前記事(Dell Venue 8 Pro レビュー Atom Z3740D 搭載の 8型Windowsタブレットを使ってみる)に続き、今回はVenue 8 Proの構成や性能面について。

掲載しているVenue 8 Proの主な構成は、Windows 8.1、 Atom Z3740D、メモリ2GB、64GB eMMCという内容。

上記の構成にMicrosoft Office Personal 2013付きで4万円を切る(2014年2月20日時点)という非常にリーズナブルな製品で、Windows タブレットの購入を検討されているユーザーには魅力が大きいと思います。

今回は、上記構成のモデルの性能面について検証した結果を掲載してみました。

なお、記事中にも記載していますが、Venue 8 Proには3G SIMロックフリーのモデルも提供されており、タブレットで3Gデータ通信をとお考えの方にもおすすめです。性能は掲載モデルと変わりませんので、記事を参考にしていただければと思います。

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【Venue 8 Pro レビュー記事目次】

・Venue 8 Pro 外観・インターフェースの詳細など
外観・デザインインターフェース重量液晶の見やすさ背面カメラによる撮影写真

・Venue 8 Pro 構成の特徴とベンチマーク結果
構成と特徴3G(SIMフリー)選択可ベンチマーク結果消費電力・温度再起動にかかる時間バッテリ駆動時間

・プリインストールアプリケーションの内容や回復ドライブ作成など
ソフトウェアの内容Microsoft Office 2013が付属回復ドライブの作成方法工場出荷状態に戻す

・Venue 8 Pro レビューまとめ
製品のまとめ


主な構成とその特徴

まず、掲載しているVenue 8 Proの構成とその特徴について解説します。
以下、CPU-Zの実行結果結果です。

【CPU-Z】





【Venue 8 Pro レッド】

OS   Windows 8.1 (32bit)
プロセッサ   Atom Z3740D(1.33GHz/最大1.83GHz)
TPM   TPM 2.0
グラフィックス   インテルHD グラフィックス(CPU内蔵)
ディスプレイ   8型ワイド(1280×800)、IPS、10点マルチタッチ、光沢あり
メモリ   2GB(2GB×1/DDR3L-RS 1600MHz/最大2GB)
ストレージ   64GB eMMC(SAMSUNG製)
無線機能   Dell Wireless 1538 Dual-Band 2×2 802.11n WiFi(IEEE802.11a/b/g/n) + Bluetooth 4.0
バッテリ   2セル(18Whr)
駆動時間   最大10時間(公称値)
サイズ   130×216×9(幅×奥行き×高さ/mm)
重量   約395g(公称値。実測では387g)
電源アダプター   10W
カラー   レッド

※掲載の価格や仕様・解説等は、記事を作成した2014年02月20日時点のものです。

掲載しているタブレットの構成は上記の通り。
OSにWindows 8.1、プロセッサにAtom Z3740D、メモリ2GB、64GBのeMMC(フラッシュメモリ)という内容です。

先の記事で、Venue 8 ProはAtom Z3000シリーズを搭載した代表的なタブレット製品の中の一つ、というような表現をしましたが、Atom Z3000シリーズといっても様々なモデルが存在します。中でも、本製品はAtom Z3740を搭載したタブレットと比較される事が多いですが、Atom Z3740Dはその下位に当たるモデル。

下位と言っても、クロックや消費電力などは大きくは変わりませんが、最大メモリサイズが違っていたり、対応するメモリの種類やメモリチャネル数、帯域幅などが異なります。

注目されるのはAtom Z3740搭載タブレットが最大4GBメモリまで搭載可能であるのに対し、Atom Z3740Dでは最大2GBメモリまでしか搭載できない部分だと思いますが、今の所、同等の価格帯・スペックを持つ製品で4GBメモリを搭載しているタブレットは殆ど無い為、特にそれがデメリットだと考える必要は無いでしょう。

帯域幅が異なる事から、速度面で差はあるのかもしれませんが、日常の用途で実際に体感する程の速度差があるのかというと微妙です。

Venue 8 ProがAtom Z3740D搭載であっても、64GBのフラッシュメモリを搭載しながら4万円を切る価格である所を考えると、価格の安いWindows 8タブレットをお探しの方には魅力の大きいモデルだと思います。

【少し余談】

メモリの種類についてですが、Atom Z3740がLPDDR3という規格のメモリに対応しているのに対し、Venue 8 Proに搭載されているAtom Z3740DはDDR3L-RSに対応。

LPDDR3はスマートフォンやタブレットなどに利用される省電力タイプのメモリで、DDR3L-RSは、PCなどに使われる低電圧タイプのDDR3Lの消費電力をさらに削減したメモリの規格です。

