HP ENVY15-3000 レビューのまとめ 製品の長所・短所などをまとめてみる
ENVY15-3000 のレビューの続きです。
(前→ ENVY15-3000 のスイッチャブル・グラフィックスのモードをBIOSより変更する)
これまでENVY15について幾つかの記事を書いてきましたが、
それらの記事の内容を元に、ENVY15を簡単にまとめてみたいと思います。
最初に簡単に製品の良いと思われる部分、いまいちだと感じる部分を上げておくと・・
【良いと思う部分】
・デザインに拘り
・音質がノートPCにしては良い
・液晶が綺麗
・パフォーマンスが高い
【いまいちだと感じる部分】
・キーボードが英語版のみ
・タッチパッドが使い難い
・Adobe Photoshop ElementsやPremiere Elementsな等のソフトウェアが標準搭載(非搭載を選べない)
となります。
個人的な見解も多く、他の方がこの製品を使用したときに同じように感じるかは分かりませんが、
製品の特徴を理解する上である程度の参考になるのではないかと思います。
というわけで、上記の内容について細かく見ていきます。
まずは良いと感じる部分について。
■デザイン
ENVYブランドに共通する特長として、デザインへの拘りが上げられます。
ここを長所と見るかそうでないかは人によって異なると思うのですが、最近は見た目重視のユーザーも多いので、
見た目がよければ操作性等が多少犠牲になっていても構わないという方もおられると思います。
今回のENVY15もデザイン重視で作られたモデルだと思うのですが、パッと見はかなりシンプルです。
特に天板が地味なので、ディスプレイを閉じてしまうと
HPの他の安価な価格帯のノートとそれ程違いがないように感じてしまうのですが、
キーボード周りの質感や配色は個人的に結構好みです。
キーボード周りの素材は金属そのものですが、柔らかい雰囲気です。
この部分は指紋がついても目立ちません。
逆に天板の素材の質感はあまり好きではないため、天板がここと同じような素材だったら・・と思いますが、
ボディが15.6型サイズと小さくはないので、目立つ部分が金属質だと見た目にうるさいかもしれません。
キーボードとキーボードベゼルと段差の部分に、朱色のラインが入っています。
ENVY15は全体的に上品なイメージのデザインですが、このラインが入る事によってカジュアルな印象をも受けます。
この辺のデザインは好きです。
■音楽
元々、日本ではじめに登場したENVYは Beats Editionと呼ばれる音質に拘ったモデルでした。
その後に登場したモデルにおいても、特に音質について触れていなくとも、
先のモデルと同じようにBeats Audioテクノロジーを搭載しており、やはり音質には拘っています。
以前にない特徴としては、このENVY15にはダイヤル式のアナログ・ボリュームコントローラー
(Beats Audioソフトウェアの起動ボタンでもある)が搭載されています。
またENVY15の筺体には、前面2基、キーボード上部に2基、底面に2基のステレオスピーカーが搭載されており、
さらにサブウーファーを底面に2基搭載するなど、他のノートPCには見られない構造を持ちます。
HPの製品には、このENVY以外にもBeats Audioテクノロジーを搭載したモデルが存在しますが、
ENVY15とそれらのノートPCとは音への拘りが大きく異なる事が見てとれます。
アナログ・ボリュームコントローラー。
ボタンによる音量調整ではなく、ダイヤルによる微細な音量調整を行う事ができます。
Beats Audioソフトウェア。
音源を、分かりやすい画面を利用してイコライジングする事が出来ます。
作成したプリセットを保存する事も可能です。
■液晶
このENVY15には、15.6型のフルHD(1920×1080)光沢液晶が搭載されています。
従来のENVYにはサイズの割りに比較的低解像度な液晶を搭載したモデルが多かったのですが、
解像度の高い画面の方が使いやすいと思う自分にとっては、ENVY15の液晶はとても使い易いです。
色の発色(特に黒色)もよく、写真等を見たりする際にコントラストのはっきりした画像をみることができます。
従来のENVYの液晶はいまいちだと思うものが多かったので、
今回のモデルにもそれ程期待していなかったのですが、液晶はとても綺麗です。
ただ穿った見方をすると、画像編集や動画編集ソフトがデフォルトで搭載されているモデルですから、
液晶もある程度の質のものが搭載されていて当然だといえるかもしれません。
■ハイパフォーマンス
掲載モデルの構成や詳しい性能については、ベンチマークのページをご参照下さい。
ここでは簡単に触れます。
製品の価格的に当然かもしれませんが、掲載のENVY15-3000にはCore i7-2670QMや8GBのメモリ、
300GBのSSD、Radeon HD 7690Mが標準搭載されており、パフォーマンスは高いです。
特にSSDは300GBとサイズが大きく、SSDだと容量面で不安という方にも対応可能です。
