★本ページはプロモーションが含まれています★

Optimus搭載の Thinkpad T510レビューの続きです。
今回は、掲載している Thinkpad T510 の構成やベンチマーク結果等を掲載したいと思います。

3D設定

今回の T510 には「 NVIDIA Optimus 」という、内蔵グラフィックスと外部グラフィックスを、
場面に応じて使い分ける事のできる自動切替機能が搭載されています。

この自動切替機能(NVIDIA Optimus)は、グラフィックスのパワーが必要な時には外部グラフィックスを、
そうでない時には内蔵グラフィックスのみを稼動させる事で、無駄な電力消費を抑える事が出来るという技術。

従来の外部グラフィックス搭載ノートPCは、常にパフォーマンスを高く保つ事ができますが、
パワーが必要でない場合にも高いパフォーマンスで駆動してしまう為、
バッテリーの持続時間が短くなってしまうのが欠点でした。

ですが今回の Optimus 機能を搭載したマシンであれば、
場面に応じてGPUの自動切換が行われる為、不要な電力消費を抑える事が出来ます。

特に、普段からマシンを携帯する事が多い方(バッテリーで使用される方)などに便利な機能ですが、
そうでなくとも電力の無駄な消費を抑える事が出来るなど、長いスパンで見ると大幅な省エネに貢献するでしょう。


というわけで以下、その Optimus 機能を搭載したT510のベンチマーク結果です。

今回は特に、内蔵グラフィックスのみでの稼動時と、
外部グラフィックス稼動時の性能差がどの程度のものなのか、という事に焦点をあててみました。



まず最初に、今回掲載している Thinkpad T510 の主な構成です。

T510の構成

【Thinkpad T510 Optimus (4349PJ4)の主な構成】

OS Windows 7 Professional 64bit
プロセッサ Core i5-560M(2.66GHz)
チップセット QM57 Express
グラフィックス HDグラフィックス、NVIDIA NVS 3100m Optimus Graphics(512MB)
メモリ 4GB(2GB×2/PC3-8500 DDR3 SDRAM/最大8GB)
ストレージ 320GB HDD(7200rpm)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ(脱着式)
ディスプレイ 15.6型HD+(1,600×900)、光沢なし
無線機能 Centrino Advanced-N + WiMAX 6250、Bluetooth v2.1 + EDR準拠
バッテリー 9セル(駆動時間:約8.4時間)
サイズ 372.8×245.1×35.8(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.72kg
保証 3年

T510の上記の構成で ¥207,900(税込)。

Tシリーズは、Thinkpadの14~15.6型モデルの中でも価格設定が高めですが、
セキュリティチップの搭載や脱着式のDVDドライブなど、細部の構成は充実しています。

さらに、今回のモデルではOptimus機能に対応したNVIDIA NVS 3100mを搭載しており、
内蔵のHDグラフィックスと、NVIDIA NVS 3100mの両方を利用する事が可能です。

なお、冒頭でも述べましたが NVIDIA Optimus は実行するアプリケーションごとに、
自動で最適なグラフィックスの選択を行います。

ですので、特にユーザー側で何か設定などを行う必要はありません。

ですが今回は、内蔵グラフィックスのみでのパフォーマンス、
そしてNVIDIA NVS 3100m稼動時のパフォーマンスをそれぞれ測る為、
手動でグラフィックスを指定してベンチマークを行ってみました。



3D設定の管理

NVIDIAコントロールパネル。

NVIDIA Optimus の詳細な設定は、
NVIDIAコントロールパネルの「3D設定の管理」より行う事ができます。

アプリケーションごとのグラフィックス機能の指定は、
このコントロールパネルで予め設定しておく事も可能ですし、
アプリケーション実行時に稼動するグラフィックスを指定する事も可能です。



