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Thinkpad L412 のレビューの続きです。

前回の記事では、L412の構成や実際のパフォーマンスをチェックしました。
(前の記事→ Thinkpad L412 の性能はどの位? 各種ベンチマーク結果などを掲載

今回の記事では L412 の特徴などをまとめると共に、
他の14型~15.6型のThinkpadとの比較も簡単に行ってみたいと思います。

L412

というのも、Thinkpad では14~15.6型の液晶を搭載したモデルが多数存在しており、
価格・方向性共に非常に似通ったシリーズの共存も見受けられます。

例えば14~15.6型のTシリーズと今回のLシリーズであれば、価格帯も内容も明らかに違いますので、
Tシリーズは○○向け、Lシリーズは○○向け・・といった感じにはっきりと振り分ける事が出来ると思うのですが、
それでは14型のEdge 14”等ではどうでしょうか。

一応、Lシリーズは Edge と Tシリーズの中間的な存在、Edgeよりもやや上位の製品だという認識です。

ただ内容を見ていると、同等の内容なのに Edge 14”の方が大幅に安価なパッケージなども存在しており、
内容が似ているのであればやや高価なL412を選ぶメリットと何かと考えてしまう事があります。

とまあ、今回はそういった事柄について簡単に触れてみました。


というわけで以下、L412のまとめと比較です。


最初に Thinkpad L412の主な特徴です。

L412

【L412 主な特徴】

・SLシリーズと同じデザイン(6段キーボード、筺体は殆どSLそのもの)
・サイズもI/Oも性能もスタンダード(作業は快適ですがゲームが出来るほどではない)
・低価格、比較的規模の大きい企業向け

LシリーズはSLシリーズと同じ、6段のスクエアキーボードを採用しています。

キーボードだけではなく、筺体のデザインやインターフェースの内容もよく似ている事より、
昨年(2010年)のLシリーズ登場よりずっと、L はSLシリーズの後継だと考えているのですが、
いまだにSLシリーズは販売されていますし、今後その辺のラインアップがどうなるのだろうかと思ったりします。

一応Lシリーズは以前存在していたRシリーズを継ぐ製品だという声もあるようで、
まあ色々な意見はあっても、カテゴリ的には低価格帯の標準的な内容の製品だという事には変わりありません。


ちなみに、自分の印象としては内容は悪くないと思うのですが、他シリーズに比べて地味すぎます。

ここでいう「地味」とは色々なものが標準的に揃ってはいるけれど突出したものがない、
という製品そのもののイメージでもありますし、実際の製品のプロモーションにおいても、
何か目立った事が行われているかというと全くそんな事はなく、他の14~15型の製品に比べるとかなり地味です。

ですが実際に触れてみた感触としては、地味ではありますが
一通りの事をそこそこの高いレベルでこなす事ができるノートだと思います。



次に 冒頭でも軽く触れていた他の14型ノートとの比較・・Thinkpad Edge 14”と L412 との違いですが、
昨年これら2モデルが登場した当初は、価格的にもそれ程大きな差はなかったように記憶しているのですが、
現在は時期的なものも手伝ってか、Edge はかなり低価格になりました。

元々、Edge は L シリーズとは異なり、
同じビジネスモデルでもどちらかというとコンシューマ寄りにある製品ですので、
やはり価格はできるだけ安くある必要があります。

実際、L412 と Edge 14”では、内容は殆ど変わらないのに価格は1万円以上もの差があるパッケージなどもあり、
簡単に見ただけだとなぜそのような価格差が出るのか、不思議に思う方もいるのではないかと思います。


というわけで、例としてほぼ同構成の L412 と Edge 14”を比べてみます。

【ThinkPad Edge 14”バリューパッケージ】

OS Windows 7 Home Premium 64bit
プロセッサ Core i5-480M
チップセット HM55 Express
グラフィックス HDグラフィックス
メモリ 4GB(2GB×2/PC3-8500/最大4GB)
ストレージ 500GB HDD(5,400rpm)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
ディスプレイ 14.0型HD(1366×768)、光沢なし
無線機能 ThinkPad IEEE 802.11b/g/n
バッテリー 6セル(駆動時間:約5時間)
サイズ 344×233×31.8~37(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.25kg

上記構成の ThinkPad Edge 14”のキャンペーン価格は¥59,850(税込)。


【ThinkPad L412 バリューパッケージ】

OS Windows 7 Home Premium 32bit
プロセッサ Core i5-480M
グラフィックス HDグラフィックス
メモリ 4GB(2GB×2/PC3-10600/最大8GB)
ストレージ 500GB HDD(5,400rpm)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
ディスプレイ 14.0型HD(1366×768)、光沢なし
無線機能 Centrino Advanced-N 6200
バッテリー 4セル(6セル場合の駆動時間:約5.25時間)
サイズ 344×233×32~36(幅×奥行き×高さ/mm)
重量 約2.37kg

