デルが販売するノートPC、Inspiron 15R Special Editionのレビューです。

少し前の記事で NEW Inspiron 15R というノートPCをご紹介しましたが、
今回掲載する Inspiron 15R Special Editionは Inspiron 15Rのいわば高性能版となるノートPC。
NEW Inspiron 15Rのレビュー記事はこちら

標準でグラフィックカードを搭載し、最大でCore i7-3612QMを搭載可能、
また Inspiron 15Rでは選べなかったフルHDの非光沢液晶を選択する事も可能となっています。

NEW Inspiron 15Rは安価な割りに操作性に優れており、中々感触の良いモデルだったのですが、
光沢のHD(1366×768)液晶しか選べないところが個人的にイマイチな点でした。

しかし Inspiron 15R Special Editionでは非光沢のフルHD液晶も選択できるようになるなど、
NEW Inspiron 15R では満足できなかったユーザーのニーズをカバーすると思われる内容の構成が提供されており、
性能の高いノートPCをお探しの方には魅力的な製品です。

今回の記事では、 そんな Inspiron 15R Special Editionの外観やインターフェースの内容をチェックすると共に、
実際の性能面について詳しく検証してみました。

なお、記事を読むのが面倒な方や時間のない方は、
ページの最後に掲載のInspiron 15R Special Editionのまとめをご覧いただければと思います。

掲載製品の公式ページはこちら: Inspiron 15R Special Edition


【Inspiron 15R Special Edition デザインやインターフェースの内容】

まずは Inspiron 15R Special Editionの外観をみていきます。

天板の様子。
本体のカラーはステルスブラックで、筐体のいたるところに精密なエッチング加工によるハニカムデザインを施しています。
筐体の形状等はInspiron 15Rとほぼ同じですが、デザインが大きく異なるようです。

また Inspiron 15RではSWITCHという、天板カバーの着せ替えシステムに対応していたのに対し、
Inspiron 15R Special Editionは天板の着せ替えには非対応。

ですが、一応 Inspiron 15R と同じように天板カバーを取り外す事ができるようになっており、
今後SWITCHに対応する予定はあるのかもしれません。(ないかもしれません)





筐体側面のインターフェースの内容をみてみます。

左側面の様子。
電源コネクター、VGA、HDMI、USB3.0×2、マイク入力、ヘッドフォン出力を搭載しています。

USB3.0は2基あるうちの片方のみ、USB 3.0 PowerShareという充電タイプのUSB端子が搭載されています。
本体の電源がオフの状態でも充電可能なUSBです。




筐体前面の様子。

前面左側に電源やHDDの状態を示すインジケーターランプ、
右側には8in1メディアカードリーダーを搭載しています。

やや下側に見えるのはSkullcandy製のスピーカー。




筐体右側面の様子。
光学ドライブ、USB3.0×2、LAN、セキュリティケーブル用のロックスロットを搭載。

Inspiron 15R Special Editionのインターフェースの内容は、
スピーカーの内容以外は Inspiron 15Rと同じです。

Inspiron 15R Special EditionにはSkullcandy製のスピーカーが搭載されています。

また、同じオーディオ関連の機能としてWaves MaxxAudio 4も搭載されており、
音質に関してはInspiron 15R よりも若干優れる印象です。

ゲームや映像等の視聴時、ノートPCのスピーカーでもそこそこ聞けるくらいの音質ではありますが、
所詮ノートPCのスピーカーですので知れています。

音楽や映像などの音に拘りたい方は外部スピーカーにつないだ方が良いです。




背面の様子。
中央に天板カバーの開閉ラッチが見えます。

上でも述べた通り、Inspiron 15R Special Edition は天板カバーを取り替えるSWITCHには対応していませんが、
カバーそのものは外す事が出来るようになっています。




天板カバーを取り外した様子。




Inspiron 15R Special Edition の筐体サイズは幅378mm、奥行252mm、高さ29.4~33.4mm。
Inspiron 15Rとほぼ同じサイズですが、高さのみ若干小さいです。(といっても数ミリ)

重量は最少で2.9kg。15.6型サイズなので結構重めです。
もちろん、携帯用として購入する方は殆どいないと思います。




ディスプレイには、15.6型ワイドフルHD(1920×1080)の非光沢液晶を搭載。
最小構成のモデルでは、1366×768ドットのHD光沢液晶となるようです。(2012年9月3日時点)

Inspiron 15Rでは1366×768ドットの光沢液晶しか選択できなかったのですが、
今回のInspiron 15R Special EditionではフルHDの非光沢も選べるなど、
解像度の高い液晶が好みの方には魅力的です。