NVIDIAプロセッサ

統合型グラフィックス

上のように、アプリケーションごとに予め稼動するグラフィックスを設定しておく事が出来ます。

通常は、パフォーマンスが必要であれば自動で外部グラフィックスがオンになりますが、
常時使用するアプリなどでは、内蔵グラフィックスのみで稼動して欲しいものもあると思います。

そういった場合に、グラフィックスの動作を予め設定しておくと便利です。



なお、予め稼動するグラフィックスを指定しておくのではなく、
アプリケーション実行時に、稼動するグラフィックスを指定する事も可能です。

NVIDIAコントロールパネル

NVIDIAコントロールパネルの上部メニュー「表示」内の、
グラフィックスプロセッサと共に実行 オプションをコンテキストメニューに追加する」にチェックを入れます。

ここにチェックを入れると・・



グラフィックスプロセッサと共に実行

各アプリケーションを右クリックした際に表示されるコンテキストメニュー内に、
グラフィックスプロセッサと共に実行」というオプションが追加されます。

アプリケーション起動の際、このオプションのいずれかを選択する事で、
稼動するグラフィックスを指定する事が可能です。
統合型グラフィックス選択時には内蔵グラフィックスのみでの稼動
高パフォーマンスNVIDIA選択時には外部グラフィックスが稼動


なお、ここでは内蔵グラフィックス稼動、外部グラフィックスでの稼動といったように、
あたかもどちらかのグラフィックスのみが稼動しているような記述をしています。

ですが正確には、常に内蔵グラフィックスは稼動しており、
その上でその時の状況によって外部グラフィックスのオンオフが行われるという形になります。
(外部グラフィックス稼動時にも内蔵グラフィックスは稼動)
NVIDIA Optimus 機能の概要と スイッチャブル・グラフィックスとの違い



というわけで以下、T510のエクスペリエンス・インデックスのデータと、
その他のベンチマークプログラムにおける内蔵グラフィックスのみでのベンチマークスコアと、
NVIDIA NVS 3100m 稼動時のベンチマークのスコア比較です。

【Win エクスペリエンス・インデックス】

エクスペリエンス・インデックス

プロセッサ 6.9
メモリ 5.9
グラフィックス 4.5
ゲーム用グラフィックス 5.7
プライマリ ハードディスク 5.9

エクスペリエンス・インデックスに関しては比較データがないのですが、
上記のような内容のスコアとなりました。

基本スコアは グラフィックスの4.5。

このスコアは NVIDIA NVS 3100m が稼動している為、
内蔵のHDグラフィックス稼動のみのモデルよりも、グラフィックス関係のスコアが高めです。



【CrystalMark 2004R3】

【HDグラフィックス】
内蔵グラフィックスでのCrystalMark 2004R3

【NVIDIA NVS 3100m】
外部グラフィックスでのCrystalMark 2004R3

CrystalMark 2004R3 ThinkPad T510(HDグラフィックス) ThinkPad T510(NVIDIA NVS 3100m)
Mark 123320 136029
ALU 36314 36205
FPU 36258 36312
MEM 24612 24445
HDD 9740 9802
GDI 11983 12074
D2D 1824 1793
OGL 2589 15398

CrystalMark 2004R3 各項目の意味

左列が内蔵グラフィックス(HDグラフィックス)のみ稼動時のスコア、
右列がNVIDIA NVS 3100m(外部グラフィックス)稼動時のスコアです。

みると分かるとおり、NVIDIA NVS 3100m稼動時のスコアにおいて、
3Dグラフィックスのスコアのみ飛びぬけて高数値となっています。

その他のスコアに関しては、殆ど変わりません。



【3DMark06】

【HDグラフィックス】
内蔵グラフィックスでの3DMark06

【NVIDIA NVS 3100m】
外部グラフィックスでの3DMark06

3DMark06 ThinkPad T510(HDグラフィックス) ThinkPad T510(NVIDIA NVS 3100m)
3DMark score 1937 3721
SM 2.0 Score 604 1368
SM 3.0 Score 764 1359
CPU Score 3130 3107

