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レノボ・ジャパンが販売する11.6型のノートPC、ThinkPad Helix のレビューです。
以前、展示機を用いたレビューを掲載しましたが、今回は実機を用い、より詳しく検証した内容を掲載します。

ThinkPad Helixは、ディスプレイ部とキーボードが分離するハイブリッドノートPC。タブレットとしても、ノートPCとしても利用できる便利な構造を持つ製品です。

Windows 8を搭載するタブレットというと、プロセッサにAtomを採用したものが多いですが、ThinkPad Helix はインテルのCore iプロセッサを搭載しており、性能はAtom搭載のタブレットとは比較にならないくらい高いです。

高性能なタブレットの購入を検討されている方、またハイブリッドタイプのノートPCが欲しいという方にお勧めの製品だといえるでしょう。

今回の記事では、そんなThinkPad Helixの外観や性能、機能面について詳しく触れてみたいと思います。


【ThinkPad Helix レビュー記事目次】

・ThinkPad Helix 外観・インターフェースについて
様々なスタイルでの利用が可能インターフェースキーボードとタッチパッド
キーボードドッグ側の冷却ファンデジタイザーペン重量液晶

・ThinkPad Helixの構成・性能面
構成と特徴ベンチマーク結果消費電力・温度バッテリ駆動時間

・ThinkPad Helix まとめ 長所や短所
長所短所や気になる点


様々なスタイルでの利用が可能

ThinkPad Helix は液晶部とキーボードを分離し、タブレットとして利用する事ができます。

またそれだけではなく、液晶を前後逆に取り付けてスタンドモードやテントモード、キーボードを付けたままのタブレットモードなど、様々なスタイルで利用する事ができるようになっています。

キーボード脱着式のタブレット、もしくは液晶を回転させてタブレットとして利用できる製品は多数ありますが、Helixは脱着式・回転式両方の要素を備えている為、利用シーンに応じてより多くのスタイルを使い分ける事が可能です。

ノートPCモード時の背面からの様子。




ノートPCモード時の正面からの様子。




液晶は、以下のように液晶左下側に設けられたレバーをスライドさせて取り外します。

レバーを奥までスライドさせてから液晶を引っ張ると、簡単に外れます。




液晶とキーボードを分離。




キーボードの接続部の様子。
ノートPCとして利用する場合は、液晶を差し込むだけ。




なお、液晶は通常とは前後逆向きの方向にも接続する事が可能です。

液晶を逆向きに接続してみました。
いわゆるスタンドモードと呼ばれる状態です。




そのままキーボード側に倒すと、タブレットモードになります。
液晶単体でのタブレットモード時よりも重量は重いですが、シーンによっては利用する事もあると思います。




その他、テントモードでの利用も可能。
狭い場所(カフェの机の上等)などでは、テントモードが非常に便利です。

ノートPCやスタンドモードで利用する場合、それなりの設置面積が必要となりますし、タブレットモードだと手に持つか机の上などに置く必要があります。

ですが、テントモードではごく狭い場所でも設置する事ができるため、外出時によくPCを利用されるような方に非常に便利です。



インターフェース

次に、ThinkPad Helixの外観やインターフェースの内容をチェックします。

天板の様子。
ThinkPadらしい、マットな素材を使用したブラックカラーの天板です。

500万画素のアウトカメラを搭載しています。




天板の隅にはThinkPadと、Lenovoのロゴ。




11.6型ワイドフルHD(1920×1080)のIPS光沢液晶を搭載。
10点のマルチタッチに対応しており、保護にゴリラガラスを採用しています。

液晶はゴリラガラスを使用しているために光沢ですが、強度は非常に高いです。

実際に今回の製品で強度のテストを行ったわけではありませんが、液晶にゴリラガラスを採用した別製品においては、ドライバーで突いても割れない強度を持ち合わせていましたので、この製品でも同等の強度を持ち合わせていると思われます。


ステレオスピーカー拡大

液晶下部左右には、ステレオスピーカーを搭載。




液晶上部には、200万画素のインカメラを搭載。





構造的なものなのか、液晶はあまり後ろには倒れません。
ノートPCの状態で膝の上などにおいて操作をする場合、やや液晶が見辛いかもしれません。





側面のインターフェースをチェックします。

なお、今回の製品は液晶とキーボードドックが分離するという性質上、両方に端子類が搭載されていますので、液晶とキーボードを別々に見ていきたいと思います。

まずはタブレット側から。

タブレット左側面の様子。(向きがわかりづらいため、画像には液晶面とキーボード接続側の位置を記してあります)