上記構成の ThinkPad L412 のキャンペーン価格は¥77,700(税込)。


上に上げたL412 と Edge 14”は、ほぼ同じ構成です。
(32bitと64bit、無線LAN機能、バッテリーの種類、メモリモジュールの規格等の違いはあります)

同じ構成であるのにも関わらず、キャンペーン価格だけを見ると随分価格差がありますが、
ダイレクト価格は、上記のEdge 14”が¥163,065、L412では¥167,790ですので、
元値にはさほど差があるわけではありません。

ですので、現在販売されている製品に関しては、
Edge 14”の方がコストパフォーマンスにかなり優れているといえます。


では、価格の高い L412 を選ぶ理由とは何かという話になるのですが、
一応 Lシリーズは企業向けなだけあってセキュリティチップが搭載されています。

またLシリーズでは9セルのバッテリーやWiMAXの選択も可能、
プロセッサやメモリなどでも構成の幅がやや広く、Edge 14”よりもカスタマイズ内容に優れます。

ただ、価格差が大きいだけに、構成の細かな違いなどは、
選ぶ理由としてはやや説得力に欠けるかもしれません。


そういった細かい部分での違いがある中、もしも自分が Lシリーズを選ぶとしたら、
筺体やキーボードの操作感の違いが理由になると思います。

そもそも両モデルでは、構成云々以前に筺体自体が異なるという大きな違いをもっており、
キーボードも Lシリーズにはスクエアタイプ、Edgeにはアイソレーションタイプのキーボードが採用されています。

L412のキーボード

キーボードだとかインジケーターランプの有無とか、細かい事を言い始めるとキリがありませんが、
ビジネス用のメインマシンとしては、やはりLシリーズの方が操作性は良いと思うのです。

もちろん好みなどもありますので、一概にどちらが良いとは言えません。
あくまでも自分がそう感じるという事です。

仕事などでフルに使うマシンを購入するのであればLシリーズを選択、
どちらかというとネットやメールなどの普段使い・・サブノートとして購入するのであればコストパフォーマンスの良い Edge 14”を選択し、予算に余裕が出た分、やや上位の構成を選択・・なんていうのも良さそうです。


少し脱線しますが・・

Thinkpadに限ってはこれまでのスクエアタイプの伝統キーボードのイメージが非常に強いため、
他メーカー以上にアイソレーションタイプのキーボードへの評価が厳しい気がします。

ですので、そのイメージのまま Edge や L シリーズのような低価格モデルを見た場合、
従来のマシンにより近い(※) Lシリーズの方が良いという意見になるかもしれません。
※従来キーボードは7段配列、Lは6段なので、キー配列などは従来のものとは異なります。

ですが、最近はアイソレーションタイプのキーボードも使いやすいものが多く、
逆にそちらの方が良いという方もいますので、最近Thinkpad使い始めた方や、
従来のThinkpadキーボードに拘りがない場合などは Edge の方が好みだと思う方もいるかもしれません。

自分に関しては、やはり使用期間の長いスクエアタイプのキーボードの方に慣れているので、
どちらが良いかときかれればやはりスクエアタイプのキーボードになります。
ですが、アイソレーションタイプのキーボードも最近のものは結構使い易いものもあり、
使い難いと思い込んでいた以前とは、またちょっと考えを変えています。



話にまとまりがないので、最後に簡単にまとめます。

【Thinkpad L412 特徴】

・14型液晶・6段配列のキーボード(SLと同じ)
・機能、インターフェース、性能は標準的(ビジネス用途としては十分)
・堅牢性・信頼性と低価格を両立(企業向け)

【Thinkpad L412 14型モデル内での位置づけ】

Thinkpad SL410
Lシリーズの廉価版(?)

Thinkpad Edge 14”
コンシューマよりのビジネスノート。
コンシューマ層のユーザーにも馴染みやすいデザインと価格設定。

Thinkpad L412
Thinkpadの堅牢性・信頼性を保ちながらも低価格を実現。
コストダウンの為か、やや従来のThinkpadとは異なる部分があり。

Thinkpad T410/T410s
ハイパフォーマンスモデル。
重量、パフォーマンス、筺体など、Thinkpadならではの拘りを持つ高級機。

自分の考えなども含めての分類ですので、実際には異なる部分もあるかもしれませんが、
大体上記のような感じだと思います。

Tシリーズのような拘りのモデルも良いですが、
大量に導入するのであれば、Lシリーズは無駄がなくて良いです。


ちなみに個人で購入するのであれば、Lシリーズは自宅での仕事用かなあと思います。
重さ云々の理由もありますが、やはり携帯するのはXシリーズやTシリーズの方がスマートです。

Lシリーズは性能・機能には無駄はないかもしれませんが、
見た目はどっしりとしていて無骨な感じなので・・(あくまでも自分の意見です)

作業を行うコンピュータとしては、地味でも質は確かな製品だと思います。


というわけで長くなりましたが、Thinkpad L412のレビューは以上です。
次期モデルの L420 が日本で発表される日を待ちたいと思います。