LPDDR3の方はもともと消費電力の低いデバイス向けに作られたメモリであるため、動作時もスタンバイ時も省電力という特徴がありますが、一方でVenue 8 Proに搭載されるDDR3L-RSの方はスタンバイ時は省電力であるものの、動作時はLPDDR3に比べて消費電力がやや高いという違いがあります。

省電力という点においてはLPDDR3メモリを搭載するデバイスの方が優れていると言えますが、LPDDR3メモリはDDR3L-RSメモリに比べて若干価格が高く、DDR3L-RSメモリを搭載するタブレットよりもLPDDR3メモリを搭載するタブレットの方がやや高価になってしまうという事はあると思います。(Venue 8 Proが同等の製品の中でも特に安価なのはそういった点も関係するのではないでしょうか。もちろん、メモリだけが関係しているのではないと思いますが・・)

全く同じ価格、構成でAtom Z3740とAtom Z3740Dのモデルの選択肢があった場合、Atom Z3740搭載モデルの方を選びたいという声もあると思いますが、これらのプロセッサを搭載するモデルを比較した場合、普段使いで目に見えて性能差があるとは感じません。


その他、主要な構成以外ではTPM 2.0(セキュリティチップ)が搭載されている部分なども目に付きましたが、TPM 2.0の搭載は2014~2015年に発売予定のWindows 8端末の認定要件の一つなのだそう。2015年1月にはTPM 2.0の実装が必須になるのだとか。

あと、発表当初、タブレットのオプションとしてSynaptics製のアクティブスタイラス(専用スタイラスペン)が追加可能とアナウンスされていましたが、現在(2014年2月20日確認)注文出来ない状態となっているようで、再度注文可能となるのかどうかは不明。あると便利だと思うので、再販されればよいと思います。



ストレージの内容について詳しく見てみます。


デバイスマネージャに表示されたストレージの内容

ストレージには64GBのeMMC「Samsung MCG8GC」が搭載されていました。
eMMC はSSDに比べるとかなり転送速度は劣るのですが、小型で低消費電力という特徴をもっており、現在多くのWindowsタブレットにeMMCが利用されています。

Venue 8 Proのストレージはこの64GB eMMCのみの提供となります。


ストレージの初期状態時の内訳は以下のような感じでした。(クリックで大きな画面が開きます)

Cドライブの容量は51.95GBで、ユーザーが可能な空き領域は40.03GB。

Windowsタブレットは一概に容量の少ないものが多いですが、利用できる容量が40GBもあれば、ソフトのインストールやファイルの保存などもある程度できますし、注意をしていればいつの間にか容量がいっぱいになっていたなどという事はあまりないでしょう。



3G(SIMフリー)モデルも用意

Venue 8 Proには掲載しているモデルの他、SIMロックフリーで3G(HSPA+)通信に対応するモデルがラインアップされています。

こういう類の製品でSIMロックフリーは珍しく、Wi-Fiやテザリング以外のモバイル通信を行いたいという方には、非常に便利な構成のモデルだと言えるでしょう。

スペックについては、HSPA+に対応する以外は他のモデルと変わりなく、価格は他のモデルよりも約1万円ほど高い程度(2014年2月20日時点)。

ただカラーバリエーションは異なっており、通常のモデルではレッドとブラックの選択肢が提供されているのに対し、SIMロックフリーモデルはブラックのみとなります。



ベンチマークテストの結果

以下、掲載している Venue 8 Proで行ったベンチマークテストの結果です。


【Win エクスペリエンス・インデックス】

エクスペリエンス・インデックスのスコアは、WinSAT.exeを実行して取得しました。

プロセッサ 6.3
メモリ 5.5
グラフィックス 4.1
ゲーム用グラフィックス 4.2
プライマリ ハードディスク 6.4

スコアは性能の目安となるもので全てがわかるものではありませんが、上記の数値を見る限りでは、Atom Z3740を搭載するタブレットのスコアと全く変わらないようです。


【CrystalDiskMark】

Seq 54.5830.47
512K 50.5527.12
4K 8.0534.110
4K QD32 28.805.434

数値は左がRead、右がWrite、テストデータはランダム

ストレージは同等の製品に比べると、やや遅め。



microSDカードの読み書き速度も測定してみました。
使用したmicroSDカードはSanDisk Ultra microSDHC UHS-I(最大30MB/秒の転送速度)となります。