こちらには何もありません。




タブレット下側面の様子。(キーボード接続側です)
色々あるように見えますが、多くは接続の為のスロットなどで、端子は少ないです。

左側からタグ、電源コネクター、SIMカードスロット、Mini-Displayport、USB2.0、タグ。

SIMカードスロットは日本のモデルでは使用しません。また、これらの端子はキーボード接続時には使えません。(隠れてしまうため)



なお、左右にあるタグって何?と思われた方もおられるかと思います。

タグは一見するとカードリーダーなどのようにも見えるのですが、上写真のように、手前に引き出す事ができるようになっています。

それぞれのタグには、モデルナンバー等が記載されています。




タブレット右側面の様子。
画面回転ロックボタン、音量調整ボタン、ヘッドフォン出力とマイク入力のコンボポートを搭載。




タブレット上側面の様子。
電源ボタンと排気口、デジタイザペンのスロットが搭載されています。




デジタイザペンのスロットを拡大。
デジタイザペンは、デジタイザー・ペン対応のモデルに付属します。(ペンについては、デジタイザーペンの項に掲載)





次に、キーボードドック側のインターフェースについて。
キーボードドックは背面のみ、端子が搭載されます。

キーボードドック背面の様子。
左からUSB3.0、電源コネクター、Mini-Displayport、USB3.0を搭載。

タブレットを接続すると、タブレット下側にあるいくつかの端子が使えなくなりますが、それら端子の代わりとなるものが、キーボードドック側の背面に搭載されています。



さらに、キーボードドックにはセキュリティスロットが搭載されています。

セキュリティスロットを引き出し、別売りのケーブルロックなどを取り付けてPCデスクなどに固定します。

タブレットが分離するという性質上、タブレットのみ盗難にあう危険があるのでは?と思われる方もおられるかもしれませんが、セキュリティスロットを引き出すとタブレットにロックがかかるため、キーボードドックからタブレットを外して持ち去られるという危険性はありません。(セキュリティスロット自体が簡単に折れそうではあるのですが)




底面の様子。
いくつかのネジ穴は見受けられますが、簡単に内部へとアクセスできる構造ではないようです。

バッテリーも内蔵式です。




電源アダプターは45W。とてもコンパクトです。



キーボードとタッチパッド

次に、キーボードとタッチパッドについて。

ThinkPad Twistと同じ、使いやすいキーボードを採用しています。

「Twistと同じ」とわざわざいうのは、最近登場したThinkPadのファンクションキーにはWindows 8用の機能が搭載されており、昨年に登場したX230やT430などのキーボードとは若干異なります。

といっても違いはファンクションキーのみで、打ち心地やキーの配列は他のThinkPadシリーズとほぼ同じ。



ファンクションキーの機能について詳しく見てみます。



ファンクションキーの機能

Escキーにファンクションキーのメイン動作切り替え機能が、F9からF12までのキーにWindows 8ならではの機能ボタンが搭載されています。

ファンクションキーのメイン動作切り替えは、通常ファンクションキーに搭載されている機能(全角・半角の切り替え他)と、輝度や音量の調整といった機能の切り替えを行うもの。

これまでBIOSなどを使用してファンクションキーの動作を切り替えていましたが、このキーボードではキーボード上で簡単に切り替える事ができます。

また、F9からF12までのキーに割り当てられた具体的な機能については、Fnと共にF9を押すと設定画面が表示、同じくF10を押すと検索画面が、F11ではウィンドウの切り替え、F12ではアプリ一覧の表示というように、Windows 8ならではの煩雑な画面の切り替えを簡単に行う事ができるようになっています。

今後のモデルには、このような機能を思ったキーボードがメインに採用されるのだろうと思われます。




やや湾曲した、指なじみの良い形状のキートップです。

キーストロークが他シリーズと比較してやや浅く、またトラックポイントが若干低くなってはいますが、操作性はとても良いです。

但し、これまでの通常サイズのトラックポイントを取り付ける事はできません。





次にタッチパッドについて。

タッチパッドは、これまでのThinkPadとは異なる、トラックポイント側のボタンが省かれたものが採用されました。

正確には省かれたのではなく、タッチパッドと一体型のボタンが採用されたという言い方が正しく、タッチパッドは「5ボタンクリックパッド」と呼ばれるようです。(写真赤丸はボタンの位置)

