですが、高負荷な状態が続いても温度の上昇はそれ程大きくはありませんでした。
なお、筐体内の温度は測定する環境によって違ってきますので、参考程度にお願いいたします。
再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間
PassMark Rebooterを利用し、VALUESTAR G タイプLの再起動にかかる時間を測定してみました。以下、9回の再起動にかかったそれぞれの時間と、その平均値です。
1回目 0:54
2回目 0:52
3回目 0:53
4回目 0:54
5回目 0:53
6回目 1:15
7回目 1:15
8回目 1:18
9回目 1:16
再起動の平均時間 ・・・ 1分3秒
VALUESTAR G タイプLの再起動にかかる時間の平均値は、1分3秒という結果です。
ノートPCのデータとなりますが、SSD搭載のノートだと再起動時間は30~40秒、HDD搭載のノートだと1分弱~1分半という結果が出ており、HDDを搭載するPCの中では早い方だと言えるでしょう。
実際、SSDを搭載するPCのような速さはありませんが、起動やシャットダウンはそこそこ早いと感じます。
VALUESTAR G タイプLの構成や性能面については以上となります。
次記事では、本製品で選択できる23型ワイドフルHDのIPS非光沢液晶(F23W4A)の詳細について触れたいと思います。
次: VALUESTAR G タイプL に付属可能な 23型IPS液晶「F23W4A」のレビュー