Seq 23.6322.16
512K 23.242.876
4K 5.5701.474
4K QD32 4.7581.373

数値は左がRead、右がWrite

カードの性能を考えるとこんなものだと思います。
より高速なカードを利用すればもう少し早くなるかもしれませんが、カードスロット経由の転送速度はあまり早くはないです。



【3DMark】

Ice Storm・・・ 14779
Cloud Gate・・・ 1156
Fire Strike・・・ 測定不能


【FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア】

ワールド編 1360×768

【ワールド編/設定:標準品質】
1360×768 ・・・ SCORE:285 / 評価:動作困難


【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族】

1280×720

1280×720 ・・・ スコア:909 / 評価:動作困難


【CINEBENCH】

OpenGL ・・・ 5.84fps
CPU ・・・ 0.89pts


パフォーマンスは、Atom Z3740を搭載した同等の製品よりも僅かに低いように思いますが、それでもAtomを搭載するタブレットにしては優秀だと思います。

タブレットで行えるような軽いゲームなら、画質を落とせばそれなりにプレイも可能でしょう。但し負荷の高いゲームやアプリは動作が重いです。

アプリケーションは起動に少し時間がかかるように感じるのですが、起動してしまえばそれ程遅さは感じません。



消費電力・温度

Venue 8 Proの消費電力について。
以下、アイドル時とベンチマーク実行時(3FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア)の消費電力測定結果です。

アイドル時 ・・・ 3W
ベンチマーク実行時 ・・・ 8W

※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています

いずれの消費電力値も低いです。




次に、アイドル時とベンチマーク実行時(FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼアを20分以上繰り返し実行)のパーツの温度について。以下、測定結果です。


部屋の温度にも左右されると思いますが、暖房の効いた部屋で測定したところ、アイドル時の温度は低いですが、ベンチマーク時はマザーボードの温度が結構上昇しました。

といっても、PCで考えると大した温度ではないのですが、タブレットは筐体が薄い為、内部の温度が高くなるにつれて筐体の表面にも温度が伝わりやすく、熱を感じやすいと思います。




さらに、タブレット表面の温度について。
FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼアを20分以上実行した後に、赤外線放射温度計を用いてタブレット表面の温度を測定してみました。

一部が40度を超える温度になっており、手に持っていると熱いと感じます。筐体が薄いせいで、内部の熱が伝わりやすいというのも温度上昇の一因でしょう。

この製品でPCゲームのような高い負荷を長時間かけるような使い方はしないと思うので、普段使っていてこれほど温度が上がる事はないと思います。

ただ、タブレットを手に持って利用する場合、右下(縦持ちで)部分がやや温かく感じる事はあるかもしれません。



再起動(起動&シャットダウン)にかかる時間

PassMark Rebooterを利用し、再起動にかかる時間を測定しました。
10回再起動を繰り返させた後に、各再起動時にかかった時間の平均値を割り出しています。

1回目 0:59
2回目 0:52
3回目 0:52
4回目 0:49
5回目 0:50
6回目 0:55
7回目 0:56
8回目 0:52
9回目 0:52
10回目 0:51

再起動の平均時間 ・・・ 52秒

Venue 8 Proが、再起動を行うのにかかる時間は約52秒という結果です。

参考として、HDDを搭載したノートPCの場合、再起動に1分30秒~50秒程度、SSDを搭載したノートPCの場合、再起動に30~40秒程度かかるという結果が出ています。

SSD搭載のノートよりは遅いけれど、HDDを搭載したノートよりは早いようです。体感でもそのように感じます。



バッテリ駆動時間

Venue 8 Proのバッテリ駆動時間を測定してみました。
測定に利用したソフトウェアはbbench、設定はストロークが10秒毎、WiFi接続によるインターネット(ブラウザ)へのアクセスが60秒毎。

画面の輝度は最大の半分程度に設定しています。


バッテリの電力残量が100%から2%の状態になるまでの時間は42535秒。
約12(11.81527777..)時間ものバッテリ駆動が可能だという結果です。

公称でも約10時間のバッテリ駆動が可能だと謳われており、非常に長いと思いますが、実際の利用でも長時間のバッテリ駆動が可能なようです。

使い方によってはバッテリの電力消費はもっと早くなる可能性がありますが、これだけバッテリの持ちが良ければ、外出時にバッテリの残量を気にする事はあまりないと言えるでしょう。




Venue 8 Proの構成や性能面については以上となります。
次記事では搭載されているアプリケーションの内容について、簡単に触れたいと思います。

製品に興味をお持ちの方は、是非次記事もご覧ください。
次: Venue 8 Proに搭載されているソフトウェアの内容や回復ドライブの作成方法などについて