液晶上部には100万画素のウェブカメラを搭載、液晶下部にはInspironのロゴ。




キーボードの様子。
アイソレーションタイプのキーボードを採用しています。

右端一列にHomeやEndといったキーが並んでいる部分は慣れるまでは使い難いと感じますが、
BackSpaceやEnterキーはやや横幅広めに取られるなど、一応、打鍵ミスを起こし難いような工夫がされています。

キーの打鍵感などはとても良いです。




中央がやや窪む形状のキートップが採用されています。
指先になじみやすい形で打ちやすいです。




タッチパッドの操作性は優秀。

ボタン分離型で、しかもボタンは押し心地が柔らかめに出来ており、
長時間操作を行っていても手が疲れにくいと感じます。




パームレストのデザインは、天板カバーと同じ。
マットな質感で指紋がつきにくいです。




キーボード左上には電源ボタン、右上には各種機能を持つボタンを配置。
ボタンの機能については、次項で簡単に解説しています。




底面の様子。
背面側にバッテリースロット、中央にHDDやメモリ等が納められたスロットが見えます。

メンテナンス性は結構良いです。
自分でメモリの増設やHDDの換装等を行おうと思った場合にも、比較的容易にできます。




電源アダプターは90W。
サイズは15.6型ノートのものとしては普通で、重くはないですが軽くもないです。

プラグの形状はミッキー型。



外観は以上です。

キーの配列等に少し気になる部分はあるものの、操作性は上々で使い易いノートPCです。
液晶にHDの光沢液晶か、もしくはフルHDの非光沢液晶を選択できる部分も良いです。

15.6型で1366×768ドットの解像度だと文字やアイコンなどがやや大きめに表示されるため、
小さな文字が苦手だという方には良いのですが、逆に表示される情報が少なくて使い難いと感じる方もいます。

Inspiron 15R Special Editionは Inspiron 15Rに比べて性能が高いという特徴を持っており、
どちらかというと高性能なノートPCをお探しの方に向くモデルですが、
単純にInspiron 15R の解像度では低いと感じられる方にも良いと思います。




【キーボードベゼル上のボタンの機能は・・】

Inspiron 15R Special Edition のキーボード右上に配置された、3つのボタンの機能を簡単に解説します。



まず、左端のボタンを押すとWindowsモビリティセンターが起動します。

Windowsモビリティセンターはディスプレイの輝度や音量、バッテリー、ワイヤレス接続等の基本機能の設定を行うツールです。

ただ、上半分の機能はWindowsデフォルトのものですが、
下半分に表示された7つの機能はデル独自に提供されているものとなります。

ファンクションキーの機能切り替えが簡単に行えるのは結構便利です。
もちろん、BIOSからでも切り替えできます。




中央のボタンを押すと、画面右下にDell Audio With Presetが現れます。
音楽や映画鑑賞など、マシンの使用場面に応じて音質の設定などを簡単に行う機能です。




そして右端のボタンは、Dell Instant Launch Managerを起動します。

Dell Instant Launch Managerは、右端のボタンに割り当てる機能を自由に設定する為のツール。
コンピューターを参照し、起動するプログラムを自由に割り当てる事も可能です。




【構成とベンチマークテスト結果】

今回掲載している Inspiron 15R Special Edition の主な構成や、ベンチマークテストの結果などを掲載します。

【Inspiron 15R Special Edition の主な構成】

OS Windows 7 Home Premium SP1 64bit
プロセッサ Core i7-3612QM(2.1GHz/TB時最大3.1GHz)
チップセット HM77 Express
グラフィックス Radeon HD 7730M(2GB)
メモリ 86GB(4GB×2/PC3-12800 DDR3 DIMM)
ストレージ 750GB HDD(7200rpm)+32GB SSD(mSATA)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
ディスプレイ 15.6型ワイドフルHD(1920×1080)、光沢なし
無線機能 Centrino Wireless-N 2230、Bluetooth v4.0
バッテリ 6セルバッテリー(Rapid Charge/駆動時間:最大6時間45分)
サイズ 378×252×29.4~33.4(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.9kg(最少重量)

※記載の価格や構成は2012年9月03日時点のものです。

掲載している Inspiron 15R Special Edition の構成は上記の通りです。

今回のモデルはプロセッサには第3世代のCore i7-3612QM と i5-3210Mを搭載可能、
グラフィックスにはRadeon HD 7730M(2GB)を標準で搭載。

ストレージには最大で1TBのHDDを搭載したモデルを選択できるようになっており、mSATA対応の32GB SSDも搭載可。
mSATA対応の32GB SSDを搭載した場合、ISRTに対応します。