3Dパフォーマンスを測るベンチマークでも、やはり3D性能関係のスコアに差が出ました。

HDグラフィックスのみでの実行時と、
NVIDIA NVS 3100m稼動時のスコアでは倍ほどの差があります。

実際のデモ映像においては、極端に見た目が変化するという事はありませんが、
NVIDIA NVS 3100m稼動の方が、やや処理が重くなった時などの映像のコマ落ちがましです。



【モンスターハンターフロンティア 絆】

【HDグラフィックス】
内蔵GPUでのモンスターハンターフロンティア 絆

【NVIDIA NVS 3100m】
外部GPUでのモンスターハンターフロンティア 絆

モンスターハンターフロンティア 絆 ThinkPad T510(HDグラフィックス) ThinkPad T510(NVIDIA NVS 3100m)
平均 763~765 1242~1244

こちらも3DMark06同様、NVIDIA NVS 3100m稼動の方がスコアは高め。

ですが NVIDIA NVS 3100m自体、やや重い処理を行うビジネス用途向けのグラフィックスで、
3Dゲームを行う程のパフォーマンスを持ちあわせているわけではないため、
スコアが高めだとはいってもそれ程高いわけではありません。あくまでも比較です。



【FINAL FANTASY XI】

【HDグラフィックス】
内蔵GPUでのFINAL FANTASY XI LOW内蔵GPUでのFINAL FANTASY XI HIGH

【NVIDIA NVS 3100m】
外部GPUでのFINAL FANTASY XI LOW外部GPUでのFINAL FANTASY XI HIGH

FINAL FANTASY XI ThinkPad T510(HDグラフィックス) ThinkPad T510(NVIDIA NVS 3100m)
LOW 3956 9177
HIGH 2539 6629

そしてFINAL FANTASY XI。
こちらはかなりスコア差があります。

一口にベンチマークといっても、各プログラムで必要とされる
パフォーマンスの内容は異なりますので、このような結果になります。


総合して考えた場合、日常的な作業ではHDグラフィックスでもそれ程ストレスは感じませんが、
やや重い処理をした際などに、動作が鈍くなる事があります。

NVIDIA NVS 3100m稼動のT510は、そういったやや重めの処理時でも快適に作業できる性能を持ちます。

普段はNVIDIA Optimus機能によってGPUの切替が自動で行われますので、
意識せずとも快適な状態を保つ事ができ、かつ意識せずバッテリーの節電も可能。

現在、地震の影響で節電が各所で行われていますが、いくら節電とはいっても、
パフォーマンスを落として作業が滞るようでは仕事になりません。

そういった意味でも、必要な時に必要なだけのパフォーマンスを提供する事のできる NVIDIA Optimus は、
現状に即したとても合理的な技術ではないかと思います。


なお、今回の Optimus 以前にも スイッチャブル・グラフィックスというGPU切替機能が存在していました。

そちらのテクノロジーも Optimus と同じように、
内蔵グラフィックスと外部グラフィックスの切替を行う事ができるというものでしたが、
完全な自動切換がなされるというわけではなく、多くの場合手動で切替える必要がありました。
(バッテリー駆動にすると、内蔵グラフィックスのみの稼動に変わるという自動切換機能はあった)

また、グラフィックスの切替時にはアプリケーションを全て終了させる必要もありましたし、
切替時には画面のブラックアウトが発生してしまうなど、便利とはいえない部分が所々に存在していたのですが、
NVIDIA Optimus ではそういった懸念は全て解消されています。

過去記事にはNVIDIA Optimusのより詳しい内容を掲載していますので、
詳細を知りたい方はそちらに目を通していただければと思いますが、詳細を見なくとも、
Optimus 機能がかなり便利な機能であるという事はお分かり頂けたのではないかと思います。

というわけで、Optimus搭載の Thinkpad T510 のパフォーマンスについては以上となりますが、
まだしばらくT510のレビューは続きます。