(量販店モデルには750GB HDDを搭載したモデルも用意されています)
ゲームはFF14などの高負荷なものは、低解像度モードで普通にプレイできるといった感じで、
ゲーム向PCとして利用するにはやや物足りない感もありますが、
軽め~中程度の負荷のゲームは快適にプレイできる性能を持ちます。
注意点として、このモデルはスイッチャブル・グラフィックス機能に対応しており、
マシンにかかる負荷の状況に応じて、内蔵グラフィックス(HDグラフィックス3000)と
外部グラフィックス(Radeon HD 7690M)の切り替えが自動で行なわれます。
常に高いパフォーマンスでマシンを利用されたい方もおられると思うのですが、
そういった場合でも、マシンにかかる負荷の強さによっては内蔵グラフィックスに切り替わってしまうなど、
意図したパフォーマンスを保てない事があります。
常に内蔵グラフィックス、または外部グラフィックスのどちらかに固定して利用されたい方は、
スイッチャブル・グラフィックスのモードを切替えてやる必要があります。
(スイッチャブル・グラフィックスのモードの変更方法についてはこちら)
次に、短所だと思われる部分(私的に)について。
■キーボード
今にはじまった事ではありませんが、この製品には英語版のキーボードしか用意されていません。
英語版キーボードがこの製品の世界観にマッチするという理由からだったと思います。
人によって意見が分かれると思いますが、英語版キーボードだと使いにくいと感じる方もおられると思うので、
できれば日本語版キーボードも用意されていると良かったです。
■タッチパッド
HPの製品のレビューでは何度も書いたことですが・・
HPのノートには一体型のタッチパッドを採用したものが多いです。
最近はそうでないものも増えましたが、
デザイン重視のモデルにおいては一体型タッチパッドを採用したものが多いです。
元々、自分が一体型タッチパッドの使用感が好きでないという理由もありますが、
このENVY15に搭載されているタッチパッドはパッド部分は指すべりが良く使いやすいのですが、
クリックボタンがやや硬めに出来ているため、長く使うと指がとても疲れます。
ただ、このモデルに関してはサイズ的に携帯して利用する事はそれ程多くないと思うので、
普段からマウスを利用すれば問題はないと思います。
ただ使いにくいことには変わりはないので、自分の中ではマイナスポイントとしてあげています。
■プリインストールソフトウェア
この製品には、Adobe Photoshop ElementsやPremiere Elementsといった
画像や動画を編集するソフトウェアが標準で搭載されています。
ソフト自体は画像や動画を扱う方にとっては使いやすいもので、これらのソフトウェアを使う方にとっては、
別途ソフトを購入してインストールするよりも安く上がるので良いと思います。
ただ、非搭載を選ぶ事が出来ない為、ソフトを利用しない方にとっては無駄になってしまいます。
クリエイティブな作業を行なうユーザー向けのモデル・・というコンセプトは理解出来ますが、
ENVYを欲しいと思うユーザーが皆このソフトを利用するかというと、そうではないと思うので、
搭載しないというカスタマイズができれば良いと思います。
と言う感じで、良い部分もありますがいまいちだと感じる部分もあり、
ユーザーによって好みが分かれるモデルではないかと思います。
ただ、以前のENVYに比べると内容は良くなっており、使い勝手は良いです。
カスタマイズが行なえないので、安価な製品をお探しの方には向きませんが、
ENVYのデザインが好きな方、上記に記載したAdobeのソフトウェアを利用される方にとっては悪くは無い内容だと思います。
なお、今回の直販(HP DirectPlus)モデルとは別に、量販店向けとして750GBのHDDを搭載したモデルもリリース
されていますが、Core i5-2450M、4GBメモリ、Radeon HD 7690Mと性能はそこそこ良いとは思われるものの、
液晶の解像度が1,366×768とやや中途半端な内容であるという感が否めません。
直販のSSDモデルは約14万円近い価格と高価ではありますが、
量販店モデルにおいても約11万円~13万円近い価格である事、またその構成内容などを考慮すると、
SSDを搭載した直販モデルの方がコストパフォーマンスは良いです。
HPのサイトによると、SSDモデルは好評につき残り台数僅かとの事ですので、
購入を検討されている方は早めに公式サイトをチェックしてみて下さい。
→ HP ENVY15-3000 レビュー 最上級ENVYシリーズの15インチモデル 外観をチェック
→ ENVY15-3000 の性能を検証してみる 仕様の特徴やベンチマークの結果などを掲載
→ ENVY15-3000 のスイッチャブル・グラフィックスのモードをBIOSより変更する
→ ENVY15-3000 レビューのまとめ 製品の長所・短所などをまとめてみる (現在の記事)