先にもあげたとおり、ディスプレイにはHDの解像度を持つ光沢パネルと
フルHDの非光沢パネルが提供されており、今回のモデルにはフルHDの非光沢パネルを搭載。

光学ドライブは標準ではDVDスーパーマルチドライブですが、ブルーレイディスクドライブも選べます。

Inspiron 15R Special Edition は Inspiron 15Rと様々な部分で似ているのですが、
全体的に性能の高い上位パーツを載せる事ができるようになっており、Inspiron 15R では物足りないというユーザーに最適。

逆に、ライトな用途向けのノートが欲しい方や、コスト重視の方にはInspiron 15Rがおすすめです。


なお、今回のモデルに搭載されているRadeon HD 7730Mは、
マシンにかかる負荷に応じて自動でグラフィックスを切り替えるスイッチャブル・グラフィックスに対応しています。

負荷の高いプログラム稼動時にはRadeon HD 7730Mをオンに、そうでない時にはRadeon HD 7730Mをオフにし、
内蔵グラフィックス(HDグラフィックス4000)のみでマシンを稼動させる事で、電力の節約を行います。

通常、この切り替えは自動で行われますが、アプリケーションごとに設定する事も可能です。




Catalyst Control Centerの切り替え可能なグラフィック

この画面に特定のアプリケーションを登録し、省電力かハイパフォーマンスかを設定しておく事で
そのアプリケーション使用時、Radeon HD 7730Mを稼動させるか否かをコントロールする事が可能です。




上記構成の Inspiron 15R Special Edition のベンチマーク結果を見ていきます。

【Win エクスペリエンス・インデックス】

プロセッサ 7.5
メモリ 7.8
グラフィックス 6.6
ゲーム用グラフィックス 6.6
プライマリ ハードディスク 5.9

全体的にスコアは高いです。

グラフィックスのスコアは内蔵グラフィックスのものですが、
内蔵グラフィックス性能もかなり良い事がわかります。

プライマリ ハードディスクはHDDが設定されているため、5.9とそれ程高くは無いスコアですが、
このモデルにはキャッシュ用の32GB SSDが搭載されているため、実際の体感速度はHDDのみの時よりも高速です。



【CrystalDiskMark】

Seq 279.777.64
512K 258.265.73
4K 18.851.227
4K QD32 202.21.279

数値は左がRead、右がWrite

上にも書きましたが、今回のモデルには32GBのキャッシュ用SSDが搭載されているため、
読み込み速度を表すスコアのみ、かなり数値が高くなっています。

実際、HDDのみでマシンを利用するよりも体感速度はかなり速く・・

キャッシュ用のSSDは、頻繁に利用するプログラムのファイルをキャッシュするという傾向にあるため、
余り使用しないアプリケーション使用時などは、HDD利用時の速度と変わらない時もあるなど常に高速なわけではありません。

ですが、比較的安価に高速な環境を手に入れる事ができるため、最近のPCの多くに採用されています。



【CrystalMark 2004R3】

Mark ・・・ 221825
ALU ・・・ 62807
FPU ・・・ 51673
MEM ・・・ 56955
HDD ・・・ 25481
GDI ・・・ 15724
D2D ・・・ 2201
OGL ・・・ 6984



【3DMark06】

3DMark score ・・・ 9497
SM 2.0 Score ・・・ 3605
SM 3.0 Score ・・・ 3598
CPU Score ・・・ 5518



【3DMark11】

3DMark score ・・・ P1673
Graphics Score ・・・ 1478 (4種のGraphicsテスト)
Physics Score ・・・ 6963 (CPUベースの物理演算)
Combined Score ・・・ 1462 (GPUとCPUの両方へ同時に負荷をかけるテスト)

今回のモデルはRadeon HD 7730Mを搭載しており、グラフィック性能は比較的高めです。

Radeon HD 7730Mは外部グラフィックスとしてはほどほどに良いという性能のカードですが、
やはり内蔵グラフィックスと比べると高性能です。
軽~中程度の負荷のPCゲームであれば、設定を重くしなければ快適に遊べるでしょう。

なお、ゲーム系のベンチマークも行ったのですが、
きちんとしたスコアが測定できなかったため、今回は掲載しません。

上記に掲載のベンチマーク結果のみでも、十分に性能はわかっていただけるかと思います。




次に、Inspiron 15R Special Editionの消費電力。
アイドル時とベンチマーク(デビルメイクライ4)実行時の消費電力を測定しました。

アイドル時 ・・・ 11W
ベンチマーク実行時 ・・・ 43W

※実際の値は若干上下する為、平均と思われる値を掲載しています

消費電力はいずれの場合も低いです。
外部グラフィックスを搭載しているわりには、ベンチマーク実行時の消費電力もそれ程高くはなりませんでした。




続いてInspiron 15R Special Edition筐体内部の一部パーツの温度について。
アイドル時とベンチ(デビルメイクライ4)実行時のパーツの温度を測定してみました。