見た目にはすっきりしましたが、これまでトラックポイントメインで操作を行っていた場合、慣れるまでは使い難さを感じる事もあるかもしれません。



なお、タッチパッドやトラックポイントのボタンはサイズの調整が可能です。

マウスのプロパティにて、サイズの大きいボタンを選択する事ができます。

タッチパッドのみ、またはトラックポイントのみしか使用されないという方は、どちらかの機能をオフにしてしまうと使いやすいかもしれません。




パームレスト上のThinkPadロゴ。

HelixにはHDDのインジケーターランプ等はありませんが、マシンの起動時にはThinkPadのiの点が赤く点灯します。



キーボードドッグの冷却ファン

キーボードドッグ側には、2基の小さな冷却ファンが搭載されています。

タブレットとキーボードドッグ接続時、キーボードドッグ側にある2基の冷却ファンが作動し、冷却ファンからタブレットへと空気を送り込む事で、タブレット内部の温度を下げる役割を持ちます。(送り込まれた空気はタブレット上部の排気口から抜けます)

Helixは、タブレット単体での動作時はCPUのTDPを下げて動作するような仕組みになっているのですが(冷却能力が限られてしまうため)、上にも書いた通り、キーボードドッグ接続時には十分なエアフローが確保できるため、CPUの最大TDPでの動作が可能となります。

具体的には以下の通りとなります。

・タブレット単体での動作時: TDP 9W
・タブレットモード(キーボードドッグ接続)での動作時: TDP 13W
・ノートPCモードでの動作時: TDP 17W

Core iプロセッサーにより、タブレット単体でも高い能力を発揮できるHelixですが、負荷の高い作業を行う場合にはノートPCモードでの利用が望ましいと言えます。



デジタイザーペンについて

購入時にデジタイザーペン対応の液晶を選択した場合、以下のようなデジタイザーペンが付属します。

とても小さく、軽いです。




タブレットのペンスロットに収納しておく事ができます。




描き心地も上々。
Helixは256段階の筆圧検知に対応しています。

筆圧検知に関しては、1024段階の検知が可能であったThinkPad Tablet2の方が性能が上ですが、本格的に絵を描くような場合でもない限り、そこまでの性能は必要ないでしょう。

※とはいえ、HelixはThinkPad Tablet2よりも高性能なモデルなので、画像編集ソフト等もより快適に動作します。なので、筆圧検知の性能が高ければ尚良かっただろうとは思います。

なお、筆圧入力を行うには、筆圧入力に対応したソフトウェアを利用する必要があります。(写真で利用のソフトはIllustStudio)


注意点として、購入時にデジタイザーペン非対応の液晶を選択した場合、液晶にはデジタイザが搭載されないため、後からペンのみを用意してもデジタイザペンによる入力を行う事ができません。

11.6型でフルHDの液晶ですから表示は細かく、リンクなどをクリックしたりする際にペンは結構役に立ちますので、必要ないというのならばともかく、可能であれば選択される事をおすすめいたします。



重量

本体の重量を測定してみました。
今回のモデルの構成はWiFi、Bluetooth、NFC、タブレット・ペン対応液晶。重量は構成によって若干異なります。

キーボードドックとタブレットの接続時の重量は、1663g。
(今回のモデルの構成では公称の重量が約1.65kg)




タブレット単体での重量は830g。(公称値は835g)




ACアダプターやケーブルを合わせた重量は、243g。



11.6型とコンパクトなモデルですが、キーボードドック接続時はやや重め。
ですが、タブレットの状態では余裕で携帯できる重さです。

メインノートPC並みの性能を軽量なタブレットとして持ち歩く事ができるという点は、外出先でよくマシンを利用されるような方に便利だと思います。



液晶

最後に、液晶の視野角をチェックします。


正面



右側

IPS液晶が搭載されているだけあって、視野角は広いです。
斜めから見た場合でも、画面の色が大きく変化しません。

ただ、光沢液晶であるため、反射や映り込みなどで画面の内容が見辛くなる事はあります。




個人的に見て、ノートPCとして利用する際にUSB端子が背面に設置されているという部分が、少し不便だと感じましたが、キーボード等はさすがにThinkPadだけあって、とても使いやすいです。

また、単にタブレットとして使えるというだけでなく、テントモードやスタンドモードなどで利用できるという点も便利。

テントモードやスタンドモード等が行える製品(液晶回転式のハイブリッドノート等)はタブレット時の重量が重く、携帯性の面で若干不満を感じる製品も少なくはないのですが、この製品ではキーボードを取り外してタブレット単体でも利用する事ができるなど、携帯性にも優れます。

バッテリの取り外しができると尚よかったと思います。


ThinkPad Helixの外観などについては以上となります。

引き続き、性能面について詳しく検証していきたいと思います。
興味をお持ちの方は、是非次の記事もご覧下さい。