HP ENVY x2 の展示機(試作機)をレビュー PCとしての操作性も重視
先日行われた日本HPの新製品発表会にて、実際に触れてきた製品をご紹介したいと思います。
まず最初はタブレットとキーボードが分離する、ハイブリッド機のHP ENVY x2。
x2は「エックスツー」と読みます。
ホームファクタが2つあるとか、2つ以上の用途で使えるなどという意味合いを込め、「x2」と名づけたのだそうです。
他社でもWindows 8に対応した様々な製品が出ていますが、今回HPがこのような形態の製品にした理由は、
元々HPはPCベンダーであり、PCの操作性を重要視しているから。
またWindows 8を搭載した理由は、AndroidなどよりもWindowsの方がファイル管理に優れている事、さらにノートPCとして使う場合、ユーザーはWindowsで利用できるアプリケーションの方が使い慣れているという事等があげられるそうです。(Windows RTでない理由もそれ)。
というわけで実機写真と共に、特徴を解説していきます。
なお、ENVY x2は先週の金曜(2012年10月12日)に発表されましたが、発売は2013年1月と随分先。
※発売が前倒しとなり、予約販売を12月12日(水)正午~20日深夜まで実施。200台限定で配送料が無料になるそうです。
展示されていたENVY x2はまだ日本には一台しかない製品だそうで(2012年10月18日時点)、
さらにその製品は試作段階であるため、以下に記載の内容と実際の製品の内容とは異なる可能性があります。
元々ENVYは高級機というラインアップ。
このENVY x2はそのブランド名を冠しているだけあって、デザインには拘りがあります。
基本的にアルミ素材が使用されており、シンプルですが上品な印象を受けます。
タブレットの厚みに関しても、8.6mmと薄型。
キーボードと併せても20mmをきる薄さです。
あと、バッテリー駆動時間に関してもこだわりがあり、
バッテリーがタブレットとキーボード両方に搭載されています。
タブレット側のみだと7.5時間、キーボードの方で6.5時間、あわせると14時間という
非常に長時間の駆動が可能となっており、これはHPのノートPCでは最長となる駆動時間なのだとか。
ディスプレイ側には11.6インチワイドHD(1,366×768)のIPS液晶を搭載。
光沢ですが明るく見やすい液晶です。
このディスプレイは・・
このように取り外しする事が出来ます。
タブレットとキーボードの接続部分にはマグネットが使用されており、抜き差しが簡単です。
なお、キーボード側の事をHPではキーボードドックと呼ぶそうです。
マグネットが利用されているという接合部分。
他メーカーの製品にはないギミックだとスタッフの方はおっしゃっていました。
なお、キーボードとタブレットを何度も抜き差しする事が想定されるこの製品、
耐久性の面で懸念がありますが、開発の段階で10000回の抜き差しテストをクリアしてるのだとか。
あと、タブレットとキーボードをくっつけた状態だと、タブレットが重過ぎてバランスを崩し
転がってしまう製品もありますが、ENVYx2では重量のバランスにこだわっているため、そのような事はないそうです。
※タブレットは710g、キーボード側は700g。
タブレットの方が若干重いですが、ノートPCの形態でもバランスは安定していました。
キーボード。
キーストロークが1.5mm、キーピッチ18.9mmのフルサイズ浮き石型キーボードを搭載。
PCの操作性を重視するという事で、キーストロークやキーピッチには気を使っているそう。
簡単に触ってみた所では、うち心地は普通だと感じましたが、
普通のノートPCではないということを考えると良い方なのかもしれません。
キーの配列は特に珍しくはない、HPのノートPCに多い配列です。
タッチパッドは一体型。
HPの一部のUltraBookに搭載されているタッチパッドと同じものだと思います。(多分)
パッドの質感はとても良いです。が、クリックボタンを押してクリックしようとすると、
押した反動で目的の箇所とは別の箇所をクリックしてしまう事が何度かあり、少し使いづらいと感じました。
試作機という事ですから、また現物とは異なるのかもしれません。
タブレット背面のインターフェースは・・
音量調整、ウェブカメラ、電源ボタン。
見づらいですが、左が音量調整、右が電源ボタン。
ウェブカメラは背面に8メガピクセル、前面に2メガピクセルのカメラを搭載しています。
キーボード側の左側面のインターフェース。
HDMIやUSB2.0、オーディオ端子が搭載されています。
タブレット側の背面には、microSDカードスロットを搭載。
右側面。
USB2.0や電源コネクター、カードスロットなどが配置されています。
電源コネクターは角型です。
右側面にはSDカードスロット。こちらはキーボード側にスロットがあります。
タブレットとキーボード、両方にメディアスロットがあるというのは便利です。
その他、タブレットの中にNFC(近距離無線通信技術)のチップが入っています。
NFCを搭載している製品は他にも出てはいますが、それ程多くありません。
今後増えるであろう利用シーンに対応できるよう、いち早く搭載したとの事です。
その他、写真を撮り忘れましたが、BeatsAudio対応のスピーカーをタブレット側の前面に配置。
通常、タブレットでは背面に設置される事の多いスピーカーですが、
このモデルはENVYブランドという事で音に拘ったのだそう。
確かに、音楽を鳴らしてみるとタブレットにありがちなシャカシャカとしたスピーカー音ではありませんでした。
あと性能面について。
構成はOSがWindows 8(32bit)、プロセッサが新型のAtom Z2760(1.8GHz)、2GBメモリ、64GB SSD、
グラフィックスはCPU内蔵のGMAを利用します。
その他、無線LANはIEEE802.11a/b/g/n、、Bluetooth 4.0、そして上にもあげたようにNFCのチップを搭載。
新型のAtomの性能に興味があったのですが、
未発売の製品だからかエクスペリエンスインデックスの値は測定できないようになっていたため、
他と比較しやすいデータ等はありません。
ですが実際の利用ではとてもサクサクと快適に動いており、Atomの印象とは全く違いました。
Win 8が軽いせいもあると思います。
同じ構成であっても、実際の体感速度はWin 8搭載マシンの方が、Win 7を搭載したマシンよりも良さそうです。
今回は以上です。
このHP ENVY x2、IPSで液晶も綺麗ですし、操作性も悪くありません。
携帯を考えるとタブレットが良いですが、自分に関してはタブレットのみだと作業が殆ど出来ないため、
ノートPCとしても使えるというのはとても便利だと思います。
キーボードが必要なら、単に外付けのキーボード等を使用すれば・・と思わなくもないですが、
ノートPCとしての操作性を考慮して設計されたものとは、使用感に雲泥の差があると思います。
使いにくくては長時間の作業は行えません。
ノートPCにしては端子類が少ないですが、後に変換コネクターなどの
オプションが登場するそうですから、その辺りも問題ないかと思います。
なお、上でも述べたように、このモデルは今のところ発売が2013年の1月とかなり先に設定されており、
現在公開されている仕様等は変更される可能性があります。
※発売が前倒しとなり、予約販売を12月12日(水)正午~20日深夜まで実施。200台限定で配送料が無料になるそうです。
今回記事に記載した内容と、実際の製品とは異なる可能性があります事を予めご了承ください。