※HDDやGPU等の温度が表示されなかったため、今回はCPUのみの温度を見ていただければと思います。

負荷の高い作業を長時間行うとパーツの温度が上がりますが、それ程高くはなりませんでした。

今回のモデルでは、比較的負荷のかかる作業を行われる場合もあるかと思いますが、
CPUの温度が上記の数値であれば、特に気にする必要はなさそうです。




負荷をかけた際、若干筐体の表面が熱くなるように感じられたため、
負荷をしばらくかけ続けた後の筐体表面の温度も計測してみました。

筐体右半分は29~30度と低めですが、左半分は36~38度とやや高め。

左側のキーボード表面などは体温以上の温度であるため、手を触れると温かく感じられます。
夏場の暑い時期の操作だと若干不快に感じられる事もあるかもしれません。




最後に、Inspiron 15R Special Edition のバッテリー駆動時間について。
bbenchを使用してバッテリー駆動時間を測定してみました。

設定はストロークが10秒毎で、ネットへのアクセスが60秒毎。
画面の輝度はちょうど中間程度の明るさになるように調整してあります。

バッテリーの電力が100%の状態から5%の状態になるまでの時間は15786秒。
約4.4(4.385)時間ものバッテリー駆動が可能であるようです。

バッテリー駆動時間の公称値は最大6時間45分と記載しましたが、
これは下位モデルの構成で最も長くバッテリーの電力が持続した場合の時間だと思います。

今回のマシンの構成で約4時間半のバッテリー駆動時間だというのは、長くはないですが短くもなく。

携帯用途のノートPCではないため、バッテリーの駆動時間はそれ程気にする部分ではないですが、
万が一バッテリーで利用する事になった場合にも、しばらく使えるくらいの駆動時間は備えています。




【Inspiron 15R Special Editionのまとめ】

最後に、Inspiron 15R Special Edition の長所や短所、特徴などをまとめてみます。
主観も多く入るため、参考程度にお願いいたします。

【長所】

・比較的操作性が高い(キーボードやタッチパッドなど)
・Inspiron 15Rよりもパフォーマンスの高いパーツの選択が可能
・HDの光沢液晶だけでなく、フルHDの非光沢液晶も選択可能
・内容の割りに価格は安め

【短所】

・キーボードの一部配列が人によっては慣れるまで使い難いかもしれない
・SWITCHに非対応

操作性の高さについては Inspiron 15R(NEW Inspiron 15R)のレビュー記事でも述べましたが、
Inspiron 15R Special Edition はキーボード、タッチパッド共に使いやすく出来ており、
長時間操作を行っていても疲れにくいです。

構成内容は決められた範囲の中で変える事ができますが、操作性に関係のある部分は変える事が出来ないため、
ノートPCを選ぶ際、キーボードやタッチパッドの使い易さはかなり重要です。

あとInspiron 15R Special Editionでは Inspiron 15Rに比べて上位のパーツを選択できるようになっており、
ディスプレイにはフルHDの非光沢液晶も選択可能、またスピーカーもSkullcandy製のものを搭載するなど
様々な部分で性能は高いです。

ただ性能は高くとも、内容の割りに価格は低めに設定されており、
コストパフォーマンスは Inspiron 15Rと同じように高いです。


一方で、キーボードの配列にやや使い難いのではないかと思われる部分があります。
(右端一列にHome等のキーが並んでおり、EnterやBackSpaceなどを押す際に誤って押してしまう可能性)

ここは好みもあるので一概に悪いとは言えないのですが、慣れるまで使い難いと思われる方はおられると思います。
キーボードは指なじみがよく打鍵感も柔らかめで使いやすいのですが、その部分だけが少し残念です。

あとこのモデルはSWITCH(天板カバーの着せ替えシステム)に対応していません。

なのでデザイン面に関しては、選択の余地がないのですが、
天板を外せるようにはなっているので、今後対応する事があるのかもしれません。


総合してみると目立った欠点もなく、使いやすくコストパフォーマンスに優れたノートPCだといえるでしょう。

Inspiron 15Rでは物足りない方、性能の高い15.6型ノートをお探しの方に、
このInspiron 15R Special Edition は向いているといえます。

購入を検討されている方は、製品ページの詳細をチェックしてみてください。