GALLERIA U2442F2 ベンチマーク結果 実際の性能やバッテリ駆動時間などを測定
GALLERIA U2442F2で幾つかのベンチマークを行ってみました。
掲載の GALLERIA U2442F2はCore i7-3537Uや8GBメモリ、GeForce GT650M、128GB SSDという、Ultrabookとしてはかなり高性能な内容で構成されています。
多くのUltrabookでは内蔵グラフィックスが利用される事が多いですが、U2442F2はそういった製品よりもグラフィック性能が高い分、幅広い用途に使えるPCです。たまにゲームをされるような方にも向いていると言えるでしょう。
なお、搭載のGeForce GT650MはNVIDIA Optimusテクノロジーに対応しており、マシンにかかる負荷に応じてGeForce GT650Mのオンオフが自動で行われます。
Optimusはパワーが必要なときには外部グラフィックスのパワーを、そうでない場合には内蔵グラフィックスのみを動作させる事で、電力が節約できるという仕組みを持つテクノロジーで、デフォルトでは自動でGT650Mのオンオフがされるような設定となっていますが、GT650Mのオンオフは手動でも設定できます。
今回のベンチマークテストでは GT650Mオン時とオフ時、両方のパフォーマンスを測定してみました。
【Note GALLERIA U2442F2 レビュー記事目次】
・Note GALLERIA U2442F2 外観・端子など
(外観・インターフェース / 重量 / 液晶チェック / 付属品(おまけ))
・Note GALLERIA U2442F2 主な構成とベンチマーク結果
(主な構成・特徴 / ベンチマーク結果 / 消費電力・温度 / バッテリ駆動時間)
・GALLERIA U2442F2 BIOSの表示やリカバリ方法など(ソフトウェア編)
(全てのアプリ / Pin to Taskbar / Smartボタン / システムのリカバリ)
主な構成・特徴
掲載している GALLERIA U2442F2の主な構成と特徴を確認します。
まずは構成から。
※表示は内蔵グラフィックスとなっていますが、GeForce GT 650M搭載です。
【Note GALLERIA U2442F2 の主な構成】
OS Windows 8 64bit
プロセッサ Core i7-3667U(2.0GHz/TB時最大3.2GHz)
チップセット HM77 Express
グラフィックス NVIDIA GeForce GT 650M(2GB) + HD グラフィックス4000(CPU内蔵)
メモリ 8GB(8GB×1/PC3-12800 DDR3 SO-DIMM/2スロット/最大16GB)
ストレージ 128GB SSD(6.0Gb/s/Crucial製)
ディスプレイ 14型ワイドHD+(1600×900)、光沢なし
無線機能 IEEE802.11 b/g/n、Bluetooth 4.0
バッテリ リチウムイオンバッテリ(駆動時間:約5時間/公称値)
サイズ 339×233×21(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約1.59kg
※記事に記載の仕様や解説等は、記事を作成した2013年5月15日時点のものです。
掲載モデルの構成は上記の通り。
今の所、OSはWindows 7と8いずれかを選択できますが、カスタマイズをできるパーツは限られています。
メモリは標準では8GBの搭載となりますが、カスタマイズで16GBにアップグレードする事も可能。ですが底面からメモリスロットに容易にアクセスできるため、後から追加してもよいのではと思います。(自己責任となります)
プロセッサには超低電圧版のモデルを搭載していますが、グラフィックスにGeForce GT 650Mを搭載するなど、Ultrabookにしてはハイスペックな内容です。
非光沢の液晶を搭載している所もUltrabookにしては珍しいです。
解像度が高めな部分も大きなポイントだといえるでしょう。
より細かく見ると、ストレージには128GB SSDを採用。
Crucial製のM4-CT128M4SSD3というmSATA SSDを搭載しています。
6.0Gb/s対応の高速なSSDです。
容量が128GBと、少なめな所が気になる方はおられるかもしれません。
Windows 8の場合だとシステムの占める容量が少ないため、それ程問題とならないかもしれませんが、Windows 7を選択された場合、ちょっと容量面で気を配る必要があるのではないかと思います。
上にも書いた通り、構成はほぼ固定となりますが、内容的にはなかなか魅力的な製品だと思います。
タイトルにもよりますが、ゲームも可能なパフォーマンスを持ち合わせているため、用途が広いです。
