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先日発表・発売された、NVIDIA Optimus という機能を搭載した新しいThinkpad Tシリーズ。

以前、このサイト上でもOptimusという機能の概要や、
それが搭載された Thinkpad T410s や T510 などの Tシリーズの詳細を何度か掲載しました。

T410sのデバイスマネージャ

簡単に述べると、このOptimusテクノロジーとは、一つのマシンに2つのグラフィックス・・
内蔵グラフィックスとディスクリートグラフィックスを搭載し、
マシンの負荷状況に応じてパフォーマンスの高いディスクリートグラフィックスを有効にしたり、
無効にして消費電力を節約する機能
の事です。

といっても特別新しい技術などではなく、Optimus 以前よりグラフィックスの切替技術というものは存在しており、
ユーザー自らが状況に応じて高性能な外部GPUや、省電力性に優れた内蔵GPUを切り替える事が出来ました。

ただ、これまでの技術では手動での切替操作が必要であった事、
また切替時には全てのアプリケーションを一旦終了させなくてはならないなど、
非常に便利な機能であるかというとそうでもなく・・

利用を懸念する声も多く、一時はこのグラフィックスプロジェクトの存続自体が危ぶまれる状況にも陥ったそうです。


ですが、Optimus テクノロジーの導入によって、そのような懸念は一気に解消。

Optimus 機能を搭載する T410 や T410s、T510 等のマシンでは、
マシンの状況に応じてGPUの切替が自動で行われる
為、ユーザーがそれを意識する事はありません。

T410s NVIDIAテストツール

厳密に述べると、内蔵・外部のグラフィックスを切り替えているのではなく、常に内蔵グラフィックスは動作、
状況に応じてディスクリートグラフィックスのオン・オフが行われるといった仕組みになっており、
場合によっては2種のGPUが並行して動作する事もあります。

特に何らかの操作を行う事なく、快適なパフォーマンスと消費電力が保たれるとあって、
これまでの「外部GPU搭載マシン = バッテリー持続時間が短い」という図式は必ずしも成立しなくなりました。



ただ、先日のITmediaに掲載されていた記事によると、
状況によっては高負荷な状況でディスクリートグラフィックスが有効にならなかったり、
内蔵グラフィックスのみでの稼動の方が消費電力が高くなってしまう
現象が見られたとの事。
(→ ThinkPad T410sでOptimus Technologyを賢く使う

この現象は、使用しているアプリケーションの性質によるものだと思いますが、
本来ならば、Optimus は必要な時に高いパフォーマンスを実現し、
そうでない時にはパフォーマンスを抑えて電力の節約を行う為の技術ですので、
上記のような状況はその目的にそぐったものではありません。

ですが NVIDIA 曰く、Optimus は以前の技術とは違い、
NVIDIA が用意したプロファイルをユーザー自身がカスタマイズする事ができるという部分も、
メリットの一つだとの事で・・



NVIDIAコントロールパネル 3D設定の管理

Optimus 搭載マシンでは、上記のようなNVIDIAコントロールパネルを使用し、
各アプリケーションの3D設定の管理を詳細に設定する事が出来るようになっています。

このアプリケーションではディスクリートグラフィックスを有効にする、だがこちらのアプリでは、
上で述べたようにディスクリートグラフィックスだと逆に消費電力が高くなってしまう傾向にある為、
ディスクリートグラフィックスを有効にしない・・ といった設定も自由に行えるようになっています。

意図しない状況(内蔵GPUなのに消費電力が大きい)が起こる可能性があるという事は、
本来の Optimus の力を発揮する為には、自分の環境に応じて柔軟に運用する必要があるという事だと言えそうです。

ただ、そのような現象(内蔵GPUの方が消費電力が高い)が頻繁に起こるのかは不明ですので、
その頻度によってはそれほど気にかける必要はないという事、また自分の考えとしては、
常に消費電力に注目しているわけではなく、細かな設定等に時間を割くのは面倒だという事もあります。

柔軟な運用が必要・・というと、使いこなすまでには手間がかかるという印象を受けなくも無いのですが、
自分が日常的に長時間使用する主要なアプリ2、3の消費電力を把握し、
その状況に応じてプロファイルのカスタマイズを行うだけでも、
Optimusの機能の本来の力を大きく生かす事が出来るのではないかと思います。

いずれにせよ、前段階のGPU切替技術とは比較にならない程、
高い利便性を備えたテクノロジーである事には違いありません。



余談ですが・・

Thinkpad T410s

通常外部GPUというと、ゲーミングPCのようなパフォーマンスを想像する事が多いですが、
現在 Thinkpad T シリーズに搭載可能な外部グラフィックス NVS 3100M は、
ビジネス用途に適したモデルですので、高い処理性能を必要とするゲームには向きません。

というよりも、レノボの Thinkpad ブランド自体がゲーム用途には提供されていませんので、
その傾向(ゲームに向かない)は今回のTシリーズに始まった事ではなく・・

ゲーム用途の高速なパフォーマンスを求めるユーザーには、
今回の Thinkpad T シリーズもそれほど魅力のあるマシンではないと思います。

ですが、ビジネス用途で携帯性・パフォーマンスに優れたモデルといえば、
このThinkpad Tシリーズの中でも、特に軽さを重視した T410s が要のモデルだと考えており、
今回の Optimusテクノロジーの導入は、それに更に拍車をかけるものだという事に間違いはありません。

しかし自分としては、T410sは軽量ですがサイズが大きい分、
持ち運びなどの面で使いやすいとは言えず・・ 光学ドライブは搭載しなくても良いので、
更に軽量なXシリーズなどで、そういったモデルが出ないかと考えたりします。


きりがないのでこの辺で終わります。

上記のように、同じモデルであっても日々進化・改良されていくレノボの製品、
次世代のThinkpadの各シリーズ新製品では、どういった内容のモデルが登場するのだろうと今から楽しみです。