価格は安価な部類ではありませんが、一般的なUltrabookと比べると内容の割に安め。
見ために高級感があり、価格帯に見合った内容の製品だと思います。
ベンチマーク結果
GALLERIA U2442F2のベンチマーク結果を掲載していきたいと思います。
冒頭でも触れましたが、この製品はNVIDIA Optimusテクノロジーに対応しており、マシンにかかる負荷の程度によって自動で外部グラフィックス(GT650M)がオンオフされます。
負荷が小さい場合には内蔵グラフィックスのみで、負荷が大きい場合にはGT650Mをオンにするといった具合に、マシンのパワーを調整します。
デバイスマネージャには内蔵グラフィックスとGT650Mが表示
常にGT650Mをオンにしていると電力消費が激しくなりますが、このテクノロジーによって状況に応じてオンオフを行う事により、電力を節約する事ができるというメリットがあります(バッテリ駆動時間の延長にもなります)。
ですが、今回のようにベンチマークスコアの測定を行う場合、勝手に外部グラフィックスのオンオフをされては正確なスコアの計測が行えません。
そこで、NVIDIAコントロールパネルより優先されるグラフィックスを手動で設定し、自動でGT650Mがオンオフされないような状態でベンチマークテストを行いました。
NVIDIAコントロールパネルの「3D設定の管理」より、優先するグラフィックスを設定
以下に掲載のベンチマーク結果は、一部のベンチを除き、GT650Mオン時とオフ時(内蔵グラフィックスのみで稼働)両方のスコアを掲載しています。
両スコアを比べる事で、今回の製品と内蔵グラフィックス利用のUltrabookとの性能差を何となくわかっていただけるのではないかと思います。
【Win エクスペリエンス・インデックス】
プロセッサ 6.3
メモリ 7.2
グラフィックス 4.7
ゲーム用グラフィックス 6.6
プライマリ ハードディスク 8.1
【CrystalDiskMark】
Seq 455.7 / 198.8
512K 343.2 / 197.0
4K 21.56 / 46.85
4K QD32 289.4 / 177.1
数値は左がRead、右がWrite
ディスクはCrucial製の128GB SSDを搭載。
M4-CT128M4SSD3という、6Gb/s対応の高速なmSATA SSDです。
スコアが示す通り、実際の速度はとても高速。
OSの起動やシャットダウンなどが特に速いです。
以下、内蔵GPUと記載のあるものは内蔵GPUのみ稼働で測定したスコア、またGT 650Mと記載のあるものは、GT 650Mをオンにして測定したスコアとなります。
【3DMark06】
左:内蔵GPU / 右:GT 650M
3DMark score ・・・ 4390 / 8972
SM 2.0 Score ・・・ 1443 / 3902
SM 3.0 Score ・・・ 1976 / 4387
CPU Score ・・・ 2077 / 2039
数値は左が内蔵GPU、右がGT 650M
【3DMark11】
3DMark score ・・・ P621 / P2158
Graphics Score ・・・ 550 / 2244 (4種のGraphicsテスト)
Physics Score ・・・ 2080 / 2026 (CPUベースの物理演算)
Combined Score ・・・ 577 / 1819 (GPUとCPUの両方へ同時に負荷をかけるテスト)
数値は左が内蔵GPU、右がGT 650M
【モンスターハンターフロンティア 大討伐】
内蔵GPU(左:1360×768 / 右:1600×900)
GT 650M(左:1360×768 / 右:1600×900)
【内蔵GPU】
1360×768 ・・・ 1695~1720
1600×900 ・・・ 1377~1382
【GT 650M】
1360×768 ・・・ 5456~5468
1600×900 ・・・ 4237~4258
【デビル メイ クライ 4】
内蔵GPU(上:1360×768 / 下:1600×900)
GT 650M(上:1360×768 / 下:1600×900)
【内蔵GPU】
1360×768 ・・・ 32.11~54.41(平均fps/RANK:C)
1600×900 ・・・ 25.54~40.86(平均fps/RANK:D)
【GT 650M】
1360×768 ・・・ 75.42~149.61(平均fps/RANK:S)
1600×900 ・・・ 62.89~119.01(平均fps/RANK:A)
【BIOHAZARD 6】
内蔵GPU(上:1360×768 / 下:1600×900)
GT 650M(上:1360×768 / 下:1600×900)
【内蔵GPU】
1360×768 ・・・ 986(平均fps/RANK:D)
1600×900 ・・・ 810(平均fps/RANK:D)
【GT 650M】
1360×768 ・・・ 3774(平均fps/RANK:B)
1600×900 ・・・ 3122(平均fps/RANK:B)
【ファンタシースターオンライン2 】
内蔵GPU(左:1360×768 / 右:1600×900)
GT 650M(左:1360×768 / 右:1600×900)
【内蔵GPU】
1360×768 ・・・ 990
1600×900 ・・・ 742
【GT 650M】
1360×768 ・・・ 1160
1600×900 ・・・ 753
~2000 処理負荷によっては動作が重くなる
2001~5000 標準的な動作が見込める
5001~ 快適に動作
【FINAL FANTASY XIV】
内蔵GPU(左:LOW / 右:HIGH)
GT 650M(左:LOW / 右:HIGH)
【内蔵GPU】
LOW ・・・ 909
HIGH ・・・ 464
【GT 650M】
LOW ・・・ 1637
HIGH ・・・ 1102
【CINEBENCH】
左:内蔵GPU / 右:GT 650M
【内蔵GPU】
OpenGL ・・・ 5.68fps
CPU ・・・ 1.58pts
【GT 650M】
OpenGL ・・・ 23.18fps
CPU ・・・ 1.59pts
GT 650Mオン時・オフ時のスコア差は、ベンチマークプログラムの種類によって大きいものや小さいものがありますが、全体的にみて、内蔵GPUでは動作が難しいものも、GT 650Mをオンにするとそれなりに快適に動作するようです。
GT 650Mはミドルレンジのグラフィックスなので、高負荷なゲームにおいては多少設定を軽くする必要がありますが、ゲームをする事は十分に可能だといえるでしょう。
今回の製品は、普段は日常的な作業に使用し、たまにゲームをする・・というような使い方をされるユーザーに適しているのではないかと思います。
消費電力・温度
次に、U2442F2の消費電力について。
アイドル時、及びベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6)の消費電力測定結果です。
ベンチマーク実行時の消費電力は、GT650Mオン時・オフ時両方の数値を測定しています。
アイドル時 ・・・ 20W
ベンチマーク実行時(内蔵GPU) ・・・ 51W
ベンチマーク実行時(GT 650M) ・・・ 61W
※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています
内蔵GPUのみであっても消費電力はやや高め(Ultrabookにしては)、GT650Mオン時は、やはり内蔵GPUのみの時よりも消費電力は少し高いです。
といっても、一般的なノートに比べて特に高いというわけではありません。
さらに、アイドル時とベンチマーク実行時(BIOHAZARD 6)の筐体内パーツの温度を測定してみました。
ベンチマーク実行時の温度は、ベンチを20分程度実行させた後に測定しています。
内蔵GPU(上:アイドル時 / 下:ベンチマーク実行時)
GT 650M(上:アイドル時 / 下:ベンチマーク実行時)
GT650Mオン時はグラフィックスの発熱が高くなるため、内蔵GPUのみで稼働している時よりも温度は高め。といっても、全体的に見てそれ程高温にはなっていないと思います。
負荷をかけた際の筐体の表面温度も測定してみました。
(BIOHAZARD 6を20分程度実行させた後に測定)
パームレストやタッチパッドは高負荷時でも低温ですが、キーボードが少し熱くなります。特にU2442F2は背面に排気口があるため、そのあたりの底面温度が結構高いです。
高負荷時のキーボード操作時、また膝の上などに置いて作業をする場合などに熱を感じると思います。
バッテリ駆動時間
最後に、バッテリ駆動時間の測定結果です。
駆動時間の測定にはbbenchを使用、ソフトの設定はストロークが10秒毎、インターネットへのアクセスが60秒毎。
NVIDIAコントロールパネルよりGT650Mを常にオンにし、画面の輝度は50%に下げています。
バッテリの残量が100%から3%になるまでの時間は20290秒。
約5.6時間(5.636111111111111)ものバッテリ駆動が可能だという結果となりました。
GT650Mをオンにした場合の測定結果ですので、内蔵グラフィックスのみの場合だともう少しバッテリの持ちは良くなるだろうと思われます。
U2442F2はサイズ的・重量的に、頻繁に持ち運ぶようなノートではないと思うのですが、モバイル時でもそこそこバッテリは持つようです。
U2442F2のベンチマークやバッテリ駆動時間などの測定結果は以上となります。
次記事では製品に標準で搭載されているソフトウェアや、リカバリについて触れます。
興味をお持ちの方は是非次記事